「伊豆下田」といえばペリー率いる「黒船」が来航した街。
日本で最初に開かれた港として、今でも歴史ある街並みが残っている場所です。また、海と山に囲まれた絶景スポットがたくさんあります。
今回の「伊豆下田」でのワーケーションは歴史ある街並みのなかで日常を過ごしながら、伊豆の絶景を楽しむ滞在となりそうです。
青い海が広がるホテルでワーケーション滞在
伊豆下田でのワーケーション滞在は「ホテル伊豆急」に宿泊しました。「伊豆急下田駅」から無料送迎バスで10分ほどの場所にあります。
ホテルの目の前には「白浜海岸」があり、夏を過ぎてもサーフィンを楽しむ人たちがたくさんいました。びっくりしたのは海の青さ!
地元の人にお話を伺うと「下田の海は伊豆の中でも一番!沖縄と同じレベルくらいの水質でダイビングをしても5〜10メートル先まで見渡せるんだよ」と自慢げに教えてくれました。
東京から電車で乗り換えなしで3時間ほどの場所にこんなにも真っ青な海があることに驚きです。
客室は洋室と和室、和洋室のタイプがあります。窓からは白浜海岸の青い海を望むことができます。今回、私たちは洋室に宿泊しました。
ソファーやテーブル、ベッドなどのインテリアにはレトロ感があり、窓から見える青い海も相まって、20、30代の心に響く「ちょっと昔に見たことがあるような懐かしい世界観」に入り込むことができます。
仕事環境が整った海の見える個室で集中して作業を
館内はワークスペースの環境も整っており、客室を改装した個室も有料(1時間600円)で使うことができます。
専用の有線LANケーブルも備え付けてあるので、大容量のデータを扱うときや、オンラインの会議で大事なやりとりをするときに途切れてしまう心配もありません。
プリンターを常設しているので、フロントや共有スペースなどにわざわざ行かなくてもプリントアウトをすることができます。
そして、一番驚いたのが作業用の椅子。快適なオフィスチェアが備え付けられています。
ホテルで仕事をする場合、カフェ用の椅子に座ることも多いので、長時間利用していると足腰が痛くなってしまうこともあります。こちらの個室の椅子は作業用として座り心地抜群なので、集中してデスクワークをしたいときにおすすめです。
いつもの仕事場と違う場所で作業をする場合、ちょっとした煩わしさで作業効率を落としてしまうこともあるのですが、こういった環境が整っているのは仕事をする上でとても助かります。
そして、何と言っても、デスクの目の前の障子を開けると青い海と空が広がります。まるで大きな絵画が飾られているかのような綺麗な色合いで、目や心の疲れの癒しにもなります。
ホテルでは個室以外にもロビーで作業できるスペースがあります。天井が高く、窓も大きくその先には海が広がっているので、開放感を味わいつつ仕事をすることができます。
ホテルの方にお話を聞くと、もともと家族連れが多かったそうですが、最近は単身の宿泊客も増えたそうです。
「ワーケーションって、昔は小説家さんや作家さんが旅館に引きこもって作品を書いたりしてたけど、そういうことだよね?うちにも作家さんが作品を仕上げるのに宿泊していたことがありますよ」なんて話にもなりました。
たしかに川端康成の「伊豆の踊子」をはじめ、伊豆には日本の文豪たちのゆかりの宿や場所がたくさんあります。もしかすると伊豆が元祖ワーケーションの場所なのかもしれません。
地元の食材や温泉で心も身体もリフレッシュ
夜はホテルで夕食を取りました。伊豆の山の幸、海の幸がもりだくさんで楽しむことができます。とくに海の幸は伊勢海老、金目鯛、アワビが豪華に並んでおり、伊豆の海の食材を余すことなく楽しむことができます。
最近は夕食付きでの宿泊のお客さんも多いらしく、仕事が忙しく、移動をせずに伊豆のグルメを楽しみたい人にはホテルで地元の食材を楽しむのがおすすめです。
photo by ホテル伊豆急
「ホテル伊豆急」では大浴場の温泉もぜひ入って欲しいです。
大浴場にはふたつの温泉があり、ひとつは下田蓮台寺を源泉とする単純温泉の「蓮台寺の湯」、そしてもうひとつはホテルの敷地内から湧き出る伊豆天城連山を源とする湯脈の弱アルカリ性硫酸塩泉の「龍神の湯」があります。
温泉に入って感じたのは、優しい湯質をしているせいか、お湯の刺激が少なく、温泉から出た後によくある眠くなるということがありませんでした。疲れを取りつつ、気持ちもさっぱりするので、私は朝と夜に温泉に入って心も身体もリフレッシュしました。
photo by ホテル伊豆急
ホテルは浴衣で館内を移動することが可能なので、食事や大浴場の移動でも服装のことなど気にせずに過ごすことができます。部屋の外への移動で着替えたりする煩わしさもないので、オンオフの気持ちの切り替えもしやすいと感じました。
・名称:ホテル伊豆急
・住所:静岡県下田市白浜2732-7
