中部地方のお祭りの山車にはからくり人形の乗っているのが多いようです。やはり飛騨の匠のお膝元だと感心します。
江戸時代の尾張は派手なことで知られていました。今も祭りにかける情熱は凄いものがあります。豪華絢爛な祭りをご紹介しましょう。
飛騨高山祭
高山祭りは春と秋の2回あります。4月は日枝神社のお祭りで山王祭とも言い、10月は櫻山八幡宮のお祭りで八幡祭です。
高山祭りはなんと言っても、動く陽明門の異名をとる豪華な祭屋台が見どころで、春は12台、秋は11台曳行されます。
祭屋台にはからくり人形が鮮やかな動きをするからくり奉納や、戻し車と呼ばれる仕掛けが施されたものもあります。夜の提灯の灯された祭屋台も幻想的で良いものです。
尾張津島天王祭
7月に愛知県津島市の天王川公園丸池で行われる尾張津島天王祭は、いわゆる川祭りの形のものです。2隻の舟をつなぎ、宵祭ではたくさんの提灯で飾られ闇の中に浮かび上がります。
翌朝の朝祭では、舟の提灯ははずされ、一番上には能装束をまとった人形が乗ります。舟から締め込み姿の若者が布鉾を持って川に飛び込み、津島神社の近くまで泳いで神前に布鉾を奉納する荒々しい祭りでもあります。
犬山祭
愛知県犬山市で4月の第1土日曜に行われる犬山祭は、3層になった豪華な車山(やま)が特徴です。13台の車山の上では、笛や太鼓のお囃子に合わせてからくり人形が踊りを披露します。
ちょうど桜の季節でもあり、夜になると300個以上の提灯に飾られた車山が満開の花のもとを進むのは本当に美しいものです。
郡上おどり
岐阜県郡上市八幡町の夏は踊りで始まり踊りで終わります。7月11日のおどり発祥祭から9月5日のおどり納めまで30日以上どこかで踊りがあり、特に8月13日から16日までの4日間は徹夜踊りが行われます。
郡上踊りには「かわさき」や「春駒」など決まった10曲があり、それらを繰り返し踊ります。ただ「まつさか」という曲は最後に踊ると決まっていて、お開きの合図のようなものです。
浜松まつり
浜松市では5月3日から5日にかけて浜松まつりが行われます。初子の誕生を祝って始まった祭りは、昼間は子どもの誕生を祝う初凧が揚げられ、夜は豪華な御殿屋台が市の中心部を引き廻されます。
勇壮な「凧揚げ合戦」と優雅で幻想的な御殿屋台の曳行の対比が面白い祭りです。
桑名石取祭
桑名の石取祭は、桑名南部の町屋川の清らかな石を春日神社奉納する祭りですが、「日本一やかましい祭り」と言った方が有名です。
毎年8月第1日曜日とその前日の土曜日に行われますが、曳行する祭車の太鼓と鉦のお囃子が町々に響きます。土曜日の午前0時に試楽の叩き出しが一斉に行われ、深夜の町に轟音が響きます。
また、翌日曜日も午前2時から本楽の叩き出しが明け方まで行われ、夕方には神社に43台の祭車が参拝し互いにお囃子を競います。騒音が当たり前のお祭りで桑名っ子はこの音の中でも寝られるそうです。
世界コスプレサミット
2003年に名古屋で始まった世界コスプレサミットは、今や外務省が後援する世界最大のコスプレ・イベントになって、世界各国のメディアが取材に来ています。
海外での日本のアニメや漫画の人気を背景に、世界各国のコスプレイヤーが集まり交流を深めるイベントは、国土交通省のビジット・ジャパン・キャンペーンの一環として認められています。
まとめ
伝統の豪華絢爛な祭りを残すかたわら、コスプレ・サミットのような新しい祭りが世界的な広がりを持って開催されるのは楽しいことですね。