――――エンジニア留学のデメリットを教えてください。
一定の期間を確保しなければならない点は、デメリットといえるかもしれません。大学生なら休学して、社会人なら仕事を辞めて、人生のストップボタンを押していらっしゃっています。なにか捨てなければならないのは、旅と似ているかもしれませんね。
費用面で躊躇する方も いらっしゃいますが、のちのち回収できる「投資」ととらえられるか否かだと思います。
――――NexSeedに来る人はどんな人が多いですか?
海外志向の方が多いですね。年齢は20代後半。社会人2~3年目で旅に出る方が多いのと似ています。
男女比でいうと、男性がやや多いです。職業は、営業職、保育士、教師が多くいらっしゃいますね。「この仕事を続けていけるか不安」「手に職をつけたい」という声をよく聞きます。
――――プログラミング未経験でも授業についていけますか?
努力は必要ですが、もちろん未経験の方でも可能です。未経験の方から経験者の方まで幅広くいらっしゃいますから、心配ありませんよ。
ただ、留学前に予習をしていくことをおすすめします。習得のスピードが段違いに早くなりますし、予習の段階でわからなかったことを質問でき、勉強が楽しくなるはずです。NexSeedのご留学に来ていただく方には、事前学習として必ず予習をしてきていただくようなカリキュラムを組んでいます。
――――旅人がプログラミングスキルを身につけるメリットを教えてください。
旅人を続けられる職種だということに尽きますね。プログラミング知識があり、英語ができれば、アメリカでもヨーロッパでもどこででも、旅前、旅中、旅後、いつでも仕事ができます。
フリーランスとして場所を問わずにできる仕事は、単価が低いものが多いんですよね。でもエンジニアの仕事は需要が高いので、ある程度の単価で仕事を受けることができます。
たまにアメリカのクラウドソーシングサービスを見ていると、1件100万円の案件がごろごろあるんですよ。しかも出社不要。どこにいても、納品さえすればOKなわけです。日本とは感覚が違いますよね。
――――エンジニア留学すれば、どの程度のレベルのエンジニアになれますか?
企業に就職して、もしくはフリーランスとして案件を受けて、エンジニアとしてのキャリアへの一歩を踏み出せるレベルですね。
今まで営業マンだった人がエンジニア職に応募しても、まず採用されることはないでしょう。でもエンジニア留学で技術を身につければ、十分エンジニアとして通用します。
――――帰国後は、どんな道を歩む方が多いですか?就職でしょうか?
3パターンあります。一番多いのが、エンジニアとして就職するパターン。大手からベンチャーまで、卒業生の半分以上が就職を選びます。
次に多いのはフリーランスです。まずは月間15万円~20万円を稼ぐことをめざしてコツコツやっていくパターンですね。フリーランスエンジニアとして、物価の安いアジアに住む方も増えていますよ。
起業を選択する方もいます。エンジニア留学が人生のターニングポイントになっているようで、うれしい限りですね。
――――エンジニア留学をしてから旅に出たほうがいいですか、逆のほうがいいですか?
エンジニア留学のあとに旅の順番がいいと思います。その理由は2つ。まず、留学を経て英語を習得してから旅するほうが絶対に楽しいから。旅の楽しみのひとつに人との出会いがありますが、誰かと会話するには英語が必要ですよね。
もうひとつは、プログラミングはやればやるほど上達するものだから。旅の間も、趣味程度にプログラミングに取り組んでおけば、スキルはぐっと上がるでしょう。旅しながらプロダクトを作ってもおもしろいかもしれませんね。
――――今後のキャリアについて悩んでいる旅人にメッセージをお願いします。
まず伝えたいのは、旅に行きたいならぜひ行ってほしいということ。やりたいことをやったほうが絶対にいい。
僕自身、旅によって人生が大きく変わったひとりです。人生において、ストレスフリーでただ遊ぶだけの時間ってなかなかありません。やるべきことが何もない、両手に何もない状態になれば、自分が本当にほしいものを取りに行くことができます。人生にはそんなタイミングが何度かあっていいと思います。
今、何か物足りなかったり、何かにチャレンジしたいという方もいるかもしれません。そんな方は、旅という非日常の中で多くの出会いや刺激に恵まれることできっと何かが見つけられるはずです。
text:西嶋結
photo:長沼茂希