ライター
REINA TABIPPO CARAVAN

ロンドン在住の放浪薬剤師。スイス・北日本出身。 基本的に住所不定で、旅するように生きている。 世界中のおいしいもの・楽しいこと・ワクワク探しが大好き。 某芸術大の学生でもあり、アートギャラリーでぼうっとする時間が幸せ。

バゲットリストを作ったことはありますか?

バゲットリストとは
生きているうちに自分がやりたいことを書き出したリストのこと。
夢や目標を明文化することで行動につながり、やりたいことを実現していく助けになります。

昨年「バケットリスト」、人生で達成したいことを100個書き出したリストを作成しました。その中には「海外でバリスタに挑戦したい」という項目がありました。コーヒーが好きというシンプルな理由からです。当時は軽い気持ちで書いたような気がしますが、それでも「死ぬまでにやってみたいこと」であることに変わりはありませんでした。

人生は長いようで短い。
現在、海外で生活していること自体が夢のような出来事です。だからこそ、リストに込めた思いを一つずつ形にしていこうと決意しました。

未経験からの挑戦


以前の私は自信がなく、消極的な性格だった。

何事にも自信を持つことができず、新しいことへの挑戦を避けてきた。そんな私がイギリスへ移住することになったが、新しい環境に飛び込むのは不安でいっぱいだった。

ロンドンへ移住して間もない頃、近所のカフェに入った。カフェは地元の人々で賑わっていて、バリスタたちは笑顔でお客さんと楽しそうに会話をしていた。まるでその仕事を心から楽しんでいるかのような光景だった。その瞬間、ふと自分の「バゲットリスト」を思い出した。

「若くもないし、未経験だし、自信もない……」と尻込みしていたが、友人の「思い切ってやってみなよ!!」という後押しを受け、バリスタ職へ応募してみることにした。

幸運にも面接に呼ばれ、店舗のマネージャーと意気投合。気づけばロンドン市内のカフェに就職することが決まっていた。

この経験から、「どうせ無理」なんて諦めずに、まずは一歩踏み出すことの大事さを学んだ。

ロンドンでバリスタになるまで


バリスタの仕事は、ただコーヒーを淹れるだけではない。

地元のお客様とのコミュニケーションや、チームとの協力も重要な要素だ。

ロンドンはグローバルな都市であり、カフェには多国籍なお客さんやスタッフが集まる。文化や価値観の違いに戸惑うこともあったが、日々一緒に働く中で、次第にスムーズなコミュニケーションが取れるようになった。

初めの頃は失敗も多く、迷惑をかけてしまったことに心苦しさを感じていた。しかし、周囲のスタッフが温かくフォローしてくれたり、お客さんも「時間がかかってもいいからね」と優しく見守ってくれていたおかげで、次第に前向きな気持ちになれた。カフェには常連客も多く、日々の交流を通じて、顔なじみの関係が築かれていくのも嬉しかった。


大好きな映画「パディントン」の中に“In London, everyone is different, but that means anyone can fit in.” という言葉がある。

「ロンドンでは、みんなそれぞれ違うけれど、それが誰もがなじむことができる理由なんだ。」

ロンドンでの暮らしはその言葉を実感する場面が多く、少しずつ新しい生活に溶け込めている気がする。

一歩を踏み出す勇気

語学への不安や未経験職種という壁を乗り越えるなかで、少しずつではありますが、自分の成長を感じています。

自信を持って仕事に取り組めるようになり、地元の方々とのコミュニケーションも積極的に楽しめるようになりました。

「イギリスに移住する」「海外で働いてみる」この挑戦を通じて、自分の可能性を信じることの大切さに気づくことができました。

壁を乗り越えた先にあったのは、「ワクワク」でした。移住先での生活や、この土地そのものがさらに好きになりそうで、今はとても心が躍るような気持ちです。

バケットリストをすべて達成するには、まだ時間がかかりそうですが、これまでの経験から得た自信を胸に、これからも新たな挑戦に向かって進んでいきたいと思います。

もし「挑戦してみたい」と思うことがあるなら、ぜひ勇気を持って最初の一歩を踏み出してみてください。

その先には、きっと素敵な「ワクワク」が待っているはずです。

All photos by Reina

ライター
REINA TABIPPO CARAVAN

ロンドン在住の放浪薬剤師。スイス・北日本出身。 基本的に住所不定で、旅するように生きている。 世界中のおいしいもの・楽しいこと・ワクワク探しが大好き。 某芸術大の学生でもあり、アートギャラリーでぼうっとする時間が幸せ。

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