狙い通り、現地では言葉と踊りでコミュニケーションがとれたので、誰よりもキューバを楽しんだ自信があります!その後ゆっくり中南米を南下したんですが、水が合ったというのか、ラテンアメリカでの日々は本当に毎日楽しかったですね。
中年米は治安が悪そうですが、旅での一番のハプニングは?
やはり、治安面では安心できないところが多かったのでかなり気をつけていました。場所によっては犯罪も多発してましたし、ドラッグ汚染もかなり深刻でしたからね。
旅での一番のハプニングはコロンビアでカーチェイスに巻き込まれたことですかね。ヤク中っぽいタクシー運転手にあたってしまい、降ろしてももらえず、最悪なことに運転手が別のタクシーと喧嘩をはじめてしまって…
数分後にはカーチェイス状態に。その時はさすがに死ぬんじゃないかと思って怖かったです。衝突でもして事故死するか、運転手に撃たれでもするかどちらかで自分は死ぬんじゃないかなって。
骨折覚悟で車から飛び降りようと思った矢先に喧嘩相手のタクシーに振り切られてタクシーが止まり、今しかないと思って多めにお金を握らせて転げ落ちるようにタクシーから逃げ出し、難を逃れたということがありました。
では、逆に良かったと思う国は?
やっぱりキューバですかね。人も文化も町並みも自然も全てが美しかったです。みんな、お人好しですし。あと、ありのままの自分たちを受け入れる、小さな幸せを大切にする国でした。
物はないし自由も多くはないかもしれないけれど、家族がいて、ささやかでも楽しい自分たちの生活はとても幸せなのだと若者もおじいさんも笑顔で教えてくれました。
日本は物質的に恵まれているけれど、幸せを感じている人は決して多くはない気がします。1ヶ月滞在したのですが、本当にキューバが大好きになったので、今は自称キューバ親善大使としてキューバ渡航を勧める活動を勝手にやっています(笑)
旅を終えて、変わったことはありますか?
生き方や考え方がシンプルになったことですかね。物ってどれだけ気をつけても簡単に失ってしまうんだなって気づきました。
自分が持っていられるのは知識、経験といった自分の頭や体に置いておけるものしかないんだと。そうすると大切にすべきものが何か分かるようになりました。
帰国してからはフリーランスで仕事をしています。色んな仕事をしていますが、自分の生き方に納得できる人を増やしたいと思い、主にキャリア支援や移住定住に関する仕事をしています。
前職時代、合わない会社や町で無理をして働いて、精神や体を病んでしまい労働市場からこぼれ落ちていってしまった人を多く見てきたので、この現状を少しでも変えたいなと。
旅をするという選択肢も、多くの人に持ってもらえたらと思っています。もちろん、嫌だから逃げるなんてことばかりしていると、逃げ癖がついてしまいますが、限界まで頑張っても無理なら思い切って逃げて旅をしてみてもいいと思うんです。
それでリフレッシュ出来たり、物の見方を変えられたり、良い出会いに恵まれたりしてスムーズに再スタートをきった人も沢山見てきました。
旅という選択肢以外でも、違う環境で働いたり、思い切って地元に帰ってみるのもいいと思います。日本は、思っているよりやり直しがきく社会だと思いますし、間違っても自ら死を選んで欲しくないなと思い、都市部と地域、そして海外と、多方向へのキャリア支援を仕事の一つにしています。
ゆかりさんにとって旅とは?
旅をすることと生きていくことはもう一緒ですね。特に今は国内外問わず旅をするように知らない土地を移動しながら働いていますし。
町おこしなどの現場に行くと、はじめての景色や食べ物に出会えて、旅している時のような気分になることも多いです。拠点は持ちながらも、出来ればこうしたスタイルでしばらくは働いていきたいと思ってます。
最後に、これから旅立つ人たちへメッセージをお願いします!
▼川人ゆかり(かわひと・ゆかり)自らのルーツを辿りながら2年以上世界を放浪。 帰国後、旅前のキャリアも活かして『暮らす・働く・旅をする』をテーマに独立。グローバルキャリア教育プログラムの立ち上げや日本の地域活性化プロデュースなど、世界と田舎を舞台に『旅するように働く』を体現中。 トークライブや講演、旅女子MCとしてイベント出演なども行っている。