ライター
土庄 雄平 山岳自転車旅ライター|フォトグラファー

1993年生まれ、愛知県豊田市出身、同志社大学文学部卒。第二新卒を経験後、メーカー営業職とトラベルライターを両立。現在は、IT企業に勤めながら、自然や暮らしに一歩踏み込む、情報発信に精を出す。トラベルライターとして寄稿した記事は2,000記事以上。 山岳雑誌『山と渓谷』掲載多数、「夏のYAMAPフォトコンテスト2020」入賞、「Yahoo!ニュース ベストエキスパート2024」地域クリエイター部門グランプリ。山での活動をライフワークとし、学生来、日本全国への自転車旅を継続している。

こんにちは!トラベルライターの土庄です。

先日、かねてから興味関心のあった温泉により詳しくなるために「温泉ソムリエマスター」の認定を受けました。

民間資格を取得するのは初めてで、高い費用を払う価値はあるのだろうか?と、認定を受けるまではやや半信半疑だったのですが、温泉ソムリエマスターになった後、温泉旅行の楽しみ方が広がったのは間違いありません。

そこで今回は温泉ソムリエマスターの認定を受けた筆者が、温泉ソムリエの認定を受ける魅力と、筆者おすすめの温泉をご紹介したいと思います。温泉好きの方は必見です!

温泉ソムリエとは?


photo by Yuhei Tonosho
温泉ソムリエとは、赤倉温泉の旅館経営者・遠間和広氏の発案により誕生した、温泉ソムリエ協会が運営する民間資格です。より多くの方に温泉の魅力と正しい入浴法を広めていくことを目的としており、温泉通の証として広く認知されています。

認定を得る条件は、温泉ソムリエ協会が主催する認定セミナー(Webでも可)を受講、もしくは1泊2日のツアーに参加すること。温泉ソムリエには試験はないので、受講するだけでどなたでも認定を受けることが可能です。


銀山温泉/photo by 山形県公式観光サイト
さらに温泉ソムリエの上には、温泉ソムリエマスターというものがあり、温泉ソムリエを認定後、各種ステップアッセミナーを受講することで認定されます。ステップアップセミナーには、以下の種類がありますが、いずれも年1回の開催なので要チェックです。

【ステップアップセミナーの一覧】
・温泉ソムリエ温泉分析書マスター:温泉分析書を理解できる
・温泉ビューティ&ダイエットソムリエ:温泉の美容・ダイエット効果を説明できる
・温泉ソムリエ地域活性化マスター:温泉を通じた地域振興や地域活性化を考えられる

温泉ソムリエおよび温泉ソムリエマスターの認定を受けることで、温泉の楽しみ方や旅のスタイルが広がりますよ!以下で簡単に紹介していきましょう。

温泉を理解して、より効能を実感

新穂高温泉/photo by Yuhei Tonosho
温泉施設に行くと脱衣所などに必ず「温泉分析表」がありますよね。温泉分析表には、温泉法に定められた温泉の成分や泉質などが記載されており、いわば温泉のプロフィールと言えるでしょう。

温泉ソムリエであれば、その温泉分析表の基礎項目を読み取ることができ、温泉ソムリエ温泉分析書マスター(温泉ソムリエマスター)であれば、応用パターンまで知識を深めることができます。

ひとえに温泉といってもバリエーションは様々で、温泉成分にまで目を向ければ、完全に同じ温泉はありません。旅先で訪れた温泉にどのような特徴や効果があるのか分かるようになったのは、温泉ソムリエになってからの1番の楽しみです。

トムラウシ温泉/photo by Yuhei Tonosho
例えば、筆者が先日訪れた北海道の秘湯「トムラウシ温泉」は、pH8(弱アルカリ性)以上、炭酸水素塩泉、メタケイ酸183mg、メタホウ酸72.4mgと、美肌効果が見込まれる4要素を満たした珍しいお湯だと知って感動しました。

