札幌に来たからには外したくない、70周年を迎える成吉思汗の聖地[成吉思汗 だるま]
肉派? 魚派?
よくある2択質問だ。
成吉思汗 だるま7・4店にて、肉全種類頼むおとな買い(photo by miii)
私は圧倒的に魚派である。北海道に来ると寿司ばかり食べている。そんな私でも、札幌へ来るとかならず足を運ぶ肉料理の店がある。ジンギスカンの聖地だといっても過言ではないだろう[成吉思汗 だるま(以下、だるま)]である。
[だるま]は札幌市内で6店舗展開するジンギスカンのお店だ。
下処理をしっかり、丁寧に行なっていることによって「臭さ」がないのだそう(photo by miii)
この[だるま]、ジンギスカンが信じられないほどおいしい。まず感動ポイントとして、使っているマトンがまったく臭くない。羊肉特有の“臭さ”がないのだ。
そしてメニューとして用意されている肉は成吉思汗(ジンギスカン)、上肉、ヒレ肉の3種類のみ。3種類の肉だけで勝負している[だるま]、個人的には札幌ジンギスカン店の王者の風格を感じざるを得ない。
焼き方にもこだわりが。木炭で焼くことによって炭火焼きの味がする肉ができあがるのだ(photo by miii)
今年で70周年を迎える[だるま]だが、創業当初から存在しているメニューが「成吉思汗」だ。はじめて行く人はぜひ70年間愛され続けている「成吉思汗」を試してみてほしい。
[だるま]で個人的に大優勝なのはキムチだ。もちろん肉も食べてほしいが[だるま]へ行って肉を食べない人はいないだろう。ぜひ、肉と一緒にキムチも頼んでほしい。
じつは[だるま]の初代女将は韓国の全羅南道(チョルラナムト)から渡来した在日コリアンの方。現在も初代からの味を4代に渡って引き継いでいるジンギスカン店なのだ。
また肉だけでなく、創業当初から受け継がれ、手作りされている本場韓国仕込みのキムチは、日本製のキムチに比べると甘みが控えめで酸味が心地よく、旨みが凝縮されたマトンとの相性が抜群に良い。
〆に食べたい、裏メニュー(photo by miii)
キムチも頼んだら、常連さんなら誰しもが知っているという〆の裏メニューまで楽しんでほしい。ごはんに(ポイントはごはんを頼んだら少し残しておくこと)、好きなだけ肉とキムチをのせ、ひとこと店員さんに「番茶をください」と頼むだけだ。あとはもらった番茶をごはんにかけ、肉をつけていたタレを味付け用に自分好みに茶漬けに足していく。
肉の旨みが染み込んだタレを味付けとして加えることによって完成される裏メニューのお茶漬け。〆にぜひお試しあれ。
7・4店のみなさん。一番左の女性が今回私がお話しを伺った4代目の金さん(photo by miii)
余談だが、今回の旅では新店である7・4店へお邪魔した。ちょうどそこで4代目となる金さんとお話しすることができた。
[成吉思汗 だるま]の初代店舗(写真提供:成吉思汗 だるま)
左側に写っている女性が[成吉思汗 だるま]の初代オーナーであり4代目金さんのひいおばあさま(写真提供:成吉思汗 だるま)
そこで金さんが教えてくれたのだが、この新しくできた7・4店は、いまは焼失してしまったが、かつて初代が始めた創業の地である7条4丁目という思い入れのある場所につくった店だという。
こちらが新店舗の7・4店(photo by miii)
金さんの祖父、2代目の「母がつくった店と同じ場所にもう一度店を構えたい」という願いが叶って作られた店舗なのだ。
そんな家族愛が叶えた新店舗、7・4店。個人的には[達磨]の本店でジンギスカンを食べるのももちろん良いが、それ以上にストーリーがあるこちらの店がおすすめだ。
予約方法は電話かQRから(写真提供:成吉思汗 だるま)
またこの7・4店では2024年3月1日から、[だるま]初の予約可能店舗となる予定だ。7・4店以外の店舗は予約不可。今までは大人気行列必至だった[だるま]、今後は予約をしてスムーズにジンギスカンを楽しみたい。
・名称:成吉思汗だるま 7・4店
・住所:〒064-0807 北海道札幌市中央区南7条西4丁目1−1 豊川会館B 1F・2F
・地図:
・営業時間:17:00~23:00 (L.O.22:30)
・定休日:無休(年末年始は休み)
・電話番号:011-596-9298
・支払い方法:カード可(VISA、Master、JCB、AMEX、Diners)/電子マネー不可×
・公式サイトURL:https://sapporo-jingisukan.info/
持ち込みOK。ワーケーションもOK!?自由に楽しめる札幌新名所[AOAO SAPPORO]
ロゴの三角と丸のなかにある小さな白い点は「生き物たちの生命の輝き」と「来館された方々の生き物を観察する眼」を表現しているという(photo by miii)
私は仕事柄、旅先でPCを開いて作業をすることも多い。最近では「ワーケーション」というワードも生まれ一般的な概念になりつつある。
連泊するときはホテルの部屋で仕事をすれば良い話なのだが、そうではないとき、意外と困るのが「仕事をする場所」だ。
札幌ワーケーション難民におすすめをしたいのが[AOAO SAPPORO]という水族館だ。
……?水族館……?
