琉球王国のグスク及び関連遺産群(文化遺産/2000年/沖縄県)
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本土にはない沖縄の独特の文化が発展した琉球王国史跡たち。これらは「現存する、あるいはすでに消滅した文化的伝統や文明に関する独特な、あるいは稀な証拠を示していること。」などと評価され、2000年に世界遺産に登録されました。
遺産の中には「首里城跡」や「今帰仁城跡(なきじんじょうあと)」などのグスク跡や、王墓である玉陵(たまうどぅん)、聖地である「斎場御嶽(せいふぁーうたき)」などが含まれます。
紀伊山地の霊場と参詣道(文化遺産/2004年/三重県・和歌山県・奈良県)
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2004年に三重県・和歌山県・奈良県にまたがる紀伊山地の霊場や参詣道が「紀伊山地の霊場と参詣道」として世界遺産に登録されました。吉野大峰、熊野三山、高野山、参詣道などで構成され、登録面積は506.4ヘクタールにも及ぶ広範囲な遺産です。
このように道(参詣道)が登録されたのは巡礼路「サンディアゴ・デ・コンポステラへの道」以来。この縁あって先例のスペインガリシア州と和歌山県は姉妹道提携を結んでいます。
知床(自然遺産/2005年/北海道)
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北海道初となる世界遺産「知床」は道北東部の知床半島およびその周辺の海域です。海洋を含んだ日本の自然遺産はこれが初めてとなり、冬は流氷が見られることでも有名です。
知床半島は古来からの手つかずの自然が残り、さまざまな動植物が生息しています。まさに大自然の宝庫と呼ぶに相応しい場所でしょう。景観も本当に素晴らしいものばかりです!
石見銀山遺跡とその文化的景観(文化遺産/2007年/島根県)
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「石見銀山遺跡とその文化的景観」は銀鉱山跡と鉱山町や、港や街道など14つの項目で構成されている世界遺産です。鉱山は小規模でありながら最盛期には世界の銀の約3分の1を産出したとも言われており、アジアやヨーロッパと交易を行っていました。
江戸中期には産出量が減り、最終的には1943年に完全閉山となっていますが、現在は坑道の一部が一般公開されています。
平泉-仏国土(浄土)を表す建築・庭園及び考古学的遺跡群(文化遺産/2011年/岩手県)
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源義経が頼った奥州藤原氏で有名な岩手県平泉。この土地にある中尊寺や毛越寺を中心とした、計5つの寺院や遺跡群が2011年に世界遺産に登録されました。東北では初めてのことです。
平泉にあるこれらの寺社や庭園などは浄土思想に基づき造られてきたもので、日本独自の文化であることが評価されています。
小笠原諸島(自然遺産/2011年/東京都)
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日本最後の秘境とも言われる小笠原諸島。東京から南に約1.000km先の太平洋に浮かぶ島々の総称です。大小30あまりの島が点在しています。
小笠原諸島は亜熱帯の気候であり、本土から遠く離れている地形から貴重な動植物が多く生息しています。固有種の楽園とも称され、日本で4番目の世界自然遺産に登録されました。父島・母島には人が住んでおり観光もできますが、都心から船で1日以上かかる秘境です。
富士山-信仰の対象と芸術の源泉(文化遺産/2013年/山梨県・静岡県)
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日本のシンボルである富士山は長年自然遺産の登録を目指してきましたが、色々な問題があり困難なことから、富士信仰や芸術、景観などの観点から文化遺産への登録を目指しました。
確かに私たちにとって富士山は自然というより文化的な価値が高いと思っていたかもしれません。葛飾北斎の「富嶽三十六景」に書かれるような芸術や美しい景観に心惹かれたものです。
登録範囲は富士山域、富士山本宮浅間大社、三保松原など25件に及びます。
富岡製糸場と絹産業遺産群(文化遺産/2014年/群馬県)
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「富岡製糸場と絹産業遺産群」は1872年に創設された群馬県富岡市の富岡製糸場を中心とする絹産業遺産群。2014年に世界遺産に登録されました。富岡製糸場のほか、田島弥平旧宅や高山社跡など養蚕業の遺産も含まれています。
富岡製糸場は当初は官営としてスタートし、民営後も質の悪かった国内の養蚕・製糸事業を世界水準以上に引き上げ、製糸事業の発展を担った場所です。繰糸場や建物など一部は当時のまま残っており、内部を見学することができます。
明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業(文化遺産/2015年/岩手県、静岡県、山口県、福岡県、熊本県、佐賀県、長崎県、鹿児島県)
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「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業」は今までの世界遺産とは違って、いくつもの県にまたがっている文化遺産。九州地方を中心とした福岡県、熊本県、佐賀県、長崎県、鹿児島県、山口県、静岡県、岩手県の8県のエリアから構成されます。
中でも長崎県の端島炭坑(軍艦島)や同県の旧グラバー住宅、鹿児島県の旧集成館、静岡県の韮山反射炉など有名な観光名所も多く、これらの炭鉱、鉄鋼業、造船業地は幕末から明治初期までに急激な産業革命を進めた遺産として評価されました。
ル・コルビュジエの建築作品‐近代建築運動への顕著な貢献(文化遺産/2016年/日本、フランス、アルゼンチン、ベルギー、ドイツ、インド、スイス)
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2017年に日本で世界遺産に登録されたのが、この「ル・コルビュジエの建築作品‐近代建築運動への顕著な貢献」です。初の国をまたぐ世界遺産として話題になりました。
これは「近代建築の三大巨匠」のひとり、ル・コルビュジエ氏の建築物が多く残るフランスを中心に、日本を含めた7ヶ国にあるル・コルビュジエ氏の17作品をまとめて世界遺産に登録したものです。日本での作品は上野にある「国立西洋美術館」になります。