そして再び「世界」へ
Photo by Kazuki Kiyosawa
2017年の夏。僕はまるまる1年ぶりにフィリピン・セブへと帰ってきました。
3月末に世界一周を終え大学を卒業。当初、来年から就職する予定で就職活動をしていたけれど、「世界一周」の旅で自分のやりたいことが分かって、頭をひねって、考えて、行動して、再び「世界」へ戻ってくることが出来ました。
目的地に向かって道筋を立てて進む。このやり方は世界一周の旅路で嫌になるくらい繰り返していたので、たどり着くことは分かっていました。
Photo by Kazuki Kiyosawa
久々に戻って来れたフィリピンで待っていたのは、子供たちの笑顔。去年はじめて東南アジアの子たちと触れ合って、自分の中で何かが変わりました。
東京で育った僕は「お金がある=幸せ」の方程式が存在するってガチガチの固定観念があったんですが、彼らを見ていて“イコール”ではないことに気付きました。
彼らは決して裕福じゃないんだけど、“心”は貧しくありません。逆にお金や、ちゃんとした教育制度はあっても、心が貧しい人は日本にたくさんいることに気が付いてしまいます。
Photo by Kazuki Kiyosawa
「アウェイ」を知ることで「ホーム」を見つめ直すことが出来るので、それだけでも旅に出る価値はあると思います。
彼らは面と向かって喧嘩もするんだけど、みんなで分け合って、助け合っての繰り返し。もちろんスマホもなければ、ゲームもない。自分たちで新しい遊びを作っては、無邪気に笑っています。
僕らが東京でくよくよしている間も、裸足でもまっすぐな笑顔で笑っているこの子たちを見ていると、自分の悩みも吹き飛んじゃいそう。
Photo by Kazuki Kiyosawa
「時々、彼らが羨ましくなる」のは何故だろう。
もちろん“ある”に越したことない「お金」は、あればあるだけ「幸せ」ってわけじゃないんです。彼らの笑顔を見て何か感じるものがあるなら、「旅」を強くおすすめします。自分の「生き方」や「人生観」を見つめ直す、いいキッカケになるはずです。
世界のどこかで「また」会おう
Photo by Kazuki Kiyosawa
フィリピンを抜け、今度はその足でタイ・バンコクへ。ここでの再会はタイ・バンコクにある日本人宿「ロングラック」。ここは僕が初めて沈没した日本人宿で、その居心地の良さは何ひとつ変わっていませんでした。
それまで日本人宿に泊まったことのなかった僕は、「なんで旅をしているのか」や「どこどこが1番好きだな」など、日本人同士だから分かち合える価値観や生き方を朝まで語り合える、ここの雰囲気がたまらなく好きになりました。
去年は世界一周中の、それこそただの学生バックパッカーで、「今まで1度も旅をしたことがない」ただの甘ちゃんでした。
Photo by Kazuki Kiyosawa
久々に再会できた“美人オーナー”で有名なロングラックのゆかりさん。
「あれからこんな旅があってさ」「ここに行ったら、こんな目にあっちゃってさ」なんて、1年間の出来事だとは思えないほどの経験を話すことが出来ました。
Photo by Kazuki Kiyosawa
その後、去年「睡眠強盗」に遭ったときに助けてもらったマッサージ/カフェ“Saiju”を経営しているケンちゃんに会いに、カンボジア・シェムリアップへ。
お互いに1年前の自分と「今」とを比べ、もっともっと先に進もう。と語り合いました。
Photo by Kazuki Kiyosawa
僕が思うに、「人生」とはグラデーションのようなもので、時に「あの頃の自分と何が変わってるんだろう」と思う夜があると思います。
隣同士の色はあまり変わらないけれど、ふと一歩離れたところから眺めてみると、色の変化は一目瞭然。昨日、今日の色の変化はなかなか気付けないけれど、僕らの色は、間違いなく変化しているのかなって思います。
人は人を旅する
Photo by Kazuki Kiyosawa
人、ひとりひとりに、一冊の本には収まりきらない「ドラマ」があります。旅は常に「出会い」の連続で、「ひとり旅」といえど、ひとりでいる時間はほとんどありません。
長く旅をしていて、1番聞かれる質問は「どこの国が1番よかった?」というもの。その国で出会った人の印象が、その国の印象になったりします。現地で親切にしてもらった地元の人。たまたま出会って一緒に旅することになった旅人。
思い出はいつだって「どこ」じゃなくて「誰」ということ。
Photo by Kazuki Kiyosawa
旅の出会いは一瞬だけど、それが一生のものになる可能性は誰でも持っています。僕はひとりで世界に飛び出したつもりが、帰国すると日本・世界中に友達が出来ていることに気付きました。
そして何より、旅人は必ず「また会おうね」と言って別れます。「また会おう」の約束をこうして守ることができ、大好きな人たちに再会できたこと。これは旅の魅力の一歩奥にある、旅人だけが知る「人生のご褒美」なのかもしれません。
旅で出会った人たちに、再び会いにいく旅。そんな旅も素敵かもしれませんね。
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