ライター
鈴木 直哉 旅するデザイナー

旅するデザイナーの鈴木直哉です。リモートで仕事をしながら世界を回っています。現在グアテマラに在住しています。

こんにちはNaoです。

ニューヨークといえばMOMAやメトロポリタン美術館、ホイットニー美術館など世界トップクラスの美術館やギャラリーが多々あり、旅行の目的の一つになっているかと思います。

そんな世界のアートシーンの中心地であるニューヨークですが、一度ストリートに出れば多くの優れたグラフィティアートを目にすることができます。

本記事では、ニューヨーク観光の変わった切り口の一つとして、グラフィティアート散策の旅をご紹介したいと思います。

 

ニューヨークにおけるグラフィティアートの意義とは?

グラフィティという言葉はイタリア語の「graffio」から来ており、それは“引っかくこと”、“引っかかれたもの”などの意味を持っています。

そんな古代ギリシャ時代から時を経て、1970年代、ワシントンハイツと呼ばれる地区やブロンクスをメインにグラフィティアートの文化が盛り上がりを見せはじめました。

そして、瞬く間にニューヨークの電車はグラフィティで溢れかえっていくのですが、それを見かねた市や行政側は、グラフィティを排除するために規制を強化。

その後、度重なる当局による取り締まりにより多くのアーティストはグラフィティから手を引くことになりましたが、一方で建物のオーナーの許可を取って合法的に描くアーティストも現れ始めました。

現在では、行政側が町おこしの一環としてグラフィティアーティストにお金を払い、特定のブロックにグライフィティを施し、観光客を誘致しようとしています。

そんなグラフィティによる町おこしが盛んなニューヨークにおいて、是非とも鑑賞すべきオススメのグラフィティをご紹介します。

 

1.ハーレム(Harlem)のグラフィティ

まずご紹介するのがマンハッタンの北、125ストリートに位置するハーレム(Harlem)のグラフィティです。

こちらは御存知の通り黒人の方々が多く住み、ジャズやソウル、ヒップポップなど豊かな黒人文化を体験できるエリアであり、グラフィティについても例外ではありません。

写真のグラフィティは、見たとおりHarlemの文字をグラフィカルにアレンジしたもので、ポップカルチャーの要素とブラックカルチャーの要素が上手くミックスされています。

 

2.チェルシー(Chelsea)のグラフィティ

次にご紹介するのが、空中公園のハイラインやギャラリーが点在するスタイリッシュなエリアのチェルシー。

土地柄、このエリアにあるグラフィティもどことなくスタイリッシュな印象を与えます。

 

3.ロウアーイーストサイド(Lower East Side)のグラフィティ

マンハッタンのダウンタウンに位置するロウアーイーストサイドでは、旅行者の多いミッドタウンエリアに比べて、よりリアルなニューヨーカーのスタイルを垣間見ることができます。

住民はお洒落な人が多く、ストリードカルチャーに敏感な人も多いのでグラフィティもストリート色が強いものが多いです。

また、このエリアにはバウリームーラル(Bowery Mural)と呼ばれるグラフィティ専用の公共の壁があり、定期的に有名アーティストがグラフィティの最新作を描きます。

 

4.ノリータ(Nolita)のグラフィティ

イタリア移民街であるリトルイタリーの文字どおり、北に位置するノリータ(North of Little Italy=リトル・イタリーの北)は隠れた流行発信地であり、そこには個性的なデザイナーのブティックやお洒落なカフェ・レストランが集積しています。

こうした町の雰囲気を反映して、このエリアにあるグラフィティはエッジの効いたものを多く見ることができます。

 

5.ウィリアムズバーグ(Williamsburg)のグラフィティ

今や大人気のお洒落エリアとなったウィリアムズバーグは、近年のその急速な発展により家賃が急上昇し、昔から住んでいた住人が住み続けることができなくなるなど多くの問題を抱えているエリアですが、それでも多くの人を惹きつけます。

アーティストやクリエイターが多く生活をしており、1ブロックだけ歩けばお洒落なカフェ・レストラン・ブティックを簡単に見つけることができますが、その空間をさらに魅力的にしているのがグラフィティです。

行政側もこの辺をよく理解してグラフィティアーティストを積極的に支援しているので、ウィリアムズバーグを散策していると割と頻繁に新しいグラフィティを描いている現場に遭遇することができます。

 

6.ブシュウィック(Bushwick)のグラフィティ

All photo by suzukinao

ジェントリフィケーションによりウィリアムズバーグを追い出されたアーティスト・クリエイター達が次に向かったのが、そこから東にあるブシュウィックです。

10年そこら前はただの荒廃した倉庫街でしたが、行政のグラフィティを利用した積極的な町おこしにより、今ではブルックリンで一、二を争うお洒落スポットです。

筆者もこのブシュウィックに2年半近く住んでいましたが、町中がキャンパスとなっており、そこかしこに洗練された玉石混交様々なグラフィティアートを見ることができます。

 

まとめ

以上、いかがだったでしょうか?過去にはヒップホップを構成するカルチャーの一端として、数々のアーティストたちが権力への反抗を示すために電車や公共のスペースに描いていたグラフィティアート。

現在では、権力側にいた行政の町おこしの手段として活用されているのはなんとも皮肉な話ですが、旅行者である我々には街を彩る存在として魅力的に感じます。

ここで紹介した場所以外にもニューヨークにはそこら中にグラフィティアートが存在するので、お気に入りの作品を見つけるために街を散策してみてくださいね。

 

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鈴木 直哉 旅するデザイナー

旅するデザイナーの鈴木直哉です。リモートで仕事をしながら世界を回っています。現在グアテマラに在住しています。

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