――2018年以降はどんなことに挑戦していきたいですか?
30代は、長年の夢だった「宇宙の仕事をする」代にしたいです。安易な方法は「宇宙のメディアを立ち上げること」だけど、20代と同じことを繰り返すことになるし、TABIPPOにとっても新しいことをした方がいいんじゃないかなと思うので別の方法を探そうと思います。
日本にある宇宙ベンチャーはわずか数十社くらいで、アメリカは数千あると言われているので、西海岸とかに移住しちゃうのが手っ取り早いかな(笑)。
――宇宙の仕事はTABIPPOと関わるんでしょうか?
正直、どちらでもいいかなと思います。TABIPPOの一番の目的として「旅を広げる」ことを掲げていますが、実は裏目標があって。
「若い人がやりたいことをやる」ということが裏の目標なんです。それがたまたま創業メンバーにとっては旅であり、「世界一周」といった形で発信していたんですね。
もし、世界一周する人が年間10万人までに増えたりしたら、TABIPPOは次の夢を見せなければいけないと思うんです。その代の人が、「夢」とか「ロマン」だと感じることを広めていくべきなのではないのかな、と。次の夢の見せ方において、僕の場合は「宇宙」と考えているんです。
――TABIPPOに興味を持っている人のほとんどは、旅好きの方だと思います。どんな人がTABIPPOに合っていると思いますか?
7年前の2011年、創業メンバーの僕と清水、小泉は同じ時期に世界一周をしていて、旅先で出会いました。僕らが経験したことを、もっとたくさんの人に知ってほしい、経験してほしいと思って、「帰国したら、何か一緒にやろう」と約束をしたんです。
そして帰国後、新宿のパセラで世界一周の報告会を開催。「僕らの旅を人に伝えるのって、価値があるよね」と思いが重なり、それからこの活動を7年間続けています。
会社になる前もなってからも、やりたいことが必ずしも全部できてきたわけではないけれど、立ち上げた時の「旅を広めることに価値がある」という軸がブレてないのは、最初の思いが一緒だったからだと思います。
年間で1千人もの人が世界一周している言われている中、他の人に出会う可能性もありましたが、たまたま出会った縁をこうやって続けてこれたことは僕の誇りです。
今はメディアとイベント、プロダクト事業と僕らがやりたかったことを実現してきましたが、軸がブレさえしなければ手段は選ばなくていいと考えています。今までの方法でもいいですが、新しい方向で旅を広めていける人がいてもいい。
信念に共感してもらうことの方が大事だと思うので、イベントを計画したい、メディアを運営したいといった手法より、僕らのやりたいこと、そして守ってきたことに共感してくれる人の方が、長らく一緒にできる気がします。