『サンマリノ』という言葉を聞いて「国だ!」と思ったあなたは、相当な地理マニア。よくイタリアの地方都市に間違えられますが、サンマリノは国連にも加盟する独立国なんです。
また世界で5番目に小さな国家でもあります。お手元の地図帳を開いて、イタリアの中央よりやや右上の場所を眺めてみてください。縮尺によっては点のように小さく描かれているかもしれません。
でもそこには国があって、独自の文化が存在し、陽気なサンマリノ人がいると想像したらワクワクしませんか? 今回、自分が2018年11月に訪れたときの様子を紹介します。
サンマリノの中で訪れた都市とルート、移動方法
photo by Rui Hanada
イタリアに囲まれた小国のバチカン市国と違って、意外と行くのが面倒くさいのがサンマリノ。拠点となる大きい街はイタリアのボローニャです。そこから列車に乗り、リミニという町を目指します。
さらに駅前からサンマリノ行きのバスに乗るのですが、これがまた本数が少なく、列車の到着時間との接続もないため、タイミングによっては待たされることも。自分の場合は1時間近くバス停で待ちました。
バスに乗れば、いつの間にかイタリアとの国境を越えてサンマリノへ。1時間ほどで終点になっている世界遺産の城壁前に辿り着きます。
サンマリノでのエピソード(人とのエピソード)
サンマリノで一番印象に残っているのは、観光案内所の女性です。お釣りをもらう際に「サンマリノの限定硬貨はほしい?」と声をかけてくれました。
サンマリノはユーロを導入しています。基本的にユーロが通貨の国は、1ユーロや2ユーロなど硬貨の片面に独自のデザインを刻印していいことになっています。そのため小さい国では、普段あまり見かけない珍しいデザインのコインと出会えることも。
お土産にもピッタリなので、迷わず返事は「Si(はい)」と答えました。女性はにっこりうなづき、サンマリノデザインのコインを探して、お釣りとしてくれました。
サンマリノでのエピソード(場所のエピソード)
photo by Rui Hanada
険しいティターノ山に築かれた堅固な城塞都市であるサンマリノ市は、世界遺産に登録されています。石畳の坂や階段を上るのは結構骨が折れますが、ぜひとも頂上付近の塔まで上がってみてください。
天気が良ければ遠くに薄く霞がかった山並みと、オレンジの屋根の家々が連なる様子が見えるはずです。
photo by Rui Hanada
さらに自分の訪れた11月の時期はちょうど紅葉の真っ最中でしたので、森が赤に黄色に染まり、そこに中世の古城がたたずむ姿はとても幻想的でした。季節によっては新緑だったり雪化粧だったりと、また一味違ったサンマリノが見られるかもしれませんね。
知っておくべきキーワードは「入国スタンプ」
photo by Rui Hanada
サンマリノはドイツやイタリアと同じくシェンゲン協定加盟国なので、国境を越える際に入国審査はなく、入国スタンプはありません。ですがせっかく珍しい国に来たのだから何か入国の記念がほしい!そんな人にオススメなのが観光案内所でもらえる入国スタンプです。
国によっては無料でもらえるところもあるのですが、こちらは有料で、2018年の時点で5ユーロかかりました。スタンプを押すだけと考えると少し高い気もしますが、パスポートにスタンプと特製シールが貼られるので、友だちに自慢できますよ。
サンマリノ旅行を楽しむためのアドバイス
photo by Rui Hanada
季節や時間帯によっては伝統的な衣装を身にまとった兵士の、衛兵交代式が見られるそうです。自分の訪れた時には国の行事が重なり、式自体は見られませんでしたが、通りを行進している衛兵隊を偶然見かけました。
青と白の国旗の色と同じ帽子を被り、勇ましく歩く衛兵の姿を、格好よく思ったのは今でも覚えています。