と思ったそこのあなたは正しい反応だろう。
[AOAO SAPPORO]は2023年、札幌に新しくできた水族館なのだが、ここはかなりユニークだ。
ベンチもたくさんあるのでゆったりと鑑賞することもできる(photo by miii)
まず先ほどお話ししたようにワーケーションができる。Wi-Fiもあるし、作業ができそうなスペースもたくさんある。
また、それ以上におもしろいのが「持ち込み自由」というところ。
「お酒だって、ハンバーガーだって、吉野家を持ち込んでもらっても良い。今日ワイン持ってAOAO SAPPORO行こうぜという文化が生まれてほしい」
公園のような場所として在りたいとお話ししてくれたのは館長の山内さんだ。
1ヶ月1万個以上販売するという「シロクマベーカリー&」のクロワッサン(photo by miii)
もちろんAOAO SAPPORO館内にもカフェがあり、1ヶ月1万個以上売れているという人気のクロワッサンがあったりする。
そこで買ったクロワッサンを片手に、食べながら館内をまわっても良いし、外から食べたいものを買ってきて持ち込み、食べ歩きながらの鑑賞も良いという。
もちろん、ワーケーションができる、持ち込みができる、それだけがここの水族館の魅力ではない。
私がペンギンたちに会いに行ったときはちょうど食事中だった。一羽一羽の名前を呼び、見分けてごはんを渡す飼育員さん、さすがプロでした(photo by miii)
北海道の市町村の名前がつけられた22羽のペンギンたちにも会ってほしい。
札幌JKのアイコンに人気だというクラゲコーナーで私もパシャリ(photo by miii)
ほかにも、札幌JKの5人にひとりはSNSのアイコンにしているという噂があるほど人気なクラゲコーナー、ここで幻想的な写真を撮るのもおすすめだ。
AOAO SAPPOROはまるでラボラトリーのような雰囲気も(photo by miii)
何よりも珍しいのは「水族館」と言う施設の裏側を覗きながら館内を巡ることができる[AOAO SAPPORO]の造りそのものだろうか。
お気に入りの食べ物を片手に、食べ歩きをしながら[AOAO SAPPORO]を巡ろう。順路はない、惹かれる方へ行ってみよう。
・名称:AOAO SAPPORO
・住所:〒060-0062 北海道札幌市中央区南2条西3丁目20 moyuk SAPPORO 4階-6階
・地図:
・アクセス:<電車でお越しの方>札幌市営地下鉄南北線、東西線、東豊線「大通」駅 徒歩約3分
<市電でお越しの方>札幌市電「狸小路」停留場 徒歩1分
<車でお越しの方>専用駐車場はございません。近隣のコインパーキングをご利用いただくか、公共交通機関でお越しください。
・営業時間:10:00 – 22:00(最終入館 21:00)
※季節によって変更する場合があります。
・定休日:なし
・お問い合わせ:https://aoao-sapporo.blue/contact/
・料金:https://aoao-sapporo.blue/ticket/
・公式サイトURL:https://aoao-sapporo.blue/
番外編① 2024年1月16日オープンのSAPPORO STREAM HOTEL
(photo by miii)
札幌のなかでもアクセスがよい中心街・すすきの。
この場所に東急グループ系列の新たなホテルが誕生した。[SAPPORO STREAM HOTEL]だ。
私が今回滞在したのは17階の客室だった(photo by miii)
テーブルの上にはかわいらしい木彫りのくまさんが(photo by miii)
