石州嶋田窯工房
ライター
かわい まゆみ 絶景ハンター&トラベルライター

秘境絶景ひとり旅好きな絶景ハンター。国内47都道府県、世界89カ国、訪れたスポットは2000以上。フットワークの軽さと胃腸の丈夫さが自慢。マニアックな絶景スポットを発掘するのが好き。"ちょっと出かけたくなる"、そんなきっかけを作れるような情報発信を心がけています。

世界に広がる島根の「練り物」

若女食品の工場Photo by Mayumi
明治40年(1907年)創業の、江津市に本社を構える老舗加工食品メーカー「若女(わかめ)食品」。安心安全・美味しく、食べやすくをモットーに、食卓を笑顔にする、島根の新鮮な海の幸や国際認証のMSC「海のエコラベル」を取得したサステナブル・シーフードなどを活用した“練り物”を製造しています。

若女食品(ホタテ貝柱フライほか)Photo by Mayumi
食感、味ともに本物のホタテやカニと見まごう「貝柱風味フライ」や「かに風味フライ」は同社のロングセラーで看板商品。SDGsに配慮した取り組みとともに、新たな公式アニメキャラクターをたずさえて、食を通じて日本文化を世界に届けています。

■詳細情報
・名称:若女食品株式会社
・住所:島根県江津市渡津町961‐4
・地図:
・電話:0855-52-2468
・アクセス:山陰自動車道「江津IC」より車で6分、JR山陰本線江津駅より徒歩約40分
・公式サイト:https://wakashoku.jp/

島根自慢のブランド豚

レストラン・ケンボローのとんかつPhoto by Mayumi
「西の牛、東の豚」、かつて西日本では主に牛肉を、東日本では豚肉が食されたことを揶揄したことばです。

島根でも肉といえば牛が主流の食生活の中、じつはひそかに養豚業が盛んな石見地方。現在、「石見ポーク」「島根ポーク」「芙蓉ポーク」「江津まる姫ポーク」のブランド豚が開発されています。

そのうち、最高品位と名高い芙蓉ポークを賞味できるのが「レストラン・ケンボロー」です。

あえてサシ(脂身)は少なく、赤身ならではの旨みを凝縮させた、甘くてやわらかい肉質を実現した芙蓉ポーク。250gのビッグサイズにもかかわらず、胃もたれしない食後の満足感が最高です。

ケンボロー手づくりハム工房にてウィンナーづくりPhoto by Mayumi
ちなみに、レストラン ケンボローを運営する株式会社島根ポークでは、芙蓉ポークを使用した完全無添加の生ウインナーを手作りできる「手作りソーセージ体験」も開催中。自らの手で作った極上ウインナーをその場でいただける何とも贅沢な体験です。もちろん余ったウインナーはお持ち帰り可能です。

希望の場所へ出張開催が基本のこの体験、気になる方は、「ケンボロー手づくりハム工房」へぜひお問い合わせください。

■詳細情報
・名称:プロフェッショナル・ポークレストラン ケンボロー
・住所:島根県浜田市黒川町4191 末広ビル1F
・地図:
・電話:0855-24-9909
・営業時間:11:00~15:00(L.O.14:00)/17:00~22:00(L.O.21:00)
・定休日:火曜日(年2回:2月・9月の第1月・火・水)※火曜日が祝日の場合は営業、翌水曜日が振替休日
・アクセス:JR山陰本線浜田駅より徒歩3分
・公式サイト:https://camborough.com/

暮らしに根付いた伝統工芸と匠の技

家庭の食卓や生活を彩る器や工芸品。石見地方に伝わる匠の技をご紹介します。

石見焼:石州嶋田窯(江津市)

嶋田窯の石見焼のカップPhoto by Mayumi
良質な陶土がとれたことから、古くから窯業が盛んであった石見地方。江戸後期より、江津市(ごうつし)を中心として発展した「石見焼(いわみやき)」の陶芸品。現在は経済産業大臣指定の伝統的工芸品に選ばれています。

石見焼(島田窯)の登り窯Photo by Mayumi
石見焼の特徴は、その頑丈さ。1300度もの高温で焼成するため、硬質で吸水性が低く、塩分や耐寒性、耐酸性にも強い優れものです。かつては「はんどう」と呼ばれる水がめの産地でしたが、現在は暮らしに役立つ茶碗や皿、カップなどの食器類からオーダーメイドまで幅広く対応しています。

