サカテカス歴史地区
16世紀に巨大な銀行脈が発見されたサカテカスは、その富によって美しい街並みが築き上げられました。かつての銀鉱山の跡はエデンと名づけられ、観光客はトロッコに乗って坑内を見学することができます。
メキシカンバロック様式を代表するサカテカス大聖堂を中心に広がる歴史地区は、1993年に世界文化遺産に登録されました。
グアダラハラのオスピシオ・カバーニャス
オスピシオ・カバーニャスは、病院や作業所が併設された施設で、孤児や老人、身体障害者、慢性疾患患者を救済することを目的に1810年に築かれました。
施設内部は豪華な絵画で装飾されており、画家ホセ・クレメンテ・オロスコの絵は100点以上にも上ります。メキシコの福祉政策のモデルとなった施設として、1997年に世界文化遺産に登録されました。
カンペチェ州、カラクムールの古代マヤ都市
1931年に熱帯のジャングルの中で発見された古代都市遺跡です。紀元前4世紀から10世紀に栄えた都市で、最盛期にはマヤ文明最大級の都市に匹敵する規模でした。
遺跡からはピラミッドや宮殿、球戯場などが発見されており、保存状態も良好です。マヤ芸術において高い評価をうける石碑も多く発見されており、2002年に世界文化遺産に登録されました。
メキシコ国立自治大学(UNAM)の中央大学都市キャンパス
ラテンアメリカで最大規模の総合大学で、60名以上の建築家、芸術家、技術者たちの手によって築かれました。敷地内には大学本部の建物の他に、博物館、オリンピックスタジアム、彫刻空間などがあり、中でも全面にアステカ人とスペイン人をモチーフにしたモザイク画が施されている中央図書館が有名です。2007年に世界文化遺産に登録されました。
エル・ピナカーテとグラン・デシエルト・デ・アルタル生物圏保護区
北米4大砂漠の一つであるソノラ砂漠内にある生物圏保護区で、ピナカテ火山の噴火活動によってできた神秘的な地形と、巨大な砂丘群を有する広大なアルタル大砂漠によって構成されています。
ソノーラプロングホーンをはじめとする固有種が生息し、砂漠特有の乾燥した気候に適応した植物が自生しています。敷地内には10箇所の巨大なクレーターがあり、地質学的にも貴重とされ、世界自然遺産に登録されました。
オアハカ歴史地区とモンテ・アルバンの古代遺跡
16世紀から18世紀にかけてスペインの植民地となっていた時に建てられた美しい建築物が並ぶ街並みが広がる歴史地区。メキシコバロックで建てられたサント・ドミンゴ聖堂をはじめとする建築物が残っています。
モンテ・アルバンはサポテカ族によって紀元前500年頃に築かれた宗教都市で、ピラミッド型の神殿や宮殿が残り、歴史地区と共に世界遺産に登録されました。
古代都市エル・タヒン
800年頃に栄えたメソアメリカ文明の古代都市で、365個の窪みが並ぶ不思議な形のピラミッドが特徴的で、この窪みは太陽暦を現しています。
エル・タヒンというのはタヒンと呼ばれる12人の雷神の神が住んでいたというトトナカ族の神話伝承に由来する名前です。そのため、トトナカ人によって建てられたという説がありましたが、現在はワステカ人によって建設された説が有力となってきています。
カンペチェ歴史的要塞都市
16世紀にユカタン半島で最初にスペイン人によって築かれた殖民都市です。スペインとメキシコの植民地を結ぶ重要な貿易港として栄えました。
18世紀に完成した要塞は、新大陸から集まる富を狙う海賊の攻撃から街を守るために建設されましたが、現在では町の城砦の一部が残るのみとなっています。1999年に世界文化遺産に登録されました。
カリフォルニア湾の島々と保護地域群
photo by Ana Rodríguez Carrington
photo by Ana Rodríguez Carrington
複雑な形をした海底地から吹き上がる大量のプランクトンをエサとするクジラたちが集まるカリフォルニア湾。ここにはクジラ類の30%の種が生息してる他、絶滅危惧種のコガシラネズミイルカをはじめとする固有種が多く生息しています。
湾内に浮かぶ244もの島々と9箇所の保護地域がまとめて世界自然遺産に登録されました。
エル・カミーノ・レアル・デ・ティエラ・アデントロ
アメリカのサン・ファン・プエブロから、メキシコの首都メキシコシティまで続く2560キロの道路です。16世紀から19世紀にかけて、メキシコで採掘された銀を中心に様々なものがこの道を通って陸上交易の要となっており、銀の道という異名も持っていました。メキシコの部分のみが2010年より世界文化遺産として登録されています。
サンフランシスコ山地の岩絵群
バハ・カリフォルニア半島にある山岳地帯で、18世紀に発見された多数の壁画群です。洞窟の壁や天井に描かれた絵は、現在までにおよそ400箇所で発見されており、長期において人が立ち入らなかったために良好な保存状態が保たれています。
狩りをしている人間や、ピューマやクジラなどの動物が描かれており、メキシコ芸術の遺産であることが評価され1993年に世界文化遺産に登録されました。
パキメの遺跡、カサス・グランデス
メキシコ南北の先住民たちが交易した商業都市として14世紀頃に最盛期を迎えたと思われる都市遺跡。まるで迷路のように入り組んだ外観は、壁のみが残った街の遺構です。
セントラル・ヒーティングの設備もあったと思われる高度な技術が住居遺跡や出土品から見て取ることができます。1998年に世界文化遺産に登録されました。
ケレタロのシエラ・ゴルダのフランシスコ修道会伝道施設群
フランシスコ会のメキシコにおける布教活動の拠点として建設された施設です。18世紀半ばにジュニペロ・シェラ神父により、先住民の協力を得て五つの教会を建てました。
その周辺に先住民たちの集落が建設され、教会を中心に固有の文化が生まれ、これをきっかけにアメリカ南部に布教活動がさらに広がりました。これらが評価され、2003年より世界文化遺産に指定されています。
オオカバマダラ生物圏保護区
メキシコ中南部のアンガンゲオ近くの生物保護区に、冬を越すためにアメリカ北部からやってくる蝶、オオカバマダラ。秋に3000メートルもの距離を移動し、冬を越して春になるとまた北へ飛んでいきます。
なぜこの長距離を旅するのかはまだ解明されていませんが、旅立つ春には1億5,000万匹もの蝶が舞う音が森に響き渡る、自然の驚異を見ることができます。
パドレ・テンブレケ水道橋の水利システム
16世紀に建設された、メキシコのメヒコ州とイダルゴ州に位置する水道橋。ヨーロッパの水利技術とアメリカ先住民の文化との融合が優れているとして、登録されました。
レビジャヒヘド諸島
photo by Presidencia de la República Mexicana
メキシコ、コリマ州のマンサニージョ市に属しているレビジャヒヘド諸島は、2016年に世界遺産に登録されました。
サンベネディクト島、ソコロ島、ロカパルティダ島、クラリオン島の4つの火山島で形成されており、動植物が多く生息していることから「メキシコのガラパゴス」という名もあるそう。
まとめ
お疲れ様でした。 メキシコに行ってみたい!と思っていただけたでしょうか。もし、スケジュールに融通できるならメキシコ最大のお祭り「死者の日」に合わせるのがおすすめです。とにかく明るく陽気なメキシコの文化をたくさん楽しむことができますよ。