一期一会を超えてナコーンパノムへ
タイでは、ラオスで偶然出会い、3日連続で酒を酌み交わしたタイ人と一期一会を超えて友達になりたいと思い、彼のホームタウンであるナコーンパノムを訪ねました。
ナコーンパノムはタイ北東部のイーサン地方で、食文化や言葉が独特です。彼のホームタウンはそこから車を1時間ほど走らせた場所にあります。
ご家族もとても優しくもてなしてくださり、いっしょにハイキングに連れて行っていただきました。友達のお母さんといっしょに泳いだことは、大人になってから日本でも経験がなかったので新鮮でした(笑)。
上の写真はハイキングでいい汗をかいた後に食べたご当地麺です。
麺の種類が5種類あり、ベトナムのフォー、中国の平打ち麺、日本の中華そばに使われる黄色の麺、ラオスで見たちぢれ麺まで勢ぞろいでした。
まるで、映画でアイアンマンなどのヒーローが集結する「アベンジャーズ?!」って言いたくなる充実ぶりでした(笑)。
スープはタイ式で、豚骨から出汁を取り、味のアクセントに豚の血を大量に使っているそうです。
5種類の麺とタイ式スープでとてもおいしかったんですが、1つだけ問題がありました。辛いんです。
ラオスまで辛い料理に出会うことが少なかったのですが、タイに入ると倍増してびっくりしました。
僕が顔面汗だらけになりながら、おいしそうに麺を食べる姿を友達と家族が笑っている。この空間がたまらなく好きでした。
ひとりでは絶対に味わえない幸せ時間でした。
彼の地元の村からナコーンパノム市内に戻ってきて、もう一杯ご当地麺をいただきました。
この日は彼と彼の友達2人といっしょに行きました。これまた不思議と彼の友達とも気が合うんですよね。彼らとは2日連続で酒を酌み交わし、あっという間に仲良くなりました。
こちらの麺料理はパクチーの香りを漂わせつつ、豚骨ベースに少量の醤油が入っていて、豚骨ラーメンみたいな感じかなとスープを飲んでみるとあっさりしてるんです。
そこにタイの辛い調味料を追加するとベストマッチなんです。書いていて不思議な感じなんですが、実際に食べていただけると納得いただけると思います。
麺を5種類から選べるスタイルで、1杯目は黄色麺、2杯目はフォー麺にしました。
「2杯目?!」
おいしすぎて2杯目おかわりしました。みんなが1杯目を食べきる前に、2杯を完食したくらいに僕は好きでした(笑)。
僕の食べっぷりに、「昨日、いっしょに晩飯食ったよな?」ってみんな笑いながら食べてましたね。
「こいつは本物のヌードルラバーだぜ」ってみんなが言ってくれたのも、すごく嬉しかったです。
そして、僕があまりにもおいしそうに食べるので、店主が色々とサービスしてくれ、彼の友達がごちそうまでしてくれました。
前日の夜から酒を浴びるほど飲んで、話したこと・笑いあったこと・踊ったことからご当地麺を食べるまでがセットになって、最高の思い出になりました。締めのラーメンを翌日に持ち越したって感覚ですね(笑)。
僕はひとりで酒を飲まないから余計に特別な思い出になっています。
友と麺と旅があれば僕の人生は完結できるといっても過言ではないです。
友・麺・旅
僕にとって旅に欠かせないのは友と麺です。ひとり旅をしていて、いちばん難しいのは友だと感じます。
僕は、一期一会で出会った人や、言語が通じずになんとなく楽しい時間を過ごした人を友だとは思いません。
僕の中の友とは、相手のために何かしたいと思える存在です。今回でいえば、友達のホームタウンまで会いに行くという行動そのものが、それにあたります。
「旅人は与えられることが多い」と言われますが、同時に与えているとも思います。
それはお金のような目に見えるものだけではなく、かけがえのない思い出を共有することなのではないでしょうか。
とはいえ、旅先では現地の人に与えてもらうことの方が多いと感じるので、僕は記事や動画にして、旅で得た経験を日本や世界に発信し、社会に還元したいと考えています。
いつか、あなたとも友として麺をすすれる日を楽しみにしています!
All photos by Takanori Muneishi