ライター

ローカルな街並みや文化が大好きな、兵庫県出身の25歳。ベンチャー企業の法務担当として勤務する傍ら、休日は機会を見つけて地方を旅している。熱意の応援者として、ともに刺激を受け与える関係でありたい。最近は地域の魅力を伝えるツアーづくりに取り組む。秋のフルマラソンに向けても奮闘中。

大学進学を機に地元を離れて数年。いま、地元の魅力をどのくらい知っているだろうかと、ふと考えることがある。

有名な観光地、美味しい飲食店、よく通った商店街や関わったひとのあたたかさ……。確かにおすすめできる場所は数多いのだが、知識は学生時代がベースであり、まだまだ知らないこともたくさんある。

一方、筆者の周りでは最近、就職や転職などのご縁で筆者の地元・神戸に移住した友人が複数いる。彼らはすでに筆者以上に地元の魅力を知っており、最近のおもしろい取り組みを教えてもらうこともしばしば。

今回は、そんな「移住者」の友人に誘ってもらった結果、地元の新たな魅力に出会えた旅をひとつ紹介したい。

とある友人からの突然のお誘い

「漁師さんと地引網を引いて、魚を食べるイベントがあるみたい!誰か一緒に行かない?」

友人のInstagramストーリーを見て、すぐにスケジュールを確認した。

偶然にも地元・神戸へ帰省のタイミング。地引網を体験できるなんて機会なんてめったにない。なんなら、神戸に住んでいるときにも経験したことがない。今行くしかない!その日のうちに「行きたい!」と返信し、イベントに申し込んだ。

じつはその友人も、つい先日別の「移住者」の友人のつながりで知り合ったばかり。送信前は少々緊張したが、「気軽にメッセージして!」という言葉どおり、軽やかにOKの返事をもらうことができてほっとした。

「はじめまして」の仲間との出会い


須磨駅の改札を出ると、目の前に友人が待っていた。何気ない会話をした後、時をともにする仲間の到着を待つ。

今回、筆者と友人以外にも、一緒に参加する仲間が3人いる。初対面の方と回るのは多少の不安もあるが、この友人の友人ならきっと大丈夫だろうという安心感があった。

その期待どおり、到着した仲間は非常にフレンドリー。すぐに打ち解け、ともに集合場所へと向かった。

海の恵みを感じるイベントへ

今日のイベントのプログラムは漁師さんと地引網、漁師さんの解説と「タッチプール」体験、とれたての魚を味わう会の3つ。どの体験も非常に楽しみだ。

漁師さんと地引網

須磨駅前から徒歩で数分移動し、準備ができれば地引網のはじまり。事前に漁師さんがボートで網を仕掛けに行き、漁師さんの説明を聞いた後、網の両側に分かれてみんなでタイミングを合わせて引き上げる。


「そーれっ!そーれっ!」

掛け声とともに、少しずつ近づいてくる多数の魚たち。みんなで引っ張る一体感に胸が躍る。次第に重たくなっていく網を引っ張り続けること数分。無事に地上へと引きあがると辺りは歓声に包まれた。

漁師さんの解説と「タッチプール」体験


網にかかった魚を慣れた手つきで外し、漁師さんは水槽の前へ。いまから、獲れた魚の解説が始まる。

「これは○○です。特徴は△△で……」

漁師さんの解説もさることながら、知識豊富な子どもたちが先に魚の名前を答えてしまうのに驚いた。どこでそのような知識を仕入れたのだろう。


横では獲れた魚に直接触れることができる通称「タッチプール」のコーナーもあり、子どもたちに大人気。かくいう筆者らも生の魚に触れる機会は少なく、恐る恐る魚を触って楽しんだ。

とれたての魚を味わう会

漁師さんの解説とタッチプールを楽しんだ後は、お待ちかねのランチタイム。新鮮な魚をお刺身や唐揚げ、焼き魚、あら汁など、それぞれの魚に適した調理方法で味わう。


会場には農家さんによる手作りの漬物も並び、豊かな食を味わいながら、仲間とのおしゃべりの時間を楽しんだ。


こんな素敵なイベントが神戸で開催されていたとは。友人に教えてもらうまで知らなかった。

仲間がよく通う居酒屋さんへ

イベントを通してすっかり仲良くなった筆者たち。イベントが終わっても話し足りず、近くにある仲間のひとりがよく通っているという飲食店へ行くことに。神戸との出会いや最近の取り組み、何気ない話をしていながら海沿いを歩いていると、あっという間に着いてしまった。

店主さんとも顔なじみの仲間の先導でお店に入ると、そこには落ち着いた素敵な空間が。


すでにお腹いっぱいだったので、今回は飲み物だけ頼むことに。

次の予定の関係で長居できなかったことが悔やまれるが、仲間のおかげで素敵なお店に出会うことができた。

地元の魅力、もっと知りたい!

大学進学や就職を機に新たな地で暮らし始めた人にとって、「地元の友人」といって思い浮かべるのは、多くは学生時代までの友人だろう。しかし、筆者としては偶然の縁が重なり、神戸出身ではない「神戸大好き!」な友人と繋がりを持ち、ともに同じ時を過ごしたことで、自分の知らない世界と出会うことができた。

その結果、より地元・神戸が好きになり、もっと知りたいと思った。

ここで出会えた友人たちには感謝の気持ちでいっぱいであり、彼らとともにもっともっと魅力を知っていきたいと思う。

「地元には何もないから……」と考えている人も、「地元のことならなんでも知っている!」という人も、もし何かのご縁でその地を出身としない友人と出会えたなら、一緒に地元を旅することで、新たな魅力に出会えるかもしれない。

ライター

ローカルな街並みや文化が大好きな、兵庫県出身の25歳。ベンチャー企業の法務担当として勤務する傍ら、休日は機会を見つけて地方を旅している。熱意の応援者として、ともに刺激を受け与える関係でありたい。最近は地域の魅力を伝えるツアーづくりに取り組む。秋のフルマラソンに向けても奮闘中。

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