街中で見かける「地球一周◯◯万円」のポスター。興味あるけど、実際どんなことになってるの?とモヤモヤしている旅好きの方は多いのではないでしょうか?そんな方に、2010年に1周し、今年再び1周しようとしている私から伝えたいこと。それは、「一生に一度は乗ったほうがいい!」。
旅のかたちが旅の数だけある中で、ピースボートの旅はひとつのスタイル。他では味わえない、ユニークな味があります。
1.いろいろな国に、ひとつなぎで行ける
2010年の70回クルーズで、わたしが巡った国は全部で18ヵ国です。
ベトナム→シンガポール→インド→オマーン→エジプト→トルコ→ギリシャ→イタリア→スペイン→フランス→モロッコ→カナリア諸島→パナマ→キューバ→ジャマイカ→ニカラグア→グアテマラ→メキシコ。地球を、北極から見て時計回りにぐるりと一周しました。
グリニッジ子午線までは西へ、そこからは東へ。ひとつ進むごとに、ひとびとの顔立ちや風景の色合いが少しずつ変わっていく面白さ。
距離的に近い国でも、歴史や発展のしかたで全然違う表情見せる世界の多様性を実感できます。一箇所に長く留まって味わう旅も素敵ですが、スゴロクみたいに進むことで見渡せるものがあります。
2.ひとりだったら絶対行かない国に行ける
私の場合は、オマーンでした。オマーン。マニアックすぎて、まず行かないですよね。何のイメージもない国に実際に行ってみると、そこで生きている人がいる。日本と同じように、海があって、道があって、街がある。
ふだん意識の外の彼方にある「当たり前」が、目の前に手で触れられる現実として現れ出るのは、とても面白いことです。ちなみに、オマーンの道で見かけた鼻を縦に貫通するピアスをしていた壮年の女性の姿は衝撃でした。
3.三食昼寝付きで世界一周できる
旅の問題は、ほぼ荷物に集約されているといっても過言ではありません。荷物が「重い」「盗まれる」「紛失する(時に航空会社によって)」という三重苦から解放された世界一周の旅がピースボートです。
寄港地でも、荷物は部屋に置きっぱなし。ちょっと近所に遊びに行く気軽さでサグラダ・ファミリアに出かけたりしていました。
さらには、黙っていても毎食ごはん付き。疲れたらいつでも自分の部屋のベッドで寝られる。青空の下、デッキチェアで昼寝もできる。問題は、あまりの楽さに、降りたくなくなることぐらいです。
4.洋上期間は最長2週間だったけど、飽きるどころか忙しい
毎日配られる船内新聞には、その日のプログラムがところ狭しと書かれています。内容の幅は大きく、池上彰さんの講演があるかと思えば、デッキでの野外ライブ、一般乗船者の方が「手相の見方教えます!」と人を募っています。
オプションで英会話も習えるし、写真や映像・音響やミュージカルなどの「チーム」ができていて、そこに入ると部活ノリの仲間ができて楽しい。
仲間たちと毎晩飲んだり、夜空が晴れた日には毛布をデッキに持ち出して満点の星空を眺めたり、ついでに朝寝坊したり恋に落ちたりしているうちに、あっというまに次の寄港地に着いてしまいます。
5.旅とソーシャルな学びが融合していておトク
ピースボートに乗って降りると、ちょっと賢くなってます。例えば、中南米の国々に行く前の大西洋横断中にメキシコに計11年住んだことがある中南米専門のジャーナリストの方が、これから訪れるパナマやニカラグアやキューバやジャマイカの物語を話してくれました。
普通に中南米を旅したところで、まず出会えない百科事典級の頭脳との出会い。かのイケメン革命家チェ・ゲバラやレゲエの神様ボブ・マーリーが、どこで生まれて亡くなったのか。パナマ運河をめぐる世界的な動乱の歴史。
全て事実だからいっそう面白く、その後の旅を味わい深いものにしてくれます。
6.「人生楽しむモード」の人だけで作られた日常を体験できる
これから始まる時間や、今生きている時間にワクワクしてる人間だけが、1000人集まるとどうなるか?ピースボートの船上に生まれる空間に、その答えがあります。人間の多様性が、そこらじゅうで花開いている。咲いた花が醸し出す香りが自由な空気をつくり、みんなが鎧を脱いで、のびのびと自然体で過ごしています。
同じ船に乗り合わせた偶然と運命を共にしている一体感は人と人との距離を近づけてくれます。ランチで居合わせた84歳のおじいちゃんから「誰ひとり、同じ人生を歩んできた人はいない。それぞれ千差万別ですよ」なんて心にしみる言葉を聞けた日には、何度でもこの空気を吸いに戻ってこよう、と思うんです。