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阿部サキソフォン TABIPPO編集部 / ライター

高橋歩さんの「BELIEVE YOUR トリハダ」という言葉に影響を受け、自身も人の心を動かせる仕事をしたいと決心。サックスとジャズへの愛が止められず、メンフィスとニューオーリンズを訪れたことから旅に目覚める。好きなものはお酒といちご。

ポルトガルの「世界遺産」をめぐる

ポルトガルには、前述したリスボンのジェロニモス修道院やベレンの塔、ポルトの歴史地区を含む、17件の世界遺産が登録されています(2019年現在)。1209年に設立されたコインブラ大学も世界遺産のうちのひとつ。

今でももちろん大学として機能しているので、構内では学生をたくさん見かけます。自分の通う大学が世界遺産って、どういう感覚なんだろう……。大学内に観光客がいるなんて、不思議な光景ですよね。

▲図書館内は撮影禁止だが、許可を得て撮影。

特に有名なのが、「知識のない国はやがて滅びる」といった考えのもと、ジョアン5世が建設させたジョアニア図書館。なんとここには、紙を食べる恐れがある虫を食べてくれるコウモリが住んでいるのだとか。

 

アレンテージョ地方のエヴォラ歴史地区は、1986年に登録されました。広場には2〜3世紀にローマ人によって建設されたディアナ神殿を見ることができます。

ほかにも美しいエヴォラ大聖堂など見所が多いエリアですが、実はこのエヴォラは日本の歴史とも関係していました。

日本からポルトガルに派遣された天正遣欧少年使節が1584年にエヴォラの地を訪れ、大聖堂のパイプオルガンを演奏した記録が残っているのです。かつて当時13〜14歳の少年4人がこんな遠いところまで2年以上かけて渡ってきたと考えると、なんだか胸にくるものがありました。

 

そして一番最近に登録されたのが、2019年登録の「マフラ国立宮殿」。リスボンから車で約40分ほどで行ける場所にあり、こちらを訪れるのはポルトガル人が多いそうです。まだあまり外国人に注目されていないスポットですが、とにかく宮殿の中が広く見ごたえバッチリ。

パステルカラーのピンクと青がかわいい廊下や白で統一された図書館など、写真を撮りたくなるエリアも盛りだくさんです。

 

歴史を語る「アズレージョ」

アズレージョとは絵タイルのこと。アラブ文化の影響を受けていたスペインから伝わり、15世紀頃からポルトガルでも焼かれるようになりました。ポルトガルの街を歩くと、あちこちで幾何学模様のアズレージョを見ることができます。

教会やお城はもちろん、お店や住宅にもかわいいアズレージョがたくさん。

世界で一番美しい駅といわれるポルトの「サン・ベント駅」にも、壁一面にアズレージョが飾られています。約2万枚のタイルを使って、ポルトガルの歴史が描かれているそう。観光客も多く訪れるスポットなので、人が少ない朝早い時間に行くのがおすすめです。

またポルトの散策の途中には、ひときわ目立つ建物を発見。18世紀に建てられた「アルマス聖堂」には美しい青のアズレージョが飾られており、ここでも聖書の一部などの物語が描かれています。

タイルに歴史を描き、後世に語り継ぐなんておしゃれ。それがまた街になじんでいるのが素敵ですよね。

 

要塞都市トマールにある世界遺産「キリスト教修道院」でも、美しいアズレージョが見られます。こちらは12世紀にテンプル騎士団によって建設され、彼らの本拠地として繁栄していました。

▲案内してくれた、笑顔が素敵なガイドさん。右下はエンリケ航海王子の住居跡。

テンプル騎士団は戦うだけでなく、のちに政治家や銀行のようにお金をうまく使い権力を持ったことから敵対視され、13世紀に解散することに。その後もキリスト騎士団と名前を変え、活動を続けていました。あのエンリケ航海王子が住んでいた跡地も見ることができます。

