ヨーロッパ最西端に位置するポルトガルは、大航海時代にたくさんの冒険者が旅立った場所です。首都リスボンは長い間国際色豊かな都市として繁栄し、第二の都市ポルトは世界遺産に選ばれています。
今回は、ポルトガルにある世界遺産15ヶ所をご紹介します。実はポルトガルは近隣諸国に比べて、物価が安いというメリットもあります。ぜひ、気になった世界遺産を巡って、じっくりとご旅行ください。
ポルト歴史地区
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1000年の歴史を持つポルトガル第二の都市ポルトには、ロマネスク様式の聖歌隊席のある大聖堂やマヌエル様式のサンタ・クララ聖堂など、歴史的な観光スポットがたくさんあります。
ポルトのワイン「ポートワイン」は世界的にも有名であり、ポルトを代表するトリッパと共によく食されます。1996年に世界遺産に登録されました。
マデイラ諸島のラウリシルヴァ
ヨーロッパの人々に「大西洋の真珠」と呼ばれるマデイラ島には、世界最大の照葉樹林が広がっています。400万年前には広範囲に広がっていた照葉樹林も、今では限られたごくわずかの地域にしかなく、大変貴重な自然景観の一つです。
この照葉樹林の特徴は保水力。島に住む人々にとって、水を生み保つこの森は生活に外せない環境となっています。
アルコバッサの修道院
果樹園とワインが有名なアルコバッサにはシトー会によって建てられたサンタ・マリア・デ・アルコバッサ修道院があります。
町のシンボルでもあるこの修道院は、初代ポルトガル王アフォンソ1世により建造された初期ゴシックの巨大な建物です。正面ファサードのみが18世紀に改築されたバロック様式になっています。1989年に世界文化遺産に登録されました。
バターリャの修道院
ポルトガルの王位を巡って起こったアルジュバロータの戦いに勝ったことを記念してジョアン1世によって建てられた修道院をきっかけにバターリャの都市は誕生しました。
そのため、この名前は「戦い」を意味しています。マヌエル様式とゴシック様式、両方の要素を持つこの修道院は1983年に世界文化遺産に登録されました。
リスボンのジェロニモス修道院とベレンの塔
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ポルトガルから始まった大航海時代。バスコ・ダ・ガマによるインド航路開拓とエンリケ航海王子の偉業を称えて造られたジェロニモス修道院は、マヌエル様式の最高傑作と言われています。
テージョ川の船の出入りを監視するために築かれた要塞ベレンの塔と共に、時代を象徴する建物です。1983年に世界文化遺産に登録されました。
アゾレス諸島のアングラ・ド・エロイズモの町の中心地区
ポルトガル西の大西洋に浮かぶ火山島群アゾレス諸島。アングラ・ド・エロイズモはテルセイラ島の都市で、大航海時代に繁栄しました。
聖ヨハネ要塞をはじめ、聖フランシスコ修道院や聖サルバドル大聖堂は同時期に建設されました。1980年の地震で一度は破壊されたものの、現在はほぼ復旧しています。1983年に世界文化遺産に登録されました。
エヴォラ歴史地区
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博物館都市との異名も持つ古都エヴォラには、ローマ帝国やイスラム勢力に支配されていた頃に建築された建物が並び、それぞれの時代からの遺産が今に残されています。
天正遣欧少年使節が立ち寄ったといわれるエボラの大聖堂にはイベリアパイプオルガンが設置されており、イベリア半島で最も古いオルガンの一つとして有名です。