「あなたの旅のルールは?」
そう聞かれて私はすごく悩みました。
私は国内も海外も旅をするし、持って行くものは季節やその土地によってバラバラ。観光やアクティビティなどの目的によって行動も変わってくるので「決めているルールなんてあるっけ?」と思っていました。
数日悩んだ末に思い浮かんだ答えは、「公共交通機関を使って移動をする。または歩けるなら歩く」ということでした。
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私の旅ルール:公共交通と徒歩で移動する理由
私の旅は、観光地を訪れることが多く、事前にしっかりと旅程を決めてから旅をしているのがほとんどです。普段どのように旅程を決めているかは以下記事に記載しているので、ぜひご一読ください!
◆関連記事:https://tabippo.net/plan-until-travel/「目的地選びから旅程完成まで。観光旅行好きである私の頭の中を公開!」
その旅程を決める際に重要視しているのは、公共交通機関を使って移動することや、歩ける距離であれば徒歩で移動するようにしていること。
空港に着いてから街中に出るまでは、タクシーは使わずにバスや電車を使うようにしているし、街中の観光も歩ける距離なのであれば徒歩で移動するようにしています。
エジプトのアスワン⇔アブシンベルの移動は長距離バスで。砂漠のど真ん中で休憩
その理由は主にこの4つです。
・CO2排出が少なくエコに繋がっている
・現地民や観光客と関わることができる
・徒歩での移動は記憶が残りやすい
「アルプスの湖畔に佇む世界一美しい村」とも言われるオーストリアのハルシュタットまでは鉄道で移動をした
節約も旅の楽しみのひとつ
コストメリットに関してはそのままですが、公共交通機関を使うと圧倒的に値段が安いです。例えば羽田空港から都心までタクシーを使うと約1万円しますが、電車だと500円ほどで移動が出来てしまいます。
ネパールのカトマンズで使った市内のローカルバスは日本円で20円ほど
タクシーの方が大きい荷物を抱えることもなく、移動が楽というメリットはありますが、私にとってはそれ以上にコストメリットの方を重要視するので、時間がかかっても公共交通機関を使って移動するようにしています。ただし、時間がかかりすぎることもあるので事前に所要時間を調べた上で旅程に組み込むようにしています。
スリランカのシーギリヤ・ロックへはホテルからバイクタクシーを使った
旅をしながらできるエコアクション
昨今世界各地で起こっている異常気象の背景には、CO2をはじめとする温室効果ガスの排出による地球温暖化が影響していると考えられています。
産業革命以降、エネルギー消費や生産活動の拡大によって生活は便利になった一方で、その代償として環境への負荷が大きくなり、現在の気候変動につながっていると指摘されています。
世界遺産のベリーズ・バリア・リーフ自然保護区は人間による自然破壊などで一時期危機遺産に登録されていた
こうした課題への対応として、2015年には国連サミットで「持続可能な開発目標(SDGs)」が採択されました。2030年までに達成を目指す17の目標が定められ、「持続可能性」という考え方が世界的に重視されるようになっています。
白川郷では地域の伝統的な暮らしや景観保全と、持続可能な社会づくりなどでSDGsが深くつながっている
そのような流れのなかで、私ができることのひとつとして考えたのがCO2排出の削減です。
具体的には、自家用車やタクシーの利用をできるだけ控え、公共交通機関や徒歩での移動を意識しています。そしてその取り組みは、日常生活だけでなく旅のスタイルにも活かすようにしているのです。
アフリカのバスは定員以上の人を押し込んで満車になったら出発するスタイル
移動中に生まれる一期一会
公共交通機関は現地民にとっても重要な足になっていることも多く、そこで新しい出会いがあることも。たまたま隣に座ったことで仲良くなって、お菓子を分けてもらったり、おすすめのスポットを教えてもらったりとふいなきっかけでコミュニケーションに繋がったりもします。
アフリカでは急にバスが故障するなんて日常茶飯事。変わりのバスが来るまでまわりの乗客と絡んでいた
そのような一期一会の出会いが、移動中でも起こり、記憶のひとつにもなっていくので、たとえ長時間だったとしても私は楽しみながら移動ができています。
ウガンダの首都カンパラにあるオールドタクシーパークにはハイエースがきれいに整列している姿がまさに圧巻
歩く時間も旅の大切な一部
徒歩での移動は自分の意思で、自分の足で移動するため、その光景や雰囲気・匂いが残りやすいと思っています。何気ない風景がとても心地よかったり、たまたま見た景色がすごくフォトジェニックだったりするし、それらが記憶に残りやすく、旅の思い出のひとつとして刻まれていきます。
ネパールカトマンズのダルバール広場はどこをとっても絵になる場所だった
また徒歩での運動は有酸素運動にもあるので、旅先で美味しいものを食べすぎた時はカロリー消化のためにも必須になってきますよね?(笑)そのため、時間があれば必ず徒歩を選択して街歩きを行うようにしています。
金沢のひがし茶屋街は伝統的な茶屋建築が残る花街で、石畳の道と紅殻格子の町家が連なる風情豊かなエリア
私の旅ルールが教えてくれたこと
日本国内も含め世界中を旅している私ですが、下記理由により公共交通機関か徒歩を使って移動をすることを旅のマイルールとしています。
・CO2排出が少なくエコに繋がっている
・現地民や観光客と関わることができる
・徒歩での移動は記憶が残りやすい
ただしそれらは事前の情報収集を怠らないようにしています。
ある程度の所要時間を認識して余裕を持ったスケジュールにしているし、メリット・デメリットを認識してバスなのか電車なのか等の手段を選択しています。
クロアチアのドゥブロヴニクはアドリア海の「真珠」と呼ばれておりとても素敵な街だった
また、旅には安全が一番ではあるので、危険が伴うエリアの場合はタクシーやライドシェアアプリを使う等の選択も随時行っていますし、時間がない場合であれば最速の移動手段を選択しています。
それらも事前に調べたうえでの判断になるので、入念な情報収集を行った上でご自身の旅を楽しんで頂くのを第一にしていただければと思います。
All photos by Tamami Mizunoya