 

そんなアズレージョは、現代ではお土産としても人気を集めています。購入することはもちろん、アトリエで絵付け体験も可能です。飾りとしてだけではなく、湿気を吸う役割もあったとのこと。

ちなみにポルトでは、日本の花「椿」(ジャポネーラ)のモチーフをよく見かけます。16世紀に日本に渡ってポルトガル人が、自国に持ち帰ったとされています。

 

郷愁を意味する「サウダージ」

日本語に翻訳しようと思ったときに、それにうまく当てはまる言葉がない。日本語で現せないポルトガル特有の表現、それが「サウダージ」です。昔のことを懐かしんで、胸が痛む。過去に想いを馳せてなんとも言えない気持ちになったり、遠く離れた故郷のあたたかさを思い出したり……そんな心情を意味します。

偉そうに説明しておきながら、まあわたしもポルトガルに行くまでは「ポルノグラフィティの曲」くらいにしか思っていなかったんですけど……。「郷愁」と表現されることもありますが、その微妙なニュアンスを一言でいうのは難しいですよね。

▲「谷間の真珠」の名前を持つ街、オビドスにて。

わたしは今回のポルトガル旅の途中で、そして帰国してからこの「サウダージ」を感じた気がします。旅の途中では何度も日本を感じる場面があり、何百年も昔にポルトガルと日本がつながっていたことに感動しました。教科書でしか知らなかった出来事が、とてもリアルに感じられたのです。

 

個人的に一番サウダージを感じたのは、セントル地方の港町ナザレを訪れたとき。サーファーの聖地として知られるスポットですが、わたしが目を奪われたのは海沿いで干物を売っている光景です。

日本でなじみの深い干物がポルトガルにもあるなんて驚いたと同時に、売り場に近づいたときに感じた匂いに衝撃を受けました。

ふと思い出したのは、海沿いに建てられていた亡き祖父の浜小屋。潮の香りが染み込み、魚臭さも感じるその匂いが故郷と全く同じだったため、懐かしい光景が一瞬で蘇ったのです。

日本から遠く離れたポルトガルで幼い頃の記憶を思い出すなんて、思いもしませんでした。懐かしくもあり、少しセンチメンタルに思ったその瞬間は、まさに「サウダージ」だったのだと思います。

 

日本からポルトガルへのアクセスが便利に!

歴史あり、おいしいグルメあり、日本とのつながりもあるポルトガル。少し興味がわいてきませんか?日本から直行便が出ていないためヨーロッパ主要都市での乗り継ぎが必須でしたが、この秋からポルトガルへのアクセスが便利になりました!

10月28日にアシアナ航空から仁川ーリスボンまでの便が就航し、アジアでの乗り継ぎが可能に。慣れないヨーロッパで乗り継ぎするよりも、格段に日本人にとって易しくなりました。

通常の座席より足元が7〜10cm広い「エコノミースマーティウム座席」なら、足を伸ばすことができて長時間フライトでも楽ちん。有料で機内Wi-Fiが使えるのもうれしいですね。

All photo by Abe saxophone

今回は有名な観光エリアだけでなく地方都市もたくさんまわる旅だったので、現地ではグローバルWi-Fiを利用していました!移動時間に調べ物をしたり、撮った写真をすぐにSNSにアップできたりするのでとっても便利ですよ。

日本からのアクセスがぐんと便利になったポルトガル。ほかのヨーロッパの国とは全く違う文化・風景を楽しめます。かつて世界を制していたポルトガルの今の姿を、見に行ってみませんか?

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阿部サキソフォン TABIPPO編集部 / ライター

高橋歩さんの「BELIEVE YOUR トリハダ」という言葉に影響を受け、自身も人の心を動かせる仕事をしたいと決心。サックスとジャズへの愛が止められず、メンフィスとニューオーリンズを訪れたことから旅に目覚める。好きなものはお酒といちご。

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