・地図:
・アクセス:伊豆急下田駅から無料送迎バスで10分
・電話番号:0558-22-8111
・公式サイトURL:https://www.hotel-izukyu.co.jp/
駅前で自転車を借りて仕事の合間に下田の街を散策
黒船来航の街「下田」はいまでも古い街並みが残っており、観光地になっています。
「伊豆急下田駅」では「伊豆ぽた」というレンタサイクルを利用することができるので、仕事の合間に下田の街をサイクリングしながら気分転換をしました。
自転車を10分ほど走らせて向かった先は「ペリーロード」。黒船で来航したペリーが了仙寺まで歩いた400mほど道のりが続きます。
明治や大正につくられた石造りの街並みに柳の葉が風で揺られている様子はレトロでとても風情があります。ちょっとした休憩の外出でも旅を感じられる機会になりました。
・名称:伊豆ぽたSTATION 下田
・住所:静岡県下田市東本郷1丁目6−1
・地図:
・アクセス:伊豆急下田駅構内
・営業時間:9:30~13:00、14:00~17:00
・営業日:不定休(お休みはHPに記載あり)
・電話番号:0558-22-3200
・公式サイトURL:https://www.izukyu.co.jp/izu-pota/
下田の街で歴史や人と触れ合う
「ペリーロード」にはカフェも多く、わたしたちは休憩がてら古民家を利用したカフェ「草画房」に入りました。
古い家具に囲まれ、窓からは石垣が見えて、ゆったりとした時間が流れる内装はなんだか一昔前にタイムスリップしたような気持ちになります。
頼んだクリームソーダの横には梅干しが添えられていて、「庭でできた梅なので良かったら食べてね」と店主さんがすすめてくれました。
ワーケーション滞在だと、地元の人との交流も少なくなりがちですが、お店の方とのちょっとした会話も含めてとても居心地の良い場所で休憩の時間を取れました。
了仙寺にもお参りをしました。ペリーが日米下田条約を締結する際の貴重な絵画が飾られていたりと、下田の歴史を感じることができるお寺でした。
また、向かいにはMoBS(黒船ミュージアム)があり、了仙寺に残されている黒船の歴史にまつわる資料はもちろん、江戸時代の徳川家の資料や吉田松陰や高杉晋作・勝海舟・ジョン万次郎などの幕末の人物の書などが所蔵されています。
いままで歴史の教科書やテレビで知ってきた以上の黒船や幕末の歴史をここで知ることができます。
・名称:草画房
・住所:静岡県下田市三丁目14-6
・地図:
・営業時間:11:00~17:00
・営業日:土曜日、日曜日
・電話番号:0558-27-1123
・公式サイトURL:http://www.sogabo.com/
・名称:了仙寺
・住所:静岡県下田市三丁目12-12
・地図:
・電話番号:0558-22-0657
・公式サイトURL:https://ryosenji.net/
海と山に囲まれた下田で絶景を堪能しリフレッシュ
下田は海と山に囲まれた街であり、絶景を楽しめる場所もたくさんありそうです。
わたしたちは「伊豆急下田駅」に戻って駅の目の前にある下田ロープウェイに乗り、寝姿山へ向かいました。山頂までは約3分ほどで着き、展望台からは下田市街や下田港、伊豆七島などの絶景を眺めることができます。
奥まで歩いていくと縁結びのパワースポット愛染堂があります。愛染堂のそばにある、和み玉投げ処ではふたつの和の重なった部分に入るように石を投げて奥の岩に当てると願いが叶うのだそう。
この伊豆で良いご縁がありますように…と願いながら石を投げてみました。
寝姿山山頂にはレストラン「THE ROYAL HOUSE」があるので、こちらで昼食を取りました。
レストランの内装は伊豆を走る電車「THE ROYAL EXPRESS」がコンセプトとなっており、高級感のある優雅な雰囲気が楽しめます。私は一番人気の「カツカレー旬香亭スタイル」をいただきました。
ロープウェイで登るので疲れず、仕事にも影響なく、気軽な気持ちで下田の絶景を楽しむことができそうです。
・名称:下田ロープウェイ
・住所:静岡県下田市東本郷1丁目3-2
・地図:
・営業時間:8:45~17:00
・電話番号:0558-22-1211
・公式サイトURL:http://www.ropeway.co.jp/
・名称:THE ROYAL HOUSE
・住所:静岡県下田市東本郷1-3-2 下田ロープウェイ山頂 寝姿山駅
・地図:
・営業時間:10:00~16:30(ラストオーダー16:00)
・定休日:水曜日
・電話番号:0558-25-0005
・公式サイトURL:https://www.the-royalexpress.jp/house/
下田の岬で地球の神秘を感じられる絶景に出会う
