歴史的城壁都市クエンカ
「魔法にかけられた町」という別名を持つクエンカは、断崖絶壁に建てられた要塞都市です。少し離れて街を見渡すと、建築物が宙に浮いてるように見える錯覚を起こさせることからこの名がつきました。
1177年よりカスティーリャ王国の主要都市の一つとなり、織物工業によって16世紀まで栄え、それに伴い行われた開拓によりでき上がった景観が現在に残る奇観です。
ビスカヤ橋
バスク地方に流れるイバイザバル川には不思議な形の橋がかかっています。ビスカヤ橋と名づけられたこの橋は、19世紀末に大型船が通れるように建設されたものです。
古くから鉄鉱石の産地であったこの一帯には鉄工所が並んでいます。船が行き来できるようにアルベルト・パラシオによって設計され、世界初のゴンドラ式の橋が完成しました。
マドリードのエル・エスコリアル修道院とその遺跡
日本のハウステンボスを思わせる宮殿のようなたたずまいを持つエル・エスコリアル修道院は21年もの期間をかけて建設されました。広大な敷地内に巨大な建物、そして壮麗なデザイン。
当時の建築技術の最高傑作ともいえ、近づきすぎると全貌を確認することができないほど巨大な建物です。この修道院の周辺には緑豊かな遺跡もあり、世界中から観光客が訪れています。
アビラの旧市街と塁壁の外の教会群
アビラは、イスラム教とキリスト教の対立による戦乱が多発していた11世紀頃に築かれました。高さは12m、全長2.5kmに及ぶ城壁に囲まれた旧市街には、聖女テレーサゆかりのサン・ホセ修道院やサン・ビセンテ聖堂などがあります。
サンタ・テレサ広場にはカフェやレストランなどが軒を連ね、アビラを楽しむ観光客で賑わっています。
バルセロナのカタルーニャ音楽堂とサン・パウ病院
地元バルセロナではガウディ以上に有名であった建築家ドメネクにより、1902年にサン・パウ病院が、1905年にカタルーニャ音楽堂の建設が始められました。
サン・パウ病院は映画「それでも恋するバルセロナ」の舞台にもなっており、音楽堂はモデルニスモ建築で造られ内部はため息が出るほどに美しい装飾が施されています。
バレンシアのラ・ロンハ・デ・ラ・セダ
スペイン語で「絹の商品取引所」を意味するラ・ロンハ・デ・ラ・セダは、1482年から1533年にかけて建てられた貿易会館でゴシック後期のフランボワイヤン様式の傑作とされています。
15世紀から16世紀にかけて絹取引を中心とした地中海貿易で栄えたバレンシアの中心地となってきました。1996年に世界文化遺産に登録されました。
ドニャーナ国立公園
約10万平方キロメートルにも及ぶ広大な敷地面積を誇る、ヨーロッパ最大の自然公園です。半分以上が人の立ち入りが禁止されたエリアで、手付かずの自然が残っています。
観光客は船か専用車での観察ツアーに参加して、ガイド付きで公園内を散策することができます。運が良ければフラミンゴやシカなどの野生動物に遭遇することもできるでしょう。
サン・ミジャン・ユソとサン・ミジャン・スソの修道院群
スペイン語を話す人は全世界で約4億2千万人いると言われていますが、その原点である土地がサン・ミジャン・ユソです。
ここは世界最古のスペイン語がかかれたとされる場所として世界遺産に登録されました。修道院には、最古のスペイン語についての文献や資料が保管されており、スペイン画家ムリーリョの宗教画などがあります。
タラゴーナの遺跡群
紀元前218年に古代ローマ帝国に占領されて以降、タラコと呼ばれて貿易の拠点となり、イベリア半島では最大、またローマ帝国では第二の都市として栄えました。
当時の遺跡として凱旋門をはじめ1世紀に建造された円形闘技場や城壁、ラス・ファレラス水道橋などが残っています。2000年に世界文化遺産に登録されました。
アランフェスの文化的景観
スペイン王室の離宮と庭園があるアランフェスは、街並みを含めた一帯全てが2001年に世界文化遺産に登録されました。
1561年にフェリペ二世によって建設が命じられたものの、離宮の建設に着工したのは17世紀半ばになってからのことで、完成は18世紀後半でした。離宮は王宮公園、島の庭園、王子の庭園と名づけられた三つの庭園に囲まれています。