ライター
さとり 外に出るオタク

京都出身。ジョグジャというインドネシアの古都の観光局で働いていました。(青年海外協力隊として)京都と東南アジアが好きです。

古い施設を改装して、カフェやオフィスなど別の目的で再利用する「リノベーション」。欧米など先端国のブームというイメージがあるかもしれませんが、実は東南アジアのインドネシアでも「リノベーション」のムーブメントが起こりつつあります。

今回は、インドネシアの「ソロ」という街にある3つの最新リノベーション事例を紹介いたします。

ソロってどんな都市?古い観光地

photo by shutterstock

ソロ(Solo/Surakarta)は首都ジャカルタから飛行機で約1時間、電車で7時間ほどの位置にある、インドネシアの古都。日本でいう奈良のような存在の都市です。

現代まで続く王宮や500年以上前の古代遺跡、また、「ジャワ原人」の発掘場所として有名で、ジャワ島を訪れるバックパッカーや歴史好きなら外せないけれど、外国人若者旅行者は少ないかな?という印象が少しある、ちょっとニッチな観光地です。

なぜソロに工場リノベーションが多い?

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古い街・ソロに、最新工場リノベーション施設が集まる理由は「もともと工場が多い都市である」という点が挙げられます。

ソロはその位置の関係で、オランダ統治時代からプランテーション農作物(サトウキビなど)の加工工場が多い都市でした。インドネシアの経済発展に伴い多くの工場は稼働停止してしまいましたが、最近建物自体の価値が見直され、全く新しい施設として活用される事例が増えてきているそうです。

次からは、ソロにある工場リノベーションの3つの事例をご紹介します。

砂糖工場が、砂糖について学べる博物館に。Sugar Factory Colomadu

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まずはじめにご紹介するのは「Sugar Factory Colomadu」。

もともとこの施設は、オランダ占領時代の砂糖製造工場でした。稼働終了以降は廃墟となっていましたが、2018年に砂糖の製造工程が学べる国営の文化施設として、リニューアルオープンしました。

当時使われていた機械をそのまま展示!大迫力の工場見学

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博物館に入場すると、まず目に入るのは高さ6mはありそうな巨大な機械。

こちらは実際に2006年まで稼働していたドイツ製のマシンで、安全のため一部塗装されていますが、スケール感をそのまま味わえます。

博物館では、砂糖生成の様子をミニチュアで紹介

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Sugar Factory Colomaduは学校の社会見学にも使われるため、小学生でもわかりやすく、ミニチュア等で直感的にわかるような工夫がされており、外国人の私でも問題なく楽しめました。
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展示方法も現代アートやインスタレーション(空間芸術)が織り交ぜられ、博物館というより美術館のよう。日本でもこのレベルの展示施設はなかなかないのでは?と思うほど高いクオリティで、正直驚きました。
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こちらはリノベーション前と後のビフォーアフター写真。過去の写真はかなりの廃墟に見えてしまいますが、よく見ると構造は何も変わっていないことがわかります。

施設内にはカフェやお土産やさんも併設

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施設内には一服できるカフェ・お土産屋さんも充実しています。

実は、インドネシアは世界第3位のコーヒー生産国。インドネシア各地でとれた美味しいコーヒーももちろんこのカフェで提供されています。

展示を見終わった後の一服に、立ち寄ってもいいかもしれませんね。

■詳細情報
・名称:Sugar Factory Colomadu
・住所:Jl. Adi Sucipto No.165, Paulan Wetan, Malangjiwan, Kec. Colomadu, Kabupaten Karanganyar, Jawa Tengah 57177 インドネシア
・地図:
・アクセス:市内から約20分(タクシー)
・営業時間:10:00~21:30(月曜休)
・所要時間:1〜2時間
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さとり 外に出るオタク

京都出身。ジョグジャというインドネシアの古都の観光局で働いていました。(青年海外協力隊として)京都と東南アジアが好きです。

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