ライター

看護学部卒業後、救命救急で2年間勤務。未経験でメディア系ベンチャーに転職し、人材事業や法人営業に従事。週末はカメラマンとして活動し、2026年世界一周予定。

会社員をしながら、世界一周の旅を始めるさきです。

これまでに23カ国を旅してきた中で、たくさんの美しい景色や現地の人々との出会いから、ある大切なことに気づきました。

それは、「旅は、自分を好きになるチャンスかもしれない」ということです。

心に一番残っているのは、旅先での景色や出来事そのものよりも、「その経験を通して自分がどう感じたか」「どんな選択をしたか」といった、自分自身との対話でした。

旅は、日常から少し離れて感覚が研ぎ澄まされる特別な時間です。だからこそ、普段は見過ごしてしまうような心の声や本音に気づくことができます。

「私は何が好きで、どんな時に幸せを感じるんだろう?」という問いのヒントは、旅の中にたくさん隠されています。

これまでの旅を振り返ってみると、無意識に選んできた一つひとつの選択が、自分自身と向き合うきっかけになっていたことに気づきました。

旅は、新しい世界を知ると同時に、自分自身を知ることでもあります。今回は、そんなわたしの「旅のマイルール」についてまとめてみました。

思い出は写真に残す

チェンマイ
写真や動画は一生残ります。

なので旅先では、できるだけ写真や動画を撮るようにしています。それは「思い出を残すため」であり、「そのときの気持ちを未来の自分に届けるため」でもあります。

誰かに見せるための映えた写真ではなく、大好きな旅をしながら「自分のために残す、自分だけの記録」を撮り続けています。

その時の空気、色、音、感情……

言葉では残しきれない一瞬を、写真という形で記憶に刻みます。

あとから見返すと「ああ、このとき、こんな気持ちだったな」と、自分の感情ごとよみがえってきます。それが、旅の記憶をより深く、自分の中に刻むことにつながっている気がしています。

迷ったらやってみる(お金は気にしない)


やらなかった後悔より、やってよかった後悔を。

旅の途中で何かに迷ったときは、なるべく「やってみる」ことを選ぶようにしています。

予想外の出費やちょっとした不安もありますが、それでもやらなかった後悔より、「やってよかった」という思い出の方がずっと心に残るからです。

たとえば、ちょっと高めのツアーや現地ならではのアクティビティ、ふらっと立ち寄ったカフェでのひと休み。それらがきっかけで、思いもよらぬ景色や出会いに巡り会えたことも何度もありました。

“お金”はまた稼げますが、その“瞬間”は二度と戻ってきません。少し勇気がいる選択の先にこそ、新たな自分に出会える“瞬間”があると思っています。

夜間に移動する


限られた日程で旅をする中で、私がよく選ぶのが「夜間の移動」です。

翌朝から動けるようにして、旅の時間を最大限活かしています。

夜行バスや深夜のフライト、寝台列車に乗って、移動時間をそのまま「睡眠」と「次の目的地への準備」にあてます。そうすることで、朝目覚めた瞬間にはすでに新しい街で、新鮮な気持ちで旅のスタートができます。

少し体力が必要ではありますが、旅の時間を最大限に活かすための工夫です。

また、夜の駅や空港には独特の静けさがあって、それもまた非日常を感じさせてくれる瞬間です。日中には見られない景色や空気を味わうこともできて、「あぁ、今、自分は旅してるな」と実感できます。

時に不便もありますが、その分、記憶には深く残ります。

何もしない時間を設ける


スケジュールを詰め込みすぎないのが旅の満足度を上げる秘訣。

旅といえば、観光やグルメ、アクティビティでスケジュールをいっぱいにしたくなります。でも私は、あえて“何もしない時間”を意識的に設けるようにしています。

カフェでぼんやりしたり、公園のベンチに座って通り過ぎる人々を眺めたり。

ただ、それだけです。

意識的に立ち止まることで、自分の本音や感情に気づけることがあります。

「ちょっと疲れてたんだな」「この町の空気、好きだな」

そんな小さな気づきが、自分を大切にしてあげるきっかけになってくれます。旅をただ「こなす」ものにせず、自分にとって心地よいペースを見つける。そんな時間が、旅の満足度をぐっと高めてくれます。

その土地の郷土料理を食べる


文化を味覚から感じることが、旅の楽しみでもあります。

どの国・どの町を訪れても、私はその土地の「郷土料理」を味わようにしています。ガイドブックに載っている定番料理から、地元の人しか知らない屋台メシまで、できるだけその場所ならではの食を楽しむようにしています。

食べ物は、その土地の文化や暮らしを体感できる、いちばん身近な入り口です。味だけでなく、香りなど、言葉では伝えきれない情報が詰まっています。

食べたものの味や、そのときの風景が、その土地の記憶とセットでずっと心に残っています。そんな体験が、旅の記憶をより深く、豊かにしてくれます。

その土地の文化を味覚から感じることが、私にとっての旅の楽しみです。

自分の感性を信じて、まずは旅に出てみよう

kyusyu
旅に“正解”はありません。

どんな国に行くか、どこを訪れるか、何をするか。すべて自分で選べるからこそ、その選択にはその人らしさがあらわれるのだと思います。

私にとっての「自分をもっと好きになる旅」とは、自分の感情を大切にして、自分らしい選択を重ねていくことでした。

もし今、旅に迷っている人がいたら、どうかこう伝えたいです。

「考えすぎなくても大丈夫。まずは、一歩を踏み出してみてください。」

その先に待っているのは、想像よりもずっと豊かな体験と、少しだけ好きになれた自分自身かもしれません。

自分の感性を信じて、あなただけの旅を楽しんでください。

All photos by Saki Matsuo

ライター

看護学部卒業後、救命救急で2年間勤務。未経験でメディア系ベンチャーに転職し、人材事業や法人営業に従事。週末はカメラマンとして活動し、2026年世界一周予定。

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