世界一周中はのんびりしているものだと思っていた。
でも世界を旅してみると、トラブルの連続で想像以上に忙しい。
この記事では、それでも私が旅を続けたいと思った理由と、旅がくれた気づきをお伝えします。
世界一周中って暇なの?

「世界一周している人って、暇そう」
私はそんなイメージを持っていた。
経験してわかった。世界一周は、毎日が時間との戦いだった。
宿を探して、移動手段を調べて、観光ルートを考えて、ごはん屋さんを探す。
気づけば、スマホを片手にずっと何かを調べている。
どれだけ準備をしても、世界はそんなに甘くない。
数時間の遅延。
言葉が通じないもどかしさ。
思い通りにいかない出来事の連続。
常に「想定外」を前提に動く必要がある。
それでも旅を続ける理由

「そんなに大変なら、やめればいいじゃん」
きっと、そう思う人もいる。
それでも私が旅を続ける。
大変なこと以上に、心が動く瞬間が多いからだ。
トラブルがあっても、現地の人や他の旅人が助けてくれたとき。
偶然出会った日本人と、夜遅くまで話した時間。
ふと寄り道した先に今まで見たことのない景色があった。
そんな一つひとつが、たまらなく嬉しい。
そして不思議なことに、大変な経験をすればするほど、幸福度の基準が下がっていく。
シャワーのお湯が出るだけで嬉しい。
美味しいものを安く買えただけで幸せ。
日本では当たり前だったことが、一つひとつ、ありがたく感じられるようになる。
そういう積み重ねが、旅を面白くしてくれる。
だからまた、その刺激を求めて旅に出るのだと思う。
旅が教えてくれた、価値観の違い

旅をしてよかったと思う瞬間は、文化や価値観の違いに触れたときにも訪れる。
海外ではバス車内やスーパーで誰かが楽しそうにおしゃべりをしている。
「久しぶり!元気だった?」「最近どう?」
そんな会話が、当たり前のように続いている。
一方、日本では、電車やバスの中はとても静かで、みんなイヤホンをして、画面を見つめて、無言で降りていく。
それが普通だと思っていたけれど、今は寂しく感じる。
もっと、人とのつながりを大切にしたい。
そう思うようになった。
人生、急ぎすぎていたかもしれない。
中米では、誰も走らない。誰も急かさない。
そして、不思議と遅れても、なんとかなる。
東京にいた頃の私は、改札を出たら走るのが当たり前だった。
今振り返ると、「あぁ、急ぎすぎていたな」と思う。
もっと人生を、ゆっくり味わっていいのかもしれない。
最近の楽しみは、長距離移動中に、窓の外をぼーっと眺めることだ。
旅を日常へ

私は旅を続ける。
旅を続けるのは大変。
それでも、旅はたくさんの感情をくれる。
不安も、焦りも、感動も、安心も。
全部ひっくるめて、「生きている感じ」がする。
もし今、「何か変えたいな」「このままでいいのかな」そんな気持ちが少しでもあるなら。
いつもと違う場所へ、少しだけ出かけてみてほしい。
遠くへ行かなくてもいい。
長くなくてもいい。
きっと、当たり前だと思っていた日常が、少し違って見えるはず。
旅は、世界を見るだけじゃない。
自分の価値観を、広げてくれる。
だから私は、今日もまた旅に出る。
All photos by Saki Matsuo