編集部

広告代理店の企画、出版社の書籍編集を経て2016年に企画・編集・ライターとして独立。ワタリドリ製作所の屋号で、書籍の執筆・編集、複数の企業のメディア運用に関わる。 東京都観光まちづくりアドバイザーとして、国や県庁のインバウンド事業の仕事をしていたときにTABIPPOに出会い、2023年春からジョイン。 大学生の頃から、世界各地を一人旅しては、陸路で国境越えをすることに情熱を捧げていた。現在は自然豊かな多摩エリアで、エネルギーの塊みたいな男児2人の育児に奮闘中。街歩きとおいしい物と温泉が好き。 著書:『世界の絶景1000』(英和出版社)共著、『石の辞典』(雷鳥社)

〝船旅〟と聞いてロマンを感じる人は、きっと私だけではないはず。人生でやってみたいことの一つが〝船旅〟でした。念願叶って乗船したのは、イギリスの豪華客船「クイーン・エリザベス」。

本来であれば9泊10日の長期クルーズになるのですが、今回は特別に全工程の半分に当たる5泊6日で、東京~別府~釜山(韓国)~佐世保を巡る旅に参加してきました。その様子を全3回でお届けします。

船旅といっても楽しみ方は人それぞれ。そこで、Part1とPart2では、インドア派・アクティブ派それぞれのタイプ別に船上での過ごし方を、Part3では寄港地となった別府や釜山でどんな体験をしたかをお伝えします。

船旅気分を味わいながら、ぜひ読み進めてみてください。

豪華客船の中はグルメ天国! おいしい物を心ゆくまで堪能せよ


▲ちょっとずつつまめるタイプの料理が充実。日替わりなので飽きない photo by CUNARD

豪華客船と聞くと煌びやかな世界すぎて、インドア派の人はちょっと躊躇してしまうのではないだろうか。そんな心配を払拭するために、Part1ではインドア派代表の私が、船内での優雅な過ごし方をご紹介します。部屋に引きこもっていたらもったいない。なぜなら、外にはおいしい物がたくさんあるから!!!


▲ブリタニアのバルコニー付き客室。広々とした寝心地のいいベッドで熟睡

私が宿泊していたのは、海側バルコニーの部屋。ロイヤルブルーを基調とした内装で、海が荒れていない限りは、ベッドの上でも僅かな振動を感じる程度。

初日の夜は海がやや荒れていて船が上下に揺れていたため、酔いやすい私は2日目の朝に軽い船酔いがあったのですが、船内で販売されていた酔い止めを飲んだら、眠気や頭の重さなどの副作用もなくピタリと症状が治まりました。3日目以降は薬なしでも普段通り過ごせたので、環境への慣れの問題なのかもしれません。

揺れは天候に左右されるので、酔いやすい人は普段から飲みなれた薬を持参した方が安心です。


▲ルームサービスでオーダーした朝食を、海を眺めながらいただく幸せ

しかし、酔っている場合ではないのです。この旅のために私は2週間かけて2キロのダイエットをしてきたのだから!(食べる気満々)

船内には10ヶ所以上のバーやレストランがあって、ドリンク・アルコール類と一部の有料ダイニングを除きすべて無料。早朝から深夜まで営業しているところもあるので、ずっと食べ続けようと思えばできてしまうのが、豪華客船のすごいところ。そう、食いしん坊にとってはまさにパラダイスなのです。

そして、調子に乗ってオーダーシートに全部チェックを入れた結果、とんでもない量の朝食が運ばれてきました。だ、大丈夫……、海を見ながらゆっくり味わうから。

摂取したカロリーはなかったことに……。食べたら運動だ!


▲船内のジムは、朝7時からオープン。海を見ながら脂肪燃焼に勤しみます

食べてしまったら消費するしかないわけで、インドア派ですがジムへGO! 海を見ながらひたすらランニングマシーンで走ること30分。無の境地に達しました。次の食事に備えて、お腹を空かせておくことが我がミッション。食べるためならば苦手な運動だって頑張れます。


▲毎朝、当日のデイリープログラムが部屋に届く。朝から夜まで船内でのイベントがびっしり


▲朝からストレッチするのも健康的でよさそう

早朝7時30分頃から夕暮れ時の5時頃まで、ストレッチ、マッサージ、ピラティスなどフィットネス教室が主催の様々なプログラムが行われています(一部、有料のプログラムもあり)。

体を動かすのが好きな人には、フィットネス系のアクティビティがおすすめです。初心者向きのプログラムなので、普段あまり運動しないような人でも十分に楽しむことができます。

ちなみに私は、前日に食べすぎたなという日は、ズンバやラインダンスをしてゼロリセットを試みていました。他にも卓球大会、フェンシング、社交ダンス教室、合唱など、あらゆるアクティビティが開催されていたので、習い事感覚でやってみると新たな趣味がみつかるかもしれません。

運動後は海を眺めながら優雅に読書タイム


▲船内には美しい図書館があります photo by CUNARD

個人的にありがたいと思ったのが、船内に図書館があったこと。旅先で偶然出合った本の中にしっくりくる言葉を見つけたとき、なんだか嬉しくなります。


▲小説を中心に、ビジネス書などもありました

英字の本がほとんどですが、一角に日本語の本のコーナーも。


▲窓際の席で海を眺めながら読書

有料でWi-Fiが使えるので、ここで仕事をしている人もいました。

イルカとクジラの探し方を学べる講演会に参加


▲映画、コンサート、講演会などが開催されるシアター。3階席まであってとても広い

せっかくなので船内のプログラムにも参加してみようと向かった先は、船前方にあるロイヤル・コート・シアター。鯨類学者である小林希実博士の講演会で、クルーズ中に遭遇する可能性のあるイルカやクジラの探し方や見分け方について教えていただきました。

