人生のほとんどの時間を、大阪で過ごしてきた。
地元愛を語れるほど熱くもないし、かといって離れたいと思ったこともない。
観光雑誌に載るような場所にはほとんど行かず、道頓堀でグリコの看板と写真を撮ることもなかった。
観光スポットにはあまり縁がなかったけど、京橋駅前の立ち食いうどん屋とか、商店街の中に埋もれた喫茶店とか、そんな場所に救われながら大人になった。
ガチャガチャしてて、ちょっと不器用で、でもやたらと人間くさい。そういうところを、完全には愛しきれないままーー
派手じゃなくても、まっすぐじゃなくても、気づけばここにいた。
そんな大阪で、今日は少しだけ違う景色を探してみる。
お気に入りの服を着て、少しだけ足取りを変えて。
見出し
街と海のちょうど真ん中、「HULL」という居場所
「大阪北港マリーナ HULL」は、都会の喧騒から少し離れたベイエリアにある、港に開かれた滞在型複合施設。
大阪駅から車で約20分、西九条駅からならバスで約30分とアクセスも良く、”ガチャガチャした大阪”の中心地から少し離れて滞在できるのも特徴です。
海のそばにあるのに、どこか街っぽい。
街のはずれにあるのに、ちょっとだけ洗練されている。
大阪北港マリーナにある「HULL(ハル)」は、そんな場所になっています。
「海と人の接点」をテーマに、カフェやレストラン、施設内には宿泊施設やプール、公園施設などもあり、目の前にズラリと並んだヨットが印象的です。
雑多で、熱と優しさが混ざり合った空気感の大阪からは少し違う。
大人ならではの、シュッとした大阪の楽しみ方を、大阪北港マリーナからお届けします。
屋根のかたちを活かした、HULLならではのデザインルーム
施設内に隣接する「HOTEL HULL」の客室タイプは、オーシャンビュー、ガーデンテラス付きルーム、ペントハウスの主に3種類から構成されています。
HOTEL HULLの館内に足を踏み入れると、木の温もりを基調とした空間のあちこちに、海を感じさせる小物がセンス良くディスプレイされています。
船の舵や帆船の模型、美しいヨットの写真などが飾られ、まるでギャラリーのよう。細部にまでこだわりが感じられ、マリーナに隣接するホテルならではの雰囲気を盛り上げてくれます。
今回宿泊したのは、屋根の形をそのまま生かしたデザインが特徴のペントハウスタイプの部屋。
大きな天窓から明るい光が差し込む部屋は、屋根の形状を活かしたユニークな造りが印象的で、ソファで寛いだり、備え付けのデスクでちょっとした作業をしたりするにも十分な広さがあります。
ちなみに、部屋ごとに屋根の形状が少しずつ異なるのだとか。
そのほかにも「HOTEL HULL」には、大阪北港マリーナの海を間近に感じる「オーシャンビュー」のお部屋や、緑豊かな専用テラスでゆったりと過ごせる「ガーデンテラス付きルーム」など、それぞれに趣の異なるゲストルームが用意されています。
どのタイプも魅力的で、滞在スタイルに合わせて選ぶ楽しみがありそうです。
・名称:HOTEL HULL
・住所:大阪市此花区常吉2-13-18
・地図:
・電話番号:06-4400-5138
・公式サイトURL:https://hull.jp/hotel/
どこを切り取っても、かわいい。港に佇むカラフルなカフェ
食事の際は、大阪北港マリーナ施設内のカフェ「CAFE & DINING HEMINGWAY」へ。港の景色に負けないくらいカラフルで印象的な空間が目を惹きます。
店内はピンクやブルー、イエローなど、色使いはポップなのにどこか落ち着きがあって、自分だけのお気に入りの席でゆったり過ごすのも良さそう。
壁掛けのランプや、窓から見えるマリーナの景色など、空間全体にセンスが感じられ、ついカメラを向けてしまいたくなります。
しらすとアンチョビのピザやカルボナーラなどのメインとなる料理はもちろん、チキンスープカレーや、牡蠣グラタン、パルマなど、魅力的なメニューがたくさん。
ベーグルフレンチトーストやアップルピザといった、スイーツ好きにはたまらないメニューも豊富です。
ベーグルとカフェラテをテーブルに並べ、微かに聞こえてきた“ラスボスのような壮大な音楽”をBGMに、プールサイドでひと息つく。ちょっと不思議な静けさと非日常が、そこにはありました。
ちなみに、HOTEL HULLの宿泊者は、オプションにて朝食を追加することで、美味しいベーグルフレンチトーストとドリンクを食べることもできます。
・名称:CAFE & DINING HEMINGWAY
・住所:大阪市此花区常吉2-13-18
・地図:
・電話番号:06-4400-5294
・公式サイトURL:https://hull.jp/cafe/
未来をあそぶ、未来をつくる。敷地内の“学びと発見”の公園
食後の散歩がてら、HULLの敷地内をぶらりと歩いてみると、ひときわ自由な空気が流れているエリアがありました。
“未来をつくることを楽しむ”エディテイメント型公園「PARK HULL」です。
公園という名前ながら、ただの芝生や遊具が並んでいるわけではなく、モノづくりや自然体験、子どもから大人までが学びながら関われる「ちょっと変わった屋外空間」という印象。
公園内は、大人と子どもの隔てなく、みんなで過ごせるビッグテーブルや、海のそばでリラックスしながら、 体と心を休めるベンチやハンモックなど、サスティナビリティを家族でやわらかく感じられる設計になっています。
港の風が吹く広場に、こどもたちの笑い声が重なって、穏やかで、それでいてエネルギーに満ちた時間がゆっくりと流れていました。
定番の観光スポットもいいけれど、自分の足で歩いて見つけた路地裏も楽しい。旅の中で出会った人と交わした何気ない会話や、幸せそうにくつろぐ友人の横顔が旅の思い出になる。
大人になった今だからこそ出会える、ちょっと“シュッとした”大阪。
ふっと肩の力を抜いてどこかへ行きたいとき、街から離れてゆったりと過ごしたいとき、これからは「大阪」が選択肢のひとつになりそうです。
いつもの大阪に、ちょっとだけ風が通った気がしました。
All photos by Ruyo Ikeda