編集部

こんにちは、旅を広める会社である株式会社TABIPPOが運営をしている「旅」の総合WEBメディアです。世界一周のひとり旅を経験した旅好きなメンバーが、世界中を旅する魅力を伝えたいという想いで設立しました。旅人たちが実際に旅した体験をベースに1つずつ記事を配信して、これからの時代の多様な旅を提案します。

TABIPPO名付け親、小泉翔(@ShoKoizumi)です。「ケニアで起業した2人組」みたいになってますが左は僕です。日本でTABIPPOです。

ケニアで戦う29歳は右の河野邦彦(@KKawano5)くん(文中:クニ)。

2年前まで同じ社会人サッカーチームでプレーしてた1コ下の親友です。「どっちがデブなのか?」をいつも競っています。

クニは2017年3月から新婚ホヤホヤの奥様(文中:リエ)も連れてケニアのナイロビに移住、現地で約30人の従業員を雇って赤玉ネギを中心とした食材の卸売業を営んでいるAmoebaXの経営者。

AmoebaXのメンバーの方々。みんな本当に陽気だった!

最近Twitterでのクニの意識の高すぎるつぶやきや、夫婦の圧倒的なノロケTweetが話題になっており、もしかしたら知ってる方もいるかもしれません。

先日僕も、ついに彼が生活するケニアのナイロビに約1週間ほど遊びに行くことができまして。本当に楽しい旅行でした。

そんなクニが一体何者なのか、どんなビジネスを現地で展開しているかを聞いていきたいと思います!

 

大学卒業から3社経験してからの起業

【ショウ】貴重な一時帰国のタイミングにありがとう!まず簡単にケニアでの起業に至るまでの経緯をざっくり教えてください。本題に比べてあんまり重要じゃないのでざっくり。

【クニ】振り方、酷くない(笑)? 東京学芸大学蹴球部 → オープンハウス(不動産営業/人事) →インドMisao(語学学校) → YOYO(IT営業/人事) → ケニアで起業!!

【ショウ】コピペでの自己紹介ありがとう!YOYOはどこだっけ?東南アジアにいたよね?

【クニ】基本フィリピンだね。ベトナムとかインドネシアの採用もやってた。東南アジア生活は1年くらい。2017年に日本帰ってきて、資金貯めて、さぁ自分で東南アジアで事業起こそうって時に、ショウ君にそそのかされてアフリカで起業することに(笑)。

【ショウ】いやおれも当時はこうなるとは思いもしなかった(笑)。クニが東南アジアで事業をやろうとしてたときに「アフリカの方がよくない?」ってノリで勧めたんだよね。おれエジプトくらいしかアフリカ行ったことないのに。アフリカ関連の活動してる友達たくさん紹介してね。ごめ君(@nakagome63)とか。

【クニ】そうそう。徐々に「アフリカ、ありかもなー」って思い始めてね(笑)。結局リエも仕事辞める手続きとかサクサク進めて、一緒にナイロビに移住することになって。

【ショウ】2人の結婚式でリエのお母さんに「あなたですね、娘がアフリカに移住することになってしまった原因は。(真顔)」って言われたときは普通に血の気引いた。

 

ケニアで赤玉ネギ事業を行う理由

【ショウ】実際ケニア行ってみてさ、やっぱ可能性とか面白さは感じてるわけでしょ?

【クニ】うん。もともと東南アジアを考えてたのも、新興国でビジネスがしたかったんだよね。でも自分みたいにエリートキャリアじゃくてもインパクトを残せるのはアフリカだって思って。その中でIT分野の伸びとか、経済の発展を鑑みてケニアにした。

【ショウ】赤玉ネギは?なんで農業で、なんで玉ネギの卸になったの?相当な可能性を感じないと、あの大量の玉ネギに囲まれてたら頭おかしくなると思う(笑)。

巨大な玉ネギ倉庫。4階建のビルに赤玉ネギがびっしり。

 

【クニ】あの量は衝撃だよね。しかも別に玉ネギそんな好きじゃないし(笑)。ケニアはGDPの25%が農業分野。その中で最も課題が大きそうだったのが、その流通部分。個人事業主がトラックで野菜を買い付け、ナイロビ市内の卸売り市場でトラックから売り切りで野菜を販売しているっていう構造。

【ショウ】いわゆる後進国の人々の生活を助けたいとか、アフリカの子供達のために、みたいな途上国支援のような側面でのモチベーションもクニってあるの?

【クニ】うん、目の前の路上販売のおばちゃんの生活が目に見えて改善して貢献できているところにやりがいも感じている。彼らの生活が価値ある変化をしていくことの対価として利益が出てくると思っている。インフォーマルセクターと呼ばれる路上販売のおばちゃん達の購買力は凄いんだよね。

【ショウ】おばちゃんたちの為になっているっていうのが、目の前で見れるってのはめちゃくちゃいいよね。

 

玉ねぎビジネスは儲かるのか?

【ショウ】赤玉ネギ、儲かるの?物価的に単価も安そうだし、とにかく数で勝負しないといけないイメージ。

【クニ】儲かる!路上のおばちゃんがどのタイミングで何をどのくらい欲しいのかというデータが社内で蓄積されていて、購買予測も立てられるようになっている。

路上で野菜を販売されている現地のおばちゃん

 

【ショウ】基本的には(例)100円で農園から買ったタマネギを120円で路上の八百屋のおばちゃんたちに売って、おばちゃんたちは150円でお客さんに売る、っていうビジネスじゃん?買い付け用のどでかいトラックとか、あの玉ネギ倉庫とか、人件費とか、諸々最初にお金結構かかりそうだなーと思って。

今では10tトラックで運んでいるらしい

 

【クニ】まずトラックはリースで月100万円くらい。倉庫は1,500平米の倉庫で約70万円、スタッフは今正社員30名と契約社員10名。それに加えて日雇いの人も5名/日で雇ったりしている。人件費はざっくり150万円/月。玉ねぎの買い付け量は月間約100tで金額にすると500万円くらい。

【ショウ】100トン(笑)!じゃ毎月1,000万近くのコストが出てるんだね。最初お金はどうしたの?