プラシーボ(偽薬)効果とも近いのですが、知らないより知って入った方が、温泉の入浴により感じられる効能(適応症)は何倍も高まると言われています。

自分に合った温泉が分かる。楽しみ方のコツも

酢ヶ湯温泉/photo by 青森県観光情報サイト
温泉といっても千差万別で、体質によって合う・合わないがあるほか、温泉の刺激の強さによって入浴法も変わってきます。自分好みの温泉や、足を運んだ温泉を満喫する入浴法を学べるのも、温泉ソムリエの大きなメリットと言えるでしょう。

例えば、以前訪れた青森県の「酸ヶ湯温泉」はpH1.7(酸性)、酸性・含鉄・含硫黄・アルミニウム-硫酸塩・塩化物泉です。身体の底から湧き上がるように温まりましたが、同時に肌がビリビリとして痛かったのを覚えています。

好きな人は好きな刺激的な強酸性ですが、アトピー性皮膚炎の筆者にとっては数分浸かるのでも厳しいお湯でした。

鶴の湯(乳頭温泉郷)/photo by 秋田県観光公式サイト
逆に秋田県・乳頭温泉郷の「鶴の湯温泉」はpH6.9(中性)、含硫黄ーナトリウム・カルシウム-塩化物・炭酸水素塩泉と、温泉成分も適度に濃く、身体に馴染むお湯で、2日間入っただけですが、肌の調子がすこぶる良かったです。

今までの入浴経験と、温泉ソムリエ(温泉ソムリエマスター)認定セミナーを踏まえて、自分の肌に合うのはpH3以上(強酸性以外)、塩化物泉や炭酸水素塩泉で、できれば低張性(体液よりも濃度が低いお湯)の温泉だとわかりました。

一方で入浴法については、刺激の強い温泉に入るときは長湯をするのではなく、何度かに回数を分けて入ったり、温泉からあがるときには成分を洗い流さないようにするなど、温泉を楽しむコツを学ぶことができます。

温泉ソムリエは、隠れ名湯を訪ねる旅の始まり

ランプの宿 青荷温泉/photo by 青森県観光情報サイト
旅行へ行くときには、日本三名泉(有馬温泉、草津温泉、下呂温泉)や別府温泉、箱根温泉というように温泉リゾートを目的地にする方は多いと思いますが、そのなかでも「このお湯に入りたい!」とお宿を決める方はどれほどいるのでしょうか。

温泉ソムリエ(温泉ソムリエマスター)認定の先に待っているのは、隠れ名湯を探す旅の始まりです。

いたるところに温泉の湧く日本。温泉ソムリエ(温泉ソムリエマスター)になることで、メジャーな温泉地のなかでも良質なお湯を見極めてお宿を決めたり、ときには温泉地から外れた意外な場所で素晴らしい温泉を見つけられるようになります。

筌の口温泉/photo by 大分県観光情報公式サイト
まさに温泉という側面から日本を再発見する旅を楽しめるのも、温泉ソムリエ(温泉ソムリエマスター)の認定を受ける魅力と言えるでしょう。

例えば登山が大好きな筆者は、よく大分県の”くじゅう連山”に足を運んでいるのですが、その麓に「筌の口(うけのくち)温泉」という筆者の好きなお湯の条件に合う秘湯を見つけました。

最近は、メジャーな別府や湯布院だけでなく、大分県の他のエリアで穴場な名湯を探すのも密かな日課となっています。

ライター
土庄 雄平 山岳自転車旅ライター|フォトグラファー

1993年生まれ、愛知県豊田市出身、同志社大学文学部卒。第二新卒を経験後、メーカー営業職とトラベルライターを両立。現在は、IT企業に勤めながら、自然や暮らしに一歩踏み込む、情報発信に精を出す。トラベルライターとして寄稿した記事は2,000記事以上。 山岳雑誌『山と渓谷』掲載多数、「夏のYAMAPフォトコンテスト2020」入賞、「Yahoo!ニュース ベストエキスパート2024」地域クリエイター部門グランプリ。山での活動をライフワークとし、学生来、日本全国への自転車旅を継続している。

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