ネパールの首都にして最大規模となる都市「カトマンズ」は、標高1300メートルに位置するヒマラヤ山脈の中にあります。ネパールの総面積は北海道の2倍弱、そしてカトマンズの総面積は49.45km2となり、東京23区で言うと江戸川区とほぼ同じです。
今回はそんなカトマンズの基本情報と観光スポットをご紹介します。
カトマンズの概要
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首都カトマンズ、パタン、バクタプルの3つを合わせて「カトマンズ盆地」と呼ばれており、このエリア全体が世界遺産として登録されています。政治、経済、行政の中心として発展してきた首都カトマンズは、現在も世界中の観光客をひきつける魅力的な都市です。
ネパールは、インドと中国という二つの大国に囲まれた内陸国であり、両国の宗教、文化の影響を色濃く受けてきました。また、93の異なる言語を持つといわれる100を超える民族が暮らす多民族国家でもあります。
カトマンズ盆地一帯には、主に「ネワール族」の姿が見られます。彫刻、工芸、絵画などの芸術に長けている民族で、カトマンズで見られる美しい建物の装飾は彼ら祖先の手によるものなのでしょう。
カトマンズの歴史と特色
ネパールは、中国とインドに挟まれた地理的条件から、漢民族、チベット系民族とインドのアーリア系民族が盛んに往来し、中国、チベットとインドの交易の中継点として栄えてきた歴史があります。しかし、そのほかのエリアにとっては雪に閉ざされたヒマラヤの秘境として詳しく知る人はごく僅かでした。
カトマンズがはっきりと史実に登場するのは15世紀に入ってからとなり、「マッラ王朝」により統一され、自らの王子にカトマンズ盆地の「カトマンズ」「パタン」「バクタプル」の3つの主要都市を任せ競い合わせました。現在もこのエリアに多くの寺院、建造物が残るのはそのためです。
ネパール全体がゴルカ王によって統一されたのは18世紀に入ってからの古都です。その後イギリスの保護国となったり、王政復古により実験を取り戻した経緯を経て、2008年には、王政が廃止されネパール連邦民主共和国が誕生しました。
代表的なグルメ
「ダルバート」
ネパールで最も一般的な定番メニューで、ここカトマンズでもよく見られます。「ネパール風定食」のようなもので、ダルと呼ばれる豆のスープに、バートと呼ばれるご飯がセットメニューになっています。この組み合わせがネパール人の基本的な食事スタイルです。
「モモ」
ネパール料理といえばこのネパール風餃子の「モモ」です。主食としても、間食としてもよく登場する定番メニューです。日本の餃子と具材は変わらず、野菜、肉などになります。
大きな違いは、スパイスをこれでもかというほどたくさん使用することです。クミンやガラムマサラ、チリなどをスパイス爆弾と呼ばれるほどたくさん入れるモモは、病みつきになる美味しさです。
水餃子にしたり、蒸したりと好みの方法で食べますが、日本と異なり焼くスタイルはまず見かけません。
「トゥクパ」
ネパール風ラーメン、ネパール風煮込みうどんとも呼べる「トゥクパ」は、刺激物の一切入ってないあっさりとしたスープが胃にやさしく、旅路に疲れた体には五臓六腑に沁みわたるよう。
スパイスの刺激に疲れたら、ぜひこのトゥクパを味わってみてくださいね。
成田からのアクセス
成田からカトマンズにある「トリブバン国際空港」へは、直行便を運行している航空会社はありません。以下のフライトに代表される乗り継ぎ便のいずれかを利用することが出来ます。
・大韓航空 ソウル乗り継ぎ 所要時間約12~13時間
・日本航空 ソウル乗り継ぎ 所要時間約12~13時間
・キャセイパシフィック航空 香港乗り継ぎ 所要時間約15~16時間
ダルバール広場
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ダルバール広場とは、王宮前に広がる広場の名称を指しています。王宮を中心として、チベット仏教の寺院ほか、重要な建物が取り囲む町の中心となる場所です。カトマンズ渓谷内のカトマンズ、パタン、バクタプルすべてにダルバール広場があり、それぞれに趣があります。
外国人は、入場料(2017年現在1000ルピー)を徴収されるルールになっています。
クマリの館
カトマンズには、今なお「生き神」として崇められる、女神の化身として崇拝される少女がいます。この少女が住む「クマリの館」はダルバール広場にあり、外国人観光客でもクマリの姿を見ることが出来ます。ただしお布施が必要であることを覚えておきましょう。
ヒンドゥー教の女神ドゥルガーが宿り、かつネパール守護神である女神タレージュやアルナプルナの生まれ変わりとされるクマリは、実はネパール全体で数人が選ばれており、カトマンズの「ロイヤル・クマリ」は別格として扱われています。
ロイヤル・クマリは、国の運命に関する予言をするとも言われています。クマリが視線を投げるだけでその人には幸運が訪れると信じられており、クマリの館の窓の下や中庭にはいつも人があふれています。
シヴァ・パールヴァティー寺院
18世紀に建てられたシバ神と、その妻パールヴァティーが祀られた寺院です。2015年のネパール大地震後も崩壊を免れ、美しい彫刻が施された窓、そして窓からのぞくシヴァ神とパールヴァティ神はそのまま残されています。