私が宿泊した客室のカテゴリーは「プレミアム」。16-17階にあるプレミアムカテゴリーの客室はお部屋の広さはもちろん、その他にもホテル滞在を楽しめる仕掛けがたくさん用意されている。
18階にあるプレミアムラウンジでは軽食・ドリンクも用意されている(photo by miii)
18階にはプレミアムカテゴリー宿泊者のみが使用可能なプレミアムスパ・サウナが。
また、札幌の景観を楽しめるプレミアムラウンジも使うことができる。このラウンジではプレミアムカテゴリーの宿泊者限定で、プレート&ハーフブッフェスタイルの朝食を摂ることも可能。気分に合わせて7階での朝食が選択できるようになっているのも嬉しいポイント。
7階でいただける朝食はビュッフェスタイル(photo by miii)
北海道のホテルでたのしみにしたい一つは朝食だろう。
北海道産の食材を余すことなく贅沢に使った朝食を提供するホテルは多いが、ここ[SAPPORO STREAM HOTEL]も例に漏れず、しっかり体験したいコンテンツのひとつとして設計されている。
思わず2個とってしまったイクラ乗せサーモン押し寿司(photo by miii)
ウニオムライスや室蘭焼き鳥など、北の大地ならではの食材を使ったビュッフェはぜひ堪能してほしい。
・名称:SAPPORO STREAM HOTEL
・住所:〒064-0804 北海道札幌市中央区南4条西4丁目1番1 SAPPORO STREAM HOTEL COCONO SUSUKINO 7階
・地図:
・アクセス:<電車でお越しの方>JR「札幌駅」から地下鉄南北線乗車(4分)→「すすきの駅」直結
<地下鉄でお越しの方>地下鉄南北線「すすきの駅」直結
<車でお越しの方>北広島ICから約30分
・電話番号:011-206-1099
・公式サイトURL:https://www.tokyuhotels.co.jp/sapporostream/index.html
番外編② 老舗も楽しみたい。そんなときに行きたい[札幌 新倉屋 本店]
本記事では比較的新しい側面としてのサッポロを紹介してきたが、個人的には老舗なお店も楽しんでほしい。
その一つがすすきの近く、狸小路にある1960年創業の[札幌 新倉屋 本店]だ。
札幌銘菓として知られる「花園だんご」や「北海最中」。これらももちろん食べてみてほしいところだが、今回私が訪れたのは冬。やはりあたたかいものが食べたい。ということで、今回は[札幌 新倉屋]の2階にある喫茶スペースへ。
(photo by miii)
そこで頼んだのは「ぜんざい」。ほどよく優しい甘さのつぶあんに、柔らかいお餅。やはり冬はこれが恋しくなる。
甘党派の人は「クリームぜんざい」もおすすめ。ぜんざいが隠れるほどたっぷりとのった濃厚なミルクソフト。あたたかい室内にいると冷たいものが食べたくなるのは、こたつで雪見だいふくが食べたくなるあのきもちと一緒なのかもしれない。
・名称:札幌新倉屋 本店
・住所:〒060-0062 北海道札幌市中央区南2条西6丁目3−2 岡田ビル
・地図:
・営業時間:<売店>9:00〜18:00
<喫茶>10:00〜17:30(L.O 17:00)
・定休日:なし
・電話番号:011-281-5191
・公式サイトURL:https://www.instagram.com/sapporoniikuraya/
さいごに
執筆途中でこれは……まずい……。北海道への愛が溢れて超大作になってしまうとも思ったが、やはり大好きな北海道、中途半端な魅力の伝え方はしたくなく、超大作に仕上がってしまった。
「都道府県魅力度ランキング 2023」でも堂々の1位に輝いた北海道。今回紹介したほかにもたくさんの見所がある場所だ。
本記事も北海道への旅を計画している人のヒントとして少しでも役に立てると嬉しいです。