正直、迷いました。カメラの知識を1から学ぶ為に専門学校に行こうと決めましたが、それを飛ばしていきなりアシスタントになる。知識や経験がないことへの不安と恐怖。自分にできるわけがないけど、自分の年齢や学費を考えればこんなにいい話はありません。
世界一周の出発先を鉛筆を転がして決めてしまうほどいいかげんな僕にとってこの突然現れた重要な選択は難しすぎて、ノイローゼになるほど迷いました。
そして、考えに考え抜いた結果、恥はかくもの!と割り切ってアシスタントフォトグラファーになることを決めたのです。
この選択が正解だったのかは今でも分かりませんが、こう言った将来に関わる分かれ道はそこらへんに転がっていて、いつ目の前に出てくるか分かりません。
このような重要な選択に急に迫られた時、いかに準備できているかも重要ですが、最終的にどっちが後悔しないかを基準に僕は考えるようにしています。
フリーになるという決意
アシスタントの仕事は全く分からないことだらけです。フォトグラファーや先輩、同期に迷惑をかける毎日でしたが、学校の行ってない僕にとって現場でしか学べない知識を身につけることができる最高の環境でした。そして、仕事にも慣れ始めた頃、少しずつひとつの考えが芽生えてきます。
「ここでいいのか?」
僕が勤めていた会社は広告制作会社でモデルさんや商品を撮ることが多いところでした。ただ、僕が撮りたいものは風景。しかも、見た人の心を動かすことのできる絶景。
寝ないで撮影が何日も続くこともあるアシスタントの仕事をしながら僕のなりたい写真家を目指すことは不可能だと考え、会社を辞めてフリーで写真家になる決意をしました。
フリーランスという肩書き
「フリーランス」いい響きですよね。何時に起きてもいいし、出社もない。やりたいことをやってお金を貰える。どこまでも自由。ただ、フリーで働こうとしている人にはっきりと言えることがあります。
「自分が思ってるほど仕事ないよ。」
フリーの写真家として働き始めた当初、当たり前ですが全く仕事はありませんでした。少ないコネを頼って写真の仕事をしながら、撮影のない日は工事現場で働くような日が続きました。
自由になるということはあらゆる責任が自分に伴います。これを考えずにフリーになると、とんでもないギャップにぶち当たることになります。
もうひとつ重要なことを。フリーで働くにあたり1番大切なのはコネ。あくまで僕の考えですが、実力よりも運やコネが仕事につながる世界です。
新しいコミュニティーにどんどん入り込んでいくことが新しいコネクションを生み、仕事につながる、なんてことはよくあることです。
最後に
偉そうに書いてきましたが、僕も自分の好きな写真だけを撮って生活をしているわけではありません。以前よりは仕事も増えましたが、生活のために風景以外の写真も撮っているし、月に休みは3日くらいしかありません。
それでも、今年は2月から1か月もウユニ塩湖で撮影できたし、次の海外撮影に向けて準備をする生活はとても充実しています。
決して楽ではありませんが、一度しかない人生で自分がよりワクワクする方に歩いていくためにフリーランスで働くという選択は考えてみる価値はあると思います。