夏草や兵どもが夢の跡・無量光院跡・観自在王院跡
江戸時代に平泉を訪れた松尾芭蕉は奥の細道の中に「夏草や兵どもが夢の跡」と残しています。無量光院跡や観自在王院跡はこの句を象徴する風景です。
3代藤原秀衡が宇治平等院鳳凰堂を模して造った無量光院は礎石だけ残して跡形もありません。建物の中心から西を望むと金鶏山があり、そこに沈む夕日を見ていると極楽浄土に導かれるような気持ちがします。
「秀衡が跡は田野に成て、金鶏山のみ形を残す」と芭蕉に言われた金鶏山の頂上には黄金の鶏が埋められているという伝説があります。
観自在王院は藤原基衡の妻が建立したものですが、内壁に賀茂の祭りや石清水八幡宮などの京都の名所が描かれていたそうです。基衡の妻をしのんで毎年5月4日「なき祭り」が行われています。
高館に今も在る源義経
高館は源義経が兄頼朝の意を受けた藤原泰衡に攻められ最期を遂げた地。仙台藩主伊達綱村はそこに義経堂を建立し本尊として義経像を祀りました。
坂上田村麻呂の足跡・達谷窟毘沙門堂
平安初期の武将坂上田村麻呂が蝦夷と戦い勝利をおさめたお礼に建立した毘沙門堂です。懸崖造りで、本尊は丈六の不動明王像です。また北限の磨崖仏といわれる岩面大佛もぜひ見たいものです。
まとめ
非戦を掲げ、浄土思想を具現化した平泉の寺院群は世界平和を祈る象徴として世界遺産に登録されています。
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