ライター
さとり 外に出るオタク

京都出身。ジョグジャというインドネシアの古都の観光局で働いていました。(青年海外協力隊として)京都と東南アジアが好きです。

廃墟がテーマパークのようなフォトスポットに!?The Heritage Palace

photo by satori

続いて紹介するリノベーション施設は「The Heritage Palace」。こちらも元は砂糖工場でしたがリノベーションされ、現在は「観光フォトスポット」になっています。

コンセプトは「ヨーロッパ」とにかく欧風の写真を撮って楽しむ空間

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「観光フォトスポット」で観光客がすることはたった一つ、「写真を撮ること」。オランダ造りの工場を背景に、車や国旗等「ヨーロッパっぽい」小物を合わせて自撮り写真(セルフィー)を楽しむというスポットです。

自撮りに真剣!なインドネシア文化

日本人の感覚では理解が少し難しいのですが、インスタ大好きインドネシア人にとっては「フォトスポット」も立派な観光地。そのため、インドネシアでは素敵な写真が撮れる場所に行き、友達や家族とワイワイ写真を撮り合うという消費スタイルが人気です。

この観光地も決して現地の感覚では安くない入場料(日本円では400円ほど)ですが、連日大盛況だそう。
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なんと、オランダ民族衣装の貸し出しまである本気度合い。日本でいうと、テーマパークにある欧米風の街並みで写真を撮る感覚でしょうか。

もはや工場関係ないのでは!?というフォトスポットも

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工場内部には、トリックアート写真が撮れるスペースや著作権的に怪しい絵もあり、日本人の私からすると突っ込みたくなる場面も多いですが、異文化を学ぶという意味ではとっても面白いスポットと言えるかもしれません。

写真消費も、文化と捉えれば案外楽しい

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今ではインドネシア人と同じように、自撮り写真を楽しめるようになった私ですが、初めの頃は彼らほど自信満々に写真を楽しむ勇気がなく、一歩引いて見ていました。

ただ、一度頭を空にして彼らに混じってみると、案外楽しい!ということがわかりました。インドネシア人の写真にかける情熱を体験してみたい方は、ぜひ立ち寄って自撮りを楽しんでみてください。

■詳細情報
・名称:The Heritage Palace
・住所:jalan Permata Raya Dukuh Tegal Mulyo rt.002/rw.008, Honggobayan, Pabelan, Kec. Kartasura, Kabupaten Sukoharjo, Jawa Tengah 57169 インドネシア
・地図:
・アクセス:ソロ市内から約10分(タクシー)
・営業時間:9:00~18:00
・所要時間:1時間
・公式サイト:wisataheritagesolo.com

ブルガリアのエッセンシャルオイル工場が体験施設に。Rumah Atsiri Indonesia

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最後にご紹介するのは「Rumah Atsri Indonesia」。

こちらは、インドネシアとブルガリアの経済・技術協力が目的で1963年に作られたエッセンシャルオイルの工場をリノベーションし、2019年にオイルやハーブの複合体験施設としてリニューアルオープンした施設です。

施設内には、オイルのことが学べる博物館・ハーブ園・レストラン・体験ワークショップなど様々なアクティビティが提供されています。

工場を再利用した堅実で美しいブルガリアの建築

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Rumah Atsiri Indonesiaの特徴は、この美しい建築です。

先に紹介したオランダ占領時代の工場と雰囲気が全く異なり、装飾が少なくシンプルできちんと美しい建物といった印象。背筋がシャンとするようなオシャレさです。

石鹸作りやエッセンシャルオイルの製作体験ワークショップも

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施設内にはワークショップのスペースがあり、15分ごとにいろいろなアロマ製品作りを体験できます。私はエッセンシャルオイルの製作(約1,000円)を体験してみました。
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レモングラス、シトロン、ラベンダーなどのオイルから好きな香りを選んで、薬品を自分で混ぜて調合し、自分だけの無添加エッセンシャルオイルを作成!作ったオイルはもちろん自分用に持ち帰れます。

併設レストランでは、ハーブを使ったオリジナルドリンクや料理を提供

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併設レストランでは、自家栽培のローズマリーやハーブを使った料理・ドリンクが提供されています。

花畑に囲まれたスタイリッシュなレストランで過ごしていると、自分が東南アジアにいることを忘れてしまいそうになってしまいます。

エッセンシャルオイルについて学べる博物館

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Rumah Atsiri Indonesia併設の博物館では、実際にオイル生成に使われていた機材や工場跡が見られるだけでなく、インドネシアで生産されているハーブ・世界全体のハーブトリートメントの歴史を専属ガイド付きで学べます。
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こちらも直感的にわかる展示手法が凝らされており、日本の最新博物館にも引けをとらないクオリティで驚きました。

お土産コーナーではオイルだけでなく環境配慮製品全般を販売

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お土産コーナーでは、Rumah Atsiri Indonesia のオイル製品はもちろんのこと、インドネシア国内で生産された環境配慮の雑貨や植物なども販売されており、施設全体のコンセプトが自社製品の宣伝販売だけでなく、「環境や健康意識の啓蒙活動」であることが感覚的に伝わってきました。
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施設内にはハーブ園や花畑、セミナー施設など充実しており、丸ごと楽しもうと思うと4時間くらいかかってしまうほど。

エッセンシャルオイルやアロマが好きな方だけでなく、インドネシアの最先端の環境意識に触れてみたい方にぜひオススメです。

■詳細情報
・名称:Rumah Atsiri Indonesia
・住所:Jl. Watusambang, Watusambang, Plumbon, Kec. Tawangmangu, Kabupaten Karanganyar, Jawa Tengah 57792 インドネシア
・地図:
・アクセス:ソロ市内から約100分(タクシー)
・営業時間:10:00〜17:00
・所要時間:2〜4時間
・公式サイト:rumahatsiri.com

環境への意識は、発展途上国にもしっかり芽生えている

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私は今回この3つの施設を訪れて強く感じたのは、「インドネシアにも一部には環境や、サステイナブルの意識がしっかりあること」です。今までは、古い施設を壊さず「リノベーション」するような開発方法は、余裕がある先進国だけのムーブメントだと思っていたので、その認識を改める良い機会になりました。

今は情報が少ないだけで、おそらく東南アジア各地にもこのような施設は増えてくるのだと思います。今後東南アジアを旅行する際は、このようなリノベ施設を探して、訪れてみるのもいいかもしれませんね。

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さとり 外に出るオタク

京都出身。ジョグジャというインドネシアの古都の観光局で働いていました。(青年海外協力隊として)京都と東南アジアが好きです。

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