西日が差し始めた頃にわたしたちは下田にある岬・爪木崎を訪れました。爪木崎は火山活動の跡や柱状節理を見ることができ、伊豆半島ジオパークの爪木崎ジオサイトにもなっています。
まるで人間が作ったような幾何学的なオブジェのようですが、500万年も前に溶岩の冷却によってできたもので、地球の神秘を感じることができます。
奥には印象的な白い灯台があるので、散歩をしつつ灯台近くまで歩いてみました。
遊歩道は12月になると水仙が一面に咲き、「水仙まつり」が開催されるそうです。フォトコンテストも開催されており、投稿されている写真を見ると冬に訪れるのも素敵だろうなと思いました。
灯台まで来ると「伊豆大島」などの伊豆の島々を見渡せる青い海が広がる絶景がありました。
海なし県育ちの私にとって、青い海にいくつもの島が浮かぶ景色は飛行機に乗って行くようなもっと遠いイメージがありましたが、電車で来れてしまうくらい近くにこんな絶景があることを知れてとても驚きました。
東京で仕事をしていると自然に触れられる機会が少なくオンオフの気持ちの切り替えがしづらいときがあります。
伊豆でのワーケーションでは山も海にも触れられて、仕事とプライベートの気持ちの切り替えがしやすくて、心にも余裕が生まれる滞在になりました。
伊豆の海を眺めながらのアフタヌーンティーで休憩
伊豆の食材を楽しめるアフタヌーンティーがあるということで、「下田東急ホテル」に足を運んでみました。
下田の海を眺めながら楽しめるアフタヌーンティーは、紅茶はシンガポールの高級茶TWG Teaを楽しむことができ、オードブルからデザートまでたくさんの種類をいただくことができます。
甘夏みかんのジャムはこのホテルの敷地内で取れたものを使っている手作り。食材も地元のものを買い付けており、地産地消にこだわっているそうです。
仕事の合間のちょっとした休憩に贅沢な時間を過ごしてみるのも良いかもしれません。
photo by 下田東急ホテル
また、「下田東急ホテル」もワーケーション滞在におすすめです。ホテル内のWi-Fiが外のテラスまで繋がっていたりと、広い敷地内で自由度高く仕事ができる環境が整っています。
お庭に足を運ぶと目の前に海が広がっており、気分転換に外の空気を吸いに行くのもとても贅沢な時間になります。
photo by 下田東急ホテル
「下田東急ホテル」は三島由紀夫が愛したホテルでもあり、家族を連れて「下田東急ホテル」に泊まりながら執筆をした作品もあります。
ホテルの外は広々とした海の見えるお庭が広がっており、よく見ると隣にはプライベートビーチのような小さな海岸もあります。
photo by 下田東急ホテル
三島由紀夫も執筆活動をしにこのホテルに滞在したのだと思うと、やはり伊豆は「元祖ワーケーション」の聖地なのかもしれません。
・名称:下田東急ホテル
・住所:静岡県下田市5-12-1
・地図:
・営業日:アフタヌーンティーは土日限定
・営業時間:11:30~16:00
・料金:2800円(アフタヌーンティー)
・公式サイトURL:https://www.tokyuhotels.co.jp/shimoda-h/l
サフィール踊り子で旅を感じるゆったりとした時間
東京への帰りは「サフィール踊り子」を利用しました。「伊豆急下田駅」から「東京駅」まで乗り換えなしの1本で2時間半ほどで向かうことができます。
全車両グリーン席、個室もあり余裕のあるスペースが確保されており、移動時間も自分たちの時間をゆっくり過ごすことができます。電源も付いているので、ちょっとした作業も行うことができます。
個室の内装はクラシックで高級感があり、ゆっくり過ごすことができます。ゆったりとしたソファのような席は窓側に向いており、伊豆の海を楽しむことができます。
電車で目的地に向かう旅行は、電車内は「移動時間」であり、旅の時間ではない認識でしたが、「サフィール踊り子」では移動時間さえ旅の一部にしてしまう魅力がありました。
心も身体も開放感あふれる伊豆下田のワーケーション滞在
伊豆下田の滞在は自転車に乗って街の人や歴史に触れられたことで、下田の情緒溢れる街の雰囲気を味わうことができました。
また、「ホテル伊豆急」は広く青い海を見渡せて、浴衣で移動できるということもあり、心も身体も開放感を持って過ごすことができました。
この下田の昔ながらの街並みや居心地の良さが、古くから文豪がワーケーションとして愛した理由なのかもしれないと感じました。
東京で仕事が忙しく外の景色を見る余裕がないと感じている方や、集中して引きこもって仕事をしつつ、その合間に気持ちを切り替えられるリフレッシュをしたい、という方に「伊豆下田」の滞在はおすすめです。
※新型コロナウイルス感染予防対策として、撮影時以外はマスクを着用しております。
All photos by Eri Miura