【クニ】最初は出資を受けて事業を開始して、この1年で農場と売り先の整理を徹底的に行って、売り上げを伸ばしていける体制を整えたって感じかな。

【ショウ】今後の事業の展開としては?どう伸ばしていくか。

【クニ】今は赤玉ネギだけなんだけど、今後は違う野菜とか食物に展開してく。かつ野菜の価格の変動のデータを収集しに行きながら、価格が高騰しそうな時期の前に買い込み、自社倉庫で貯蔵して価格の変動を抑え利益率をあげる。自社で農家と小売店舗ももって、生産から販売までの一気通貫でのサプライチェーン構築も計画してて、中期ではレストランやホテル向けにPOSのサービスを展開して、受注管理のシステムの導入も考えてる。

【ショウ】取り扱う野菜増やす、卸だけじゃなくて自分たちで畑も八百屋もやる、売上・在庫管理もできるサービスを外部にも提供していく、って感じだね。夢ある!

 

ケニア人の採用・育成などについて

【ショウ】一番クニんとこ行ってすごいなと思ったのは、社員の方々の明るさというか、モチベーション。まじでみんな楽しそうにエネルギッシュに働いてた。

【クニ】そうなんだよね。日本の企業と同じように誕生日はみんなでサプライズで祝ったり、社員の兄弟の結婚式に呼んでもらったり、一緒に働いてるメンバーとの信頼関係はかなり築けていると実感しているし、それがめちゃくちゃ自分のモチベーションになってる。

【ショウ】ケニアの人たちって特徴というか、どういう性格の人たちが多いの?アフリカに友達いなすぎてパーソナリティが全く想像できない。

【クニ】やはりまずみんなハッピー。あとうちのメンバーに関して言うと、若くて優秀な大学出ていて学習意欲が高い。とはいえITのリテラシーはそこまで高くなかったりするので、教育コストはそれなりにかかる。実はケニア人の特性って日本と似ているところもあって、本音と建前の社会なので、注意深く意見を聞いてあげないと彼らの本音は見えてこないんだよね。

【ショウ】スタッフ的な意味で特に大変だったことは?めちゃくちゃたくさんあると思うんだけど。なんかピンポイントでこういうことあって大変だったっていう出来事とかあれば。

【クニ】社員がお金持ち逃げしたことかなー。あとはうちを辞めた社員が、僕らと全く同じビジネス始めて突然競合になったりとか(笑)。

【ショウ】あ、やっぱめちゃ大変そうだね(笑) 。社員のメンバーには具体的にどういうことやってもらってるの?

【クニ】買い付けチームがマネージャー2人とメンバー4人。買い付けチームはケニア国内の地方の農家やタンザニアの農家に実際に行って、品質のチェック、価格の交渉をやっている。セールスチームが4チーム×5人。セールスチームは路上で野菜を売っている所謂ストリートベンダーに毎日朝からトラックを使って販売しに行っている。バックオフィスに2人。あとは経営陣。

 

募集しているスタディーツアーについて

【ショウ】最近スタディーツアー始めたよね?Twitterで見た。簡単に説明するとどんな感じ?

【クニ】簡単に説明させたがるね(笑)。 「GRIT CAMP 2019」ね。アフリカで今後事業をやりたいとか、起業したいと思っている学生向けのスタディーツアーで、うちの会社の事業内容とか現地での働き方をがっつり見て、参加して、体験してもらって、アフリカでの新規事業の立案、実行までやってもらうプロジェクト。

【ショウ】クニたちがやってることって現地でのニーズ見つけて、それをどう事業にしていくかっていう戦略を考えて、実行してやり直して、っていうゼロイチの作業の繰り返しで、かつそれをこの1,2年死ぬ物狂いでやってるから、普通に安定してお金回ってる落ち着いた企業を見に行くのとワケが違うと思うんだよね。

【クニ】来てもらえる学生さんにとって、めちゃくちゃ濃密で成長する時間に絶対になるから、まじでチャレンジしてほしいなと思う。

 

とにかく嫁のリエもすごいよね

【ショウ】色々お話し聞いてきましたは。なんか結局リエの生命力というか、バイタリティがとにかくすごいよね(笑)。Twitterのフォロワーもファンもめちゃくちゃ増えてる。シンプルにケニアでの生活のリアルが日頃から見れてたのしい。

 

【クニ】RAHA KENYAっていうアフリカ布ブランドを自分で初めて頑張ってる。突然アフリカ縦断することにしたっていうのをTwitterで知ったりするくらい予測不可能な人なんだけど、とにかくリエには日々エネルギーをもらってます。

【ショウ】また行きたいなーケニア。周りの人にもめっちゃオススメしたい。

【クニ】ぜひぜひ!ぼく全く観光してないからこないだショウ君行ってたサファリとか案内してよ(笑)。

【両者】ありがとうございました!

編集部

こんにちは、旅を広める会社である株式会社TABIPPOが運営をしている「旅」の総合WEBメディアです。世界一周のひとり旅を経験した旅好きなメンバーが、世界中を旅する魅力を伝えたいという想いで設立しました。旅人たちが実際に旅した体験をベースに1つずつ記事を配信して、これからの時代の多様な旅を提案します。

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