今回は、現在ある7つの石見焼の窯元のうち、唯一登り窯を所有する「石州嶋田窯」を見学させていただきました。

■詳細情報
・名称:石州嶋田窯
・住所:島根県江津市後地町1315
・地図:
・電話:0855-55-1337
・不定休
・アクセス:山陰自動車道「江津IC」から車で約15分、JR山陰本線浅利駅から徒歩約25分
・江津市観光協会公式サイト:https://gotsu-kanko.jp/taiken/shimadagama

組子細工:吉原木工所(浜田市)

組子細工(吉原木工所)Photo by Mayumi
細く挽き(ひき)割った木に溝や角度をつけ、釘や金具を一切使わず、木を編み上げるように組み立てる「組子細工」の技法。飛鳥時代から続く匠の技は、島根にも受け継がれています。

和の建築美の象徴として、従来は障子や欄間、行燈(あんどん)、衝立などに使用された組子細工。今回見学させていただいた吉原木工所では、組子細工をモダンな家具へと昇華させ、現代の暮らしになじむ逸品に仕上げています。現在は海外からの引き合いも多く、大手外資系企業のショールームなどにも飾られているそう。

吉原木工所、組子細工のコースターPhoto by Mayumi
吉原木工所では組子細工でコースターを作るワークショップに参加。シンプルに見えて奥が深く、簡単に見えて熟練が求められる匠の技、身をもって体感できました。

■詳細情報
・名称:吉原木工所
・住所:島根県浜田市三隅町室谷912-1
・地図:
・電話:0855-34-0227
・アクセス:山陰自動車道「石見三隅IC」より車で約10分
・公式サイト:https://yoshiharawoodworks.com/

地域とつながる新感覚の「クラフトホテル」

石見のものづくりの力を結集した新感覚のホテルが誕生しています。

MASCOS HOTEL(益子市)Photo by Mayumi
JR益田駅前に2019年オープンした「MASCOS HOTEL(マスコスホテル)」。じつはこちらは、ホテルを形作るあらゆる要素を地場産業の力で補った新感覚の「クラフトホテル」として注目されています。

MASCOS HOTEL・伝統工芸コーナー(益子市)Photo by Mayumi
たとえば、空間デザインやインテリア、器、ユニフォーム、アメニティ、地元食材を使った料理、地酒やクラフトビール、珈琲、なんと館内BGMに至るまで、地元発のオリジナルなクラフトにこだわり抜いています。

ホテルという枠にとらわれない、地域に寄り添い、文化とふれあう、地域の新しいカルチャーを発信する拠点を目指したホテルです。

部屋の浴衣Photo by Mayumi
ちょっとしたところにも石見の意匠が見え隠れし、モノを通して地域とふれあえる異色のホテル。もちろん天然美肌の湯の益田温泉も最高の癒しです。

なお、気に入ったものの一部は、ホテルロビーのクラフトコーナーやオンラインショップでも購入可能です。ぜひ、益田発の新感覚のホテルを体験してみてください。

■詳細情報
・名称:MASCOS HOTEL(マスコスホテル)
・住所:島根県益田市駅前町30-20
・地図:
・電話:0856-25-7331
・アクセス:JR山陰本線益田駅より徒歩4分
・公式サイト:https://mascoshotel.com/

神の国、島根県・石見で島根の魅力を再発見しよう

石見神楽や今に息づく古き良き町並み、食文化や伝統工芸を通じて石見地方の魅力を探った今回の旅。出雲地方とはまた違った、石見地方ならではのポテンシャルに気づいてもらえたでしょうか。

神話や歴史、自然や風土に裏打ちされた、他にはない魅力がそこかしこに眠っています。ぜひ今度、神の国、島根県・石見へ新たな島根の魅力を再発見しに出かけてみませんか?

ライター
かわい まゆみ 絶景ハンター&トラベルライター

秘境絶景ひとり旅好きな絶景ハンター。国内47都道府県、世界89カ国、訪れたスポットは2000以上。フットワークの軽さと胃腸の丈夫さが自慢。マニアックな絶景スポットを発掘するのが好き。"ちょっと出かけたくなる"、そんなきっかけを作れるような情報発信を心がけています。

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