デジタルノマドのKOH(@KohNomad)です。
リモートワークをしながら毎月単位で国を変えて暮らしている中で、ハワイにやってきました。
Photo by KOH
ぼくは普段、人の「興味」や「才能」といった人間の内面的な分野を研究しています。人間の成長はゆっくりであり、最新家電のように派手な変化はありません。
人間の内面というものは、なかなか変化を感じられず退屈とも言えますが、その分、大きく変化するシーンは自他ともに心が震えるものです。
とくに旅する人ほど変化に恐れがなく挑戦的で、挑戦の先には大きな変化が生じやすいです。
Photo by KOH
そんなぼく自身も変化が大好きです。つねに挑戦を楽しみ、変化を追い求めています。
しかし、挑戦の繰り返しの中で、ビジネススキルや資格のような表面的な変化は実感しやすくとも、感性や習慣のような深部の変化はそう滅多に実感できるものではありませんでした。
そんな中、今回訪れたハワイでは、一見地味に見えるような経験を通して、自身の深部に大きな変化を実感することができたのです。
いま、ぼくにとってハワイは、「芸能人が正月を過ごす観光地」ではなく、「自己成長の地」としての印象が強くなりました。
Photo by KOH
資源も文化も豊かなハワイは多面体そのもの。どの角度から見つめるかによって、人それぞれのハワイがあるでしょう。
この記事では、ぼくが実際の体験を通して自己成長の側面から見たハワイを、現地の写真とともにお届けします。
旅はぼくたちの何を変えるのか
Photo by KOH
「自分探しの旅」「旅を通して変わる人生」
このような題材には、賛否両論が起こります。
しかし、旅が人に及ぼす影響には、それなりの理屈があるのです。
旅には人生を変えるすべての要素がある
Photo by KOH
有名な標語では、自分を変える方法は3つしかないと言われています。
「時間配分を変える」「住む場所を変える」「付き合う人を変える」
これは決意を新たにしても、行動を具体的に変えない限り何も変わらないという意味でもあります。
そして、旅はこれら3つのすべての要素を網羅しているのです。
ハワイには感性を変える体験がある
Photo by KOH
人生を変える要素を満たした旅の中でも、ハワイでは感性をとくに大きく変える体験をしました。
フィッシュポンドの植物に学ぶ万物の繋がり
Photo by くっぴー
ここはハワイ島のヒロに位置する「ロコワカ・フィッシュ・ポンド」。ハワイには海岸から少し入ったところに、このような天然の養魚池があります。
この池は、1年半以上前まで外来種の草で全面が覆われていました。けれど現在はボランティアワークによって外来種を除去し、在来種を植えることで元の姿を取り戻しつつあるそうです。
Photo by 相沢亮
この池で、水鳥の生息地の環境再生プロジェクトを手がける自然解説員の長谷川久美子さんは「サスティナブルツーリズム(持続可能な観光)はあくまでも現状の維持。今のハワイにはリジェネラティブ(再生型の観光)が必要」と教えてくれました。
ハワイの絶滅危惧種の水鳥「Aeʻo(アエオ)」は、池の浅瀬や泥地で餌を食べることから、生息地を失うことが個体数減少のおもな原因となっているそう。この池で外来種を除去し、在来種を植えることは、水鳥の住処の再生をゴールとしています。
岩を除け、土を掘り、根から除く。ぼくたちは除草のボランティアワークを通して、環境再生の一員となりました。
Photo by 相沢亮
一見美しく見えるハワイの自然環境は、すでにダメージを受けていること。
植物の生命力・繁殖力は凄まじいこと。
それに比べた人間の力の小ささ。
小さな力の集合と連続で、広大な池をも再生できる希望。
人間にとって「ただの草」は、水鳥たちにとって「ただの草ではない」こと。
小さなことひとつひとつは、連鎖して繋がっていること。
岩を除け、土を掘り、根から除いたフィッシュポンドの体験から多くを学びました。
ワイキキの夕焼けに学ぶ有限の美しさ
Photo by KOH
空は、どこから見ても同じ空でしょうか?
ぼくはそうは思いません。とくにハワイの夕焼けは、今までに見たことのないドラマチックな色をしていました。
これは、ハワイ島の空気の綺麗さにも関係しているでしょう。「The American Lung Association(米国肺協会)」の公表する「 年間を通じて粒子汚染が最もクリーンな米国の都市トップ 25」では、ハワイ州ホノルルが3位にランクインしています。
さらに、ハワイ島の「マウナケア」山頂は、世界で最も天体観測に適した場所のひとつで、日本を含む世界各国の天文台が設置されていることからも、空気が澄んでいることが見てとれます。
法律で大気汚染に関する制限が厳しいことに起因し、ハワイの住民がガソリン車からEVへと切り替えていることもその理由のひとつ。
地理的な理由による夕焼けの美しさに加え、官民一体で取り組む環境への「姿勢」の表れでもあると感じました。
美しい景色はいつまでも美しいとは限らない。人間は、地球環境とつねに協力関係でいなければならない義務を、ワイキキの夕焼けから学びました。
「キラウエア」火山に学ぶ地球の鼓動
Photo by KOH
世界最大の活火山「マウナロア」の南東斜面に位置する「キラウエア」火山では、人生で直接見ることはないと思っていたマグマを見ることができました。
直接と言えども望遠鏡のレンズ越しにはなりますが、確かにそこには踊るように沸き立つマグマが夜空を真っ赤に染めていたのです。
絶景を目の当たりにした瞬間や、危機一髪を体験した時、人は「自分が地球で生きていること」を感じることがありますが、「地球が生きている」と感じる機会はなかなかありません。
キラウエア火山のマグマは、まるで初めて胎動を感じた時のように、地球の「生」を実感する衝撃的な体験でした。
植物や動物、空気、大地と、地球環境を形成する多くのものに実体験を通して深く触れることで、環境保全や再生の本質的な重要性に対して、心の立場が主体的になりました。
「マラマ」、それは思いやりの心
Photo by KOH
「マラマ」とは、ハワイの言葉で「思いやりの心」を意味します。
これは、決して流行り言葉ではありません。マラマをテーマにハワイの伝統文化や自然を守ろうというプロジェクトは、ハワイの美しい島々を愛する誇り高きハワイアンたちにより、45年にわたり実践されてきました。
ハワイを旅することで、地球環境に対して心が主体的になる。それは同時に思いやりと責任を芽生えさせることでもあったのです。
ハワイから学んだこれからの旅「レスポンシブル・ツーリズム」
Photo by KOH
「地球環境が危機的です」「マイバッグ・マイボトルを持ちましょう」
そのような発信を受け入れ続けても、人の感性や習慣という深部はそう簡単には変らないでしょう。
ただし、変わりにくいことは変えられないことではありません。
年齢がいくつであれども、ぼくたちはまだまだ変わることができます。
主体性を育み、思いやりを持って責任のある観光を。
レスポンシブル・ツーリズム(責任ある観光)は、観光にとどまらず生活単位にも落とし込みたい考え方です。
今回のハワイ旅のきっかけは、 TABIPPO×ハワイ州観光局のプロジェクト 「Mālama Hawaiʻi Week 2022」「#あたらしいマラマなハワイ旅」への参加でした。
「旅はぼくたちの何を変えるのか」ハワイを旅して得た答えは、思いやりと責任です。
大人も子供も、五感で感じて主体性が育まれるハワイの側面を伝えたくて、この記事を書きました。
この記事がきっかけのバトンを渡すように、あなたの新たなきっかけとなれたら嬉しいです。