――TABIPPOにジョインしたきっかけと、TABIPPOでの役割を教えてください。
新卒で入社した会社を退職したあと、しばらくアルバイトをしていました。そんなとき、もともとファンだったTABIPPOが編集スタッフを募集していることを知り、編集未経験ながら応募してみたのがきっかけです。
役割は、ざっくり言うと「ライターの代表」。「阿部まなみ」として月間4~5本の記事を書くだけでなく、トラベルライターさんの採用をしたり、ライターさんが書いてくれた記事の編集をしたりもしています。
――阿部さんの記事は、“女子”ならではの切り口が魅力的ですよね。
ありがとうございます!女子だってやっぱり旅したい。だからターゲットを女子に据えている記事もありますが、女性の気持ちを男性に伝えたくて書いている記事もあります。
女子におすすめのスポットや女子が喜ぶおみやげをテーマにした記事はたくさんありますが、女子の“気持ち”を伝えているものはほとんどない。
「女性はこう思っているのに」と伝えたくても、それを表に出せない人はたくさんいます。その人たちのかわりに私が書かなくちゃ、伝えなくちゃと思っています。
――ライターだけでなく、編集者としての役割も担っているんですね。たくさんのライターさんがいらっしゃいますが、編集者として気をつけていることはありますか?
自分で書くときも同じですが、「テーマ選び」を大切にしますね。
TABIPPO.NETにはすでにたくさんの記事があるので、それらと重複しないように組み立てなければならないですし、テーマがしっかりしていないと、ブログのようになってしまう。結論が「きれいだった」「感動した」だと、読者が得るものはありませんよね。
ですから、ターゲットは誰で、記事を読んでどう感じてほしいのか、記事を読んだ後にどう行動してほしいのか、ライティングに着手する前にきっちり決めるようにしています。
――TABIPPOの記事を読んだ人には、どんなことを感じてもらいたいですか?
やっぱり、旅に興味を持ったり、旅に出たりしてほしい。「TABIPPOを見て海外に行ってきました!」と報告してもらえると、とてもうれしいですね。
今考えているのは、「いってらっしゃい」と送り出すだけでなく、「ただいま!」を受け入れるメディアにしていきたいということ。
旅は危険をはらんでいますから、帰国を見届けたいというのがひとつ。そして、無事に帰ってきて、旅の経験を生かしてもらえればというのがもうひとつです。
――取材でもたくさん旅をされていますが、好きな国はどこですか?
大学の卒業旅行で行ったスペイン!新潟出身なので、海があるバルセロナがしっくりきました。街がカラフルで、人が陽気で、観光地なのに人がギラギラしていないのも好みでした。
2年前、ユーレイルツアーの取材で再訪したんですが、「やっぱり素敵だな」という印象でしたね。いつか長期滞在してみたいと思っています。
――いま行きたい国を教えてください。
狙ってるのはキューバですね。
いろんな人から「早く行ったほうがいいよ!」と言われて焦っています。ネット環境がほとんどないそうで、その不便さがかえって素敵。せっかくの旅、“海外感”を満喫したいんですよね。
――旅以外に、趣味や好きなものはありますか。
ひとつは、お酒。日本酒もワインも、ハイボールも好き!海外に行くと、現地のお酒をチェックします。誰かと一緒に飲むのが大好きで、自分も相手も楽しくなって、普段話せないことも語り合える雰囲気がいいです。
もうひとつは、音楽ですね。特にジャズが好き。中学生のときはビッグバンドに、大学生のときはジャズ研に所属していました。これからもずっと好きだろうと思います。
――将来的に叶えたい夢はありますか?
バンライフですね!家をもたず、キャンピングカーに全部詰め込んで、旅するように暮らしたい。アメリカ横断をしたことで、「キャンピングカーで1カ月生活できるんだ」とわかったので。
バックパックだと、どうしても荷物を減らさなければなりません。でも車には、自分の好きなものを全部詰め込んで旅することができます。最高ですよね。
――最後に、旅に興味を持っている女性に伝えたいことはありますか?
バックパッカーというと、すごくタフだと思われがち。でも、私だって不安がないわけじゃない。そういったリアルな気持ちを伝えたいですね。
「旅に出たいけど怖い」「英語が苦手だから」と思っている人の不安を払拭して、背中を押したい。実際に、読んでくれた方から「勇気をもらいました」と言ってもらえたとき、書いてよかったなと思いますね。
text:西嶋結
photo:長沼茂希