ウベダとバエーサのルネサンス様式の記念碑的建造物群
イスラム教徒に支配されていたイベリア半島をキリスト教徒が奪回しようとしたレコンキスタ時代、この土地では激しい戦乱が繰り広げられました。
16世紀に入ると織物生産で栄え、貴族たちが聖堂や宮殿、広場などを建築させ、17世紀には急速に衰えたことから、当時のルネサンス様式の建造物群がそのまま今に残っています。
ヘラクレスの塔
ア・コルーニャの町に約2000年もの間立ち続ける、現存する世界最古の灯台があります。太平洋を渡る船を今も照らし続けるヘラクレスの塔は、ローマ人による高い建築技術が見てとることができます。
全てが石造りの塔は切り出した石が組み合わされ、その重さで構造が安定しています。今では町のシンボルとなっているこの塔は、2009年に世界文化遺産に登録されました。
サン・クリストバル・デ・ラ・ラグナ
15世紀末、スペインに初めて築かれた植民地です。大西洋に浮かぶカナリア諸島のうちの一つ、テネリフェ島にある通称ラ・ラグーナと呼ばれる都市。
先住民グアンチェ族と襲来したスペイン人が共存して作り上げた町には、スペインのコロニアル様式の建築物が並び、共に集うことのできる大聖堂などを建築しました。今に残るその町並みは、1999年より世界遺産として登録されています。
アタプエルカの古代遺跡
アタプエルカ山脈の洞窟の中にある遺跡です。ヨーロッパ大陸では最古であり約30万年前の人類と推定されるプレ・ネアンデルタール人の人類化石が20体分以上発見されました。
自然の洞窟が多数あるこの山脈は、人類が住みつくのに絶好のロケーションだったとされています。2000年に世界遺産に指定され、今でも毎年発掘調査が行われています。
ブルゴス大聖堂
スペイン北部に位置する町ブルゴスには、スペインのゴシック建築の傑作と言われるブルゴス大聖堂があります。13世紀に司教座が置かれていたブルゴスの当時の司教マウリーシオの提案により建てられ始めた大聖堂は、14世紀に基本部分が完成し、2世紀もの間をかけて増築されました。
23もある内部の礼拝堂のうち、最も美しいと言われる「元帥の礼拝堂」は必見です。
オビエド歴史地区とアストゥリアス王国の建造物群
スペイン内戦とアストゥリアス革命によってオビエドにあったほとんどの建造物は破壊されてしまいましたが、内戦後に再建された大聖堂などが今に残っています。
9世紀に建設されたサンタ・クリスティーナ・デ・レーナ聖堂はアストゥリアス王国を代表する建築物で、ビザンチン様式の内部装飾とプレ・ロマネスク様式の外観を持ち合わせています。
ガラホナイ国立公園
大西洋に浮かぶカナリア諸島の一つ、ラ・ゴメラ諸島にあるガラホナイ国立公園。標高1000m以上に広がる国立公園は切り立った断崖に囲まれており、四季の変化が少ない温暖な気候、そしてたちこめる霧が特徴です。
この環境がヴィニャティゴを代表とする多くの固有植物を生み出しています。1986年に世界自然遺産に登録されました。
メリダの遺跡群
紀元前25年にローマ皇帝アウグストゥスによって築かれた殖民都市に始まり、ヒスパニアの重要都市として繁栄しましたが8世紀のイスラム教徒の信仰により衰退しました。
その後、新しい建物が建てられなかったためにローマ帝国時代の建築物が今に残る遺跡となっています。凱旋門をはじめ、円形闘技場やローマ橋などが残っています。
アルカラ・デ・エナレスの大学と歴史地区
ドン・キ・ホーテの著者であるミゲル・デ・セルバンテスの出身地としても有名なアルカラ・デ・エレナスは、最初から大学都市として設計され、今も多くの学生が住んでいます。
最初に作られた大学はマドリードに移転しましたが、その後建設されたアルカラ大学は現在の町のシンボルにもなっています。1998年に世界文化遺産として登録されました。
ルーゴのローマの城壁群
ルーゴは2世紀以降、ローマ帝国の軍事拠点として発展し、263年から276年の間に城壁が建設されました。旧市街の周りを取り囲んでいる城壁の長さは2117mあり、46もの塔が併設されています。
西ヨーロッパにあるローマ時代の城壁の中では最も保存状態が良いとされています。1129年にロマネスク様式の大聖堂が建設され、中世後期にはキリスト教の巡礼地の一つとなりました。