イルカとクジラって大きさで呼び方が変わるって知っていましたか? 体長4メートル以下のものがイルカ、それより大きければクジラと呼ぶのだそう。

背びれや尾びれの模様で種類を見分けることができるのですが、写真や動画で学んだ後にクイズ形式で一気におさらい。講演を聞いてから、海でイルカをみつけたという人も実際にいるといいます。私も時間があれば海を眺めて、イルカやクジラがいないか探していました。


▲クジラの髭は硬いという発見

講演後、クジラの髭に触らせてもらいました。髭だというから柔らかいのかと思いきや、ごわごわしたタワシのような触感。手に持っているのが連なって生えている髭の一枚で、口の周りの大量の髭でプランクトンや小魚を絡めとっているとのこと。

イギリス式アフタヌーン・ティーはいかが?


▲スコーンにはクロテッドクリームをたっぷりつけていただきます

時は既に15時頃。朝食を食べすぎてランチはさすがに抜いたのだけど、小腹はすいた。そこで向かったのが、2階のクイーンズ・ルームで楽しめるアフタヌーンティー。

提供されるメニューは、サンドイッチ・ペストリー・スコーンの3種類。3つのシルバートレイでサーブされる形式で、その中から自由に選べます。メニューは全部日替わりなので、全部制覇したい人は毎日通うといいかも。


▲ケーキから大福まで豪華なラインナップ


▲スイーツを食べたら塩気も欲しくなり、一口サイズのサンドイッチにも手が伸びる……

たまたま隣の席になったダンサーのご家族と一緒に和やかに談笑しながら、豪華なアフタヌーン・ティーを楽しんだのでした。

広すぎる船内をひたすら散策

その後は、ディナータイムまでひたすら船内を散歩。滞在期間中、1日平均1万歩を超えていました。それもそのはず、船の全長は294m、フロアは12階まであります。


▲ポップな絵が多いセンス抜群のアート・ギャラリー

方向音痴の私は現在地を把握するのが精一杯で、どこをどう歩いているのかわからぬまま、船の端から端までを行ったり来たりしながらも、迷子という名の船内散策を日々楽しんでいました(笑)。


▲グランド・ロビーに飾られているのは寄木細工で作られた彫刻。オーケストラによる生演奏が聴けます


▲ゆったりとした空間でお酒を楽しんでみては

船内には洋服やドレス、ジュエリーなどを取り扱うショップや、船内限定のグッズが買える場所、葉巻が吸えるシガールーム、ビールやワインなどが飲めるバーなどもあります。お酒好きな人は、朝からほろ酔い気分でバーを渡り歩くのも楽しそうです。私は飲むと一瞬で寝落ちしてしまうという特技があるので、旅先ではディナーのときだけ解禁。

開放的な屋上デッキでのんびり


▲屋上のデッキで風に吹かれながらぼーっとする時間もよかったです

屋上デッキにはクリケット場やプールなどがあって、自由に泳ぐことができます。生演奏を聴きながらお酒を飲みつつ、ゆるりとした時間を楽しんでいる人が多い印象でした。私はデッキチェアでうたたねしたり、波間にイルカやクジラがいないか探してみたりして、船上の穏やかな時間を満喫しました。


▲ハリーポッターに出てくる魔法使いのチェスを彷彿とさせる巨大なチェス盤


▲屋上デッキには焼き立てのハンバーガーを提供してくれるお店もあります。こちらも無料

昼間は爽やかな雰囲気の屋上デッキですが、夜になると一転。一気にディスコのような雰囲気になります。


▲夜はライトアップされて、ムーディーな雰囲気に

お酒を片手に生演奏に合わせて気持ちよさそうに踊っているご夫婦もいました。


▲屋上プールもライトアップ

この後もお腹がはちきれるほどのコース料理をいただいたのですが、これは次回Part2の記事でご紹介したいと思います。

一人でも気兼ねなく入れるバイキング形式のレストランがあって、インドア派でもゆるりと楽しめてしまうのが船旅のよいところ。

ご家族やご夫婦、友人同士で参加されている人がほとんどでしたが、「おひとり様夕方の集い」なるイベントも開催されていたので、一人で参加してみるのも新たな出会いがあっていいかもしれません。

私のようにひとり時間をたっぷり満喫するもよし、刺激を求めて講演会やアクティビティのプログラムに参加するもよし。

クイーンズ・ルームや船上デッキ、ロイヤル・コート・シアターなど、船内のあらゆる場所でプロによる演奏会が途切れることなく開催されていたので、お酒を飲みながらゆったり演奏に身を委ねてみるのも贅沢な過ごし方です。

クイーン・エリザベスで、おいしい料理を堪能しながら、新しいことに触れる旅はいかがですか?

Photos by Chiharu Yahagi

編集部

広告代理店の企画、出版社の書籍編集を経て2016年に企画・編集・ライターとして独立。ワタリドリ製作所の屋号で、書籍の執筆・編集、複数の企業のメディア運用に関わる。 東京都観光まちづくりアドバイザーとして、国や県庁のインバウンド事業の仕事をしていたときにTABIPPOに出会い、2023年春からジョイン。 大学生の頃から、世界各地を一人旅しては、陸路で国境越えをすることに情熱を捧げていた。現在は自然豊かな多摩エリアで、エネルギーの塊みたいな男児2人の育児に奮闘中。街歩きとおいしい物と温泉が好き。 著書:『世界の絶景1000』(英和出版社)共著、『石の辞典』(雷鳥社)

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