ライター

福島県出身で1990年生まれ。70カ国以上を旅するほどの旅好き。コロナ禍では国内を巡り、世界遺産検定マイスターに合格しNPO法人世界遺産アカデミー認定講師に就任。IT系広告代理店で広告運用コンサルタントとして働きながら、小笠原諸島のアンバサダーとしての活動も行う。

「興味はあるが時間的にそんな余裕がないし……」

出国前はそんなことを思っていたが、そもそもまさかこの私が急遽キリマンジャロ登山に挑むとは全く思っていなかった。

色々なタイミングが重なり、キリマンジャロへの登山を心に決めたのは、登山3日前。

急遽登ることになったキリマンジャロ登山の様子について前編・後編の二本立てでご紹介していきたい。

アフリカ最高峰のキリマンジャロとは?

キリマンジャロはアフリカのタンザニアに属しており、世界自然遺産に登録されている美しい山。

標高は5865mの高さを誇り、アフリカ最高峰の山。山脈に属さない山としては、世界一の高さを誇るようです。

コーヒーの生産地としても有名なので、「キリマンジャロ」という名を一度は聞いたことあるのではないでしょうか?

その山に登ることを急遽3日前に決め、その経験が一生の思い出の一つになりました。

【世界遺産情報】
☑︎正式名称はキリマンジャロ国立公園
☑︎1987年世界自然遺産に登録
☑︎ケニアに近いタンザニア北東部に位置する
☑︎熱帯雨林~氷河地帯まで分布する変化に富んだ自然が育む多様な生態系と動植物が評価されている

キリマンジャロが私を呼んでいる

2024年4月。

当時、仕事は長期休暇をもらいアフリカ縦断の旅に出ていました。

周りの旅人からキリマンジャロ登山の話を聞いていたため、もとから興味を持っていたのはいたものの、日数的に難しく諦めていました。


しかし学生時代からの知人がキリマンジャロの麓の街のモシに住んでいることが発覚したり、前倒しで観光を進めていたため旅程に余裕ができたりと様々なことが重なり、私はキリマンジャロに呼ばれているような気がして、急遽登山を決意しました。

今が一番若いし、いずれ経験するのなら早いほうがいいと自らに言い聞かせて。

そして、キリマンジャロ登山に挑戦するという決断をしたのは登山開始日の3日前。


もちろん登山の予定はなかったので、事前トレーニング等は一切なし。装備はフルレンタル。ただの山好きが勢いでアフリカ最高峰に挑むこととなりました。

ちなみにそれまでは日本百名山の初級~中級を6座ほど登ったことがあるだけで、頻度も年に1度程度なのでほぼ初心者です。

1日目 ゲート→MANDARA HUT

登山前は数々の手続きを

登山道入口に着いてからは入山届けなどの諸々の手続きを行いました。

私以外に同行者がいると思っていましたが、雨季の閑散期だったため参加者はまさかの私のみ。

ガイド1名、シェフ1名、ポーター4名がつき、私の6名体制で贅沢なプライベートツアーとなりました。


チームメンバーの食料や寝袋などの必要なものはすべてポーターが持ってくれます。ただし1人20kgまでというルールがあるため出発前に重量チェックがあります。


初日の天候はくもり。1879m地点から登山スタートです。

動植物があふれる熱帯雨林地帯を抜ける

まずは熱帯雨林地帯を歩きます。

木々が生い茂る中を、8kmの道のりをゆっくり登っていきます。

高度に順応していく必要があるため、普段の歩行ペースよりもだいぶゆっくりでした。その間ガイドから植生についての説明も多々あり興味深く聞いたり、ガイドのプライベートのことも質問したりしていました。


8kmの道のりは予定通り3時間で着き、あっという間に2720mのMANDARA HUTへ。

今日はここで1泊となります。


かなりボロい山小屋を想像していたのですが、行ってみてびっくり、ロッジのような宿泊施設でした。

部屋には電気もあり、2段ベッドが2つある4人部屋で、共用の水洗トイレもあります。閑散期だったため私は貸し切りで使うことができました。


ツアー中の食事はシェフが毎食温かいものを用意してくれます。

スープにサイドメニューやライス、おかずなどどれも美味しかったので、良く食べていました。


シャワーはないので、桶に1杯のお湯だけもらいそれで身体を拭いてすぐに就寝。

2日目 MANDARA HUT→HOROMBO HUT

癒やされる出会いも

初日はぐっすり眠ることができ、翌朝も元気に出発。熱帯雨林地帯を多少歩いているとき、上を見上げるとかわいい動物が。


ハイラックスです。

微笑んでいるようでとても癒やされました。

低木地帯では直に当たる雨風で体力が消耗


そして、気づけばいつのまにか低木地帯へ。

風が強いため高くそびえる木々がなくなり、自分の背丈ほどのものばかりなのです。そのため覆いかぶさるものがなくなり直で雨風を受けるようになりました。

見たことがない高山植物がとても多かったのですが、雨風にあたりまくり。

景色もきれいに見ることができず、早く次のポイントに着いてほしいと思いながら登り続けました。


9kmの道のりは5時間ほどで登り、3720m地点まできました。

ほぼ富士山の山頂と同じ高さで、ここらへんから高山病の症状が出る人もいるので、常に深呼吸を意識して呼吸が浅くならないように努めていました。


……しかし。私はその夜寝付きが悪く、じつは軽度の高山病の症状が出始めていたのです。

翌日も早朝から登りはじめ、4720m地点まで行きます。

今まで、これほどまでの高所には訪れたことがなく、未知の世界の領域へと突入です。

【後編】につづく

All photos by Tamami Mizunoya

ライター

福島県出身で1990年生まれ。70カ国以上を旅するほどの旅好き。コロナ禍では国内を巡り、世界遺産検定マイスターに合格しNPO法人世界遺産アカデミー認定講師に就任。IT系広告代理店で広告運用コンサルタントとして働きながら、小笠原諸島のアンバサダーとしての活動も行う。

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