ライター
堂原 有美 幸せプロデューサー

2019年に長年勤めた広告代理店を退社し、世界一周27ヵ国の幸福国を巡る旅へ。「幸福度」と「教育」の相関関係をリサーチ。幸福国で学んだ幸せの秘訣や、教育、文化、政治などの知識を活かし、日本の人たちがもっと幸せに生きられるよう貢献をしたい。

ルール2、家族や人間関係を大切にすること


フィジーやベトナム、メキシコなどの国では、家族や人間関係を何よりも大切にしていました。フィジーは、貸し借り文化や人間同士の依存度がとても高い国。例えば、ホストファミリーの家で洗濯した服を、なんとその家族が着ていた、という話があったり。


私も滞在中、驚きの体験に出くわしました。バスに乗った時、ICカードの料金が足りなくて困っていたところ、後ろのフィジー人が「使いなよ」と支払ってくれたのです。世界を周り、お金を盗られる経験は何度かありましたが、その逆ははじめてで感激しました。


そんなフィジーの人たちに「どうして幸せか?」を聞くと、まずは「家族や周りの人たちと楽しく生活しているから」と言います。また、「モノやお金は信用できない。いざというときは、人なら信用できる」と。

確かに、考えてみると自分もどうしようもなく困ったときは必ず人に相談しています。その存在がなかったら、と思うと、恐ろしくなりますね。お金では解決できないことがあることに気づくのです。

「鎧を脱いだら、ラクになれる」


また、メキシコは、毎週末は家族や親族で集まる日です。パーティをしたり、おでかけをしたり。いつもベタベタくっついていて、とても仲良しです。私は、この日本にはない関係を大変うらやましく感じたのですが、なぜそう思うかを考えたところ、「いつもリラックスしていること。緊張しなくてもいいこと」だと気がつきました。鎧を脱げば、ラクに生きられるのです。


また、メキシコ人から「困ったことがあっても、どこかの誰かが手を差し伸べる。だから自殺や非行はないんだ。」と言われ、なるほどと思いました。また、ベトナム人に「幸せなときは?」と聞くと、ほとんどの人の主語に「家族」という言葉が入っていたことにも驚きました。

帰国後に起こった、私自身の変化


これらの結果が教えてくれることは、幸福を感じるのに必要な要素は、「家族や人間関係の強さ」ということです。幸福度の高い国に住む彼らを見て、話を聞いて腹に落ちました。

旅前の私は、人間関係の摩擦を恐れるタイプで、家族間すら踏み込めないこともありました。しかし、旅の後は「人との関係を恐れることはない、むしろプラスになるものだ」と思い、積極的に家族と関わり、本音で話すようにしました。すると、徐々に関係性が変わっていったのです。今では「頼れる、心から安心できる」存在で、ときに悩みなども話せる強い味方です。以前よりも、心に大きなゆとりを生んでいます。

海外から学ぶ幸せへのヒント

これら2つのルールこそが、日本人が気づいていない、苦手なことだとも感じます。これからは、「心の豊かさ」がますます重要な時代になると考えています。時間のある今、一度立ち止まり、「自分の幸せ」や「家族や人間関係の在り方」をゆっくりと考えてみることは、とても有意義なのではないかと思います。

All photos by Yumi Dohara

ライター
堂原 有美 幸せプロデューサー

2019年に長年勤めた広告代理店を退社し、世界一周27ヵ国の幸福国を巡る旅へ。「幸福度」と「教育」の相関関係をリサーチ。幸福国で学んだ幸せの秘訣や、教育、文化、政治などの知識を活かし、日本の人たちがもっと幸せに生きられるよう貢献をしたい。

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