旅にはその人なりのスタイルがあります。
旅をより充実させるために、自分なりのルールを設けている人は少なくありません。
私も旅を重ねるなかで、自分なりの「マイルール」を持つようになりました。
「マイルール」は効率的に観光地を回るためではなく、その土地ならではの魅力を深く味わうために大切なことです。
この記事では、1日の流れに沿って私の4つのルールをご紹介します。
出会いから始まる朝
現地の人おすすめのカオマンガイ屋さん
旅の朝は、まず現地の人に声をかけることから始めます。
現地の人に話を聞くことで、観光ガイドには載っていない裏話やおすすめのお店を教えてもらえることがあるからです。何より、その土地の人と直接やり取りをすることで、その地域がより身近に感じられるようになります。
実際どのカオマンガイのお店に行くか悩んでいる時、バイクタクシーのおじさんからおすすめしてもらったお店で”人生で1番美味しいカオマンガイ”に出会えました。
挨拶からだけでも話しかけるだけで、出会いの可能性は無限に広がっていくのです。
音楽でつなぐ記憶
旅が終わっても続く余韻を残すために、現地で出会う人におすすめの音楽を聞くことを大切にしています。
タイで出会ったモロッコの友人は、スペインや中国の曲など、日本で過ごしていると耳にすることのないようなさまざまな音楽を教えてくれました。
おすすめされた曲はその旅のプレイリストとして、バンコクからチェンマイへ向かう寝台列車の移動中や飛行機の中、夜にのんびりと過ごしている間ずっと聴いていました。今でもその音楽を聴くと、列車の揺れや窓の外に広がる景色、友人の笑顔までもが鮮やかに蘇ります。
まるでアルバムの1ページをめくるように、音楽が旅の思い出を呼び起こしてくれるのです。
その地でしかできない贅沢
総距離900kmの寝台列車を初体験
その土地ならではの体験は、できる限り「やる」と決めています。
多少値が張っても、旅の醍醐味は「ここでしかできない経験」にあるからです。
タイに訪れた際、バンコクからチェンマイまで飛行機やバスが出ている中で私は寝台列車を選択しました。
総距離900km、時間にして14時間の長旅は決して快適とは呼べませんでしたが、あの時車窓から眺めた人々の暮らしや列車での出会いは、長旅の疲れを忘れさせてくれるほど心に深く残りました。
後から思い返したとき、「やっておけばよかった」という後悔よりも、「あの時の体験があったから」という記憶の方が旅の思い出をより色濃いものにしてくれます。
少し勇気を出して挑むことで、旅は単なる観光ではなく、自分だけの宝物のような思い出になるのです。
余白を楽しむ時間
偶然立ち寄ったマーケット
予定を詰め込みすぎないことも、私の旅の大切なルールです。
無計画に街を歩いたり、偶然出会った景色を楽しんだりする時間が、心に残る瞬間を生み出してくれます。
ふらっと立ち寄ったカフェで素敵な店員さんと遭遇したり、ホステルで何気なく過ごしていて友達ができたり、たまたま見つけたマーケットがすごくおしゃれで気に入ったり。
スケジュールで固められた旅ではなく、風や音に任せて流れるひとときにこそ、その土地らしさがにじみ出ます。
余白があるからこそ、旅は思いがけない方向に広がっていくのです。
旅を形づくる4つの約束
現地の人との会話、音楽、特別な体験、そして余白。どれも小さなルールですが、私にとっては旅を豊かにする大切な約束事です。
旅は行き先そのものではなく、出会いや経験によって形づくられていきます。
だからこそ、この4つを心に留めながら、次の旅へと向かいたいと思うのです。
All photos by Harugorou