コナーラクの太陽神寺院
太陽神を祀るスールヤ寺院は、13世紀にナラシンハデーヴァ一世によって建設されました。直径3メートルにもおよぶ車輪を備えた、スールヤが乗る馬車に見立てた独特の形をした寺院。
一説によるとイスラム軍との戦いに勝利した記念に建てられたとも言われています。舞楽殿で見られるオディッシー・ダンスも見所の一つです。
サーンチーの仏教建造物群
紀元前3世紀頃に建設されたとされるインドに残る最古の仏塔で、広大なデカン高原を見渡すことのできる高台の上に建てられています。仏塔は三つあり、第一塔の塔門に施されている動植物や仏教民話などの彫刻は古代仏教美術の傑作と言われています。現在はこれらの塔と僧院の堂、土台が残るのみですが、1989年に世界文化遺産に登録されました。
デリーのクトゥブ・ミナールとその建造物群
1206年にクトゥブ・アッディーン・アイバクによって建造されたモスク付属施設兼戦勝記念塔で、インドで最も高い塔です。元々は四層でしたが、再建後に五層になりました。円柱の塔にはイスラム様式の装飾が施され、イスラム様式建造物としてはインドで最初のものとされています。1993年に世界文化遺産に登録されました。
アジャンター石窟群
デカン高原の断崖にあるアジャンタ石窟群は、550メートルにも及ぶ岩を掘って造られた仏教寺院です。寺院群は大小含めると30にも及び、インド最大のもので、8世紀に造られたとされています。
内部にはインドで最高とされる仏教壁画が残り、インド仏教美術の最高峰とされています。1983年に世界文化遺産に登録されました。
デリーのフマユーン廟
イスラムのペルシャ文化とインドの伝統様式が融合して産まれたムガル様式の最初の建物がフマユーンの霊廟です。この建築スタイルは後にタージ・マハルにも影響を与えました。チャハルバーグ形式の庭園の最古のものとされている霊廟周囲の庭園は四分庭園と呼ばれ、4つの区画に分けられています。1993年に世界文化遺産に登録されました。
マハーバリプラムの建造物群
6世紀から9世紀にかけてパッラヴァ朝が海外交易の拠点としたマハーバリプラムは、花崗岩に覆われた町です。
一枚岩を削って造られたヒンドゥー教の寺院遺跡「ファイブ・ラタ」をはじめ、30を超える石造建造物が並んでいます。現在もマハーバリプラムは石工職人達によって栄えています。1984年に世界文化遺産に登録されました。
アグラ城塞
アグラ城は、16世紀から3世紀間にわたって繁栄したムガル帝国のアクバル皇帝によって建てられた、ヤムナー川岸にある周囲2.5㎞にも及ぶ大きな城塞です。
帝国の力と権力を誇示するために赤砂岩で造られた城壁から、赤い城とも呼ばれていました。壁とは対照的に内部の建物は白大理石の豪華な宮殿をはじめ、白い建物が多く、美しいコントラストを見せています。
ジャイプルのジャンタル・マンタル
18世紀にサワーイ・ジャイ・シン2世によって建造された町で、様々な変わった建築物が残されていることで有名です。
その中のひとつがジャンタル・マンタルと呼ばれる1728年から1734年にかけて造られた天体観測用の施設で、20にも及ぶ天体観測機や、高さが27メートルもある日時計、星座観測機などが残されています。
チャトラパティ・シヴァージー・ターミナス駅
インド最大の商業都市ムンバイに、19世紀末、イギリス植民地時代に建設された駅舎です。インドの伝統建築様式の融合とされるヴィクトリア・ゴシック様式の美しい駅舎で、ここを中心にインド全国に鉄道網が引かれました。
現在も1日300万人が利用する駅として活躍しています。2004年に世界文化遺産に登録されました。
ゴアの教会群と修道院群
植民地時代に、ポルトガルの首都リスボンをモデルとして作られた「東方一の貴婦人」との異名を持つ美しい街でしたが、現在は教会と修道院が残るのみとなっています。
フランシスコ・ザビエルが眠るボム・ジェム聖堂をはじめ、アッシジ聖フランシス修道院教会、セ・カテドラルなどキリスト教宗教建築物が良い保存状態で残されています。