留学先の海を絵ハガキにして友人にあげた話
私には、作品の世界観をとてもリスペクトしている友人がいます。
彼女は海外の旅先でインスピレーションを受けて作品を制作することも多くて、そんな彼女と話をしあえるのが、私にとってとても貴重な時間です。
そんな友人に留学の近況報告をしよう、と思い、パースの海岸でみた風景を絵葉書にして送ったときの話です。
お気に入りのとあるビーチの写真!この海ではサーフィンしました
パースという場所についての私の記憶は、海が多くを占めています。
気持ちの良い青がどこまでも広がって、地元の人も観光客も集まる場所。
名前の違う海岸へ行ってもみんな同じインド洋を見つめている、というつながりの気持ち。
そんな気持ちをなるべくリアルに伝えたくても、互換性のある言葉を上手く見つけて、当てはめるのは難しいかもしれないと思ったのです。
そこで、私は絵に任せてみることにしました。狙いとしては、一つの海を描くだけで、「パースの海」の情感を背負ってくれるような、昇華が起こればいいなと。
この記事のキャッチの写真をもとに描きました
これにすこし言葉を添えて、彼女に渡しました。
この絵葉書を見て、何を思ったのかは彼女にしかわからないけれど、私から彼女に伝える時に「特に海がきれいで元気をもらった」「元気にやっていた」とか、そういう言葉を借りるよりはその場にいた私の感情をよりまっすぐに伝えられる気がしました。
私の手元にこの絵葉書はもうないけれど、パースという場所の記憶について、一つの「表紙絵」になったという点で、場所についてこんな捉えなおしの方法があるんだと感じました。
自然が好き!
バスから見たキングス・パーク、明暗が最高
自然っていいですね。描くのも楽しいなって改めて感じています。
自然は一種の匿名性を持っているような気がします。
誰かの頭にある森や海の記憶は、どこか特定の場所とリンクしているはずですよね。でも、森の空気、海の香り、みたいな概念は、人それぞれの中にあるものだったりします。
少し哲学的な話になりますが、nature(名詞:自然)とnatural(形容詞:自然の摂理、生まれ持ったもの)という2つの単語をご存知ですか?
日本語では「自然」「自然と〜」と訳されたりしますが、特に“natural”には構文として“It is natural that~”「〜なのは当然だ、〜なのは無理もない」という意味合いを持っていたりします。
nature(自然)というものからnatural(自然の摂理、生まれ持ったもの)という形容詞が生まれたと考えると、「自然とは“自然に”“当然に”みんなの心の中に概念としてあるもの」であり、森の空気、海の香りのような自然の概念もまた、みんなの心の中にそれぞれの概念があるのだろうな……そんな発見をした気がしておもしろいなと思いました。
パース素敵だよ
ちなみにオーストラリアではパースに留学していましたが、パースのある西オーストラリア州は広大な土地面積で、大自然を感じられるスポットが多くあります!
いろんな場所でいろんな自然の神秘に出会っていこう、という思いが強まった経験でした。
All photos by Nonoka Kojima