編集部

こんにちは、旅を広める会社である株式会社TABIPPOが運営をしている「旅」の総合WEBメディアです。世界一周のひとり旅を経験した旅好きなメンバーが、世界中を旅する魅力を伝えたいという想いで設立しました。旅人たちが実際に旅した体験をベースに1つずつ記事を配信して、これからの時代の多様な旅を提案します。

でもね、インドの自殺率は世界でも40 位以下。日本は、ベスト 10。これだけ死を身近に感じていても、自ら死のうとする人は、早々いない。

人はいつか死ぬ。でもその時までは自分のスキなように生きてます。いつか死ぬからこそ、スキに生きていきますって感じ。

 

輪廻転生。インドでは生まれ変わりが信じられている。でも、どんな富豪に生まれたって、スラムに生まれたって。今ある人生は変えられない。今を精一杯生きて、来世に託すのだ。

 

「Are you happy today?」

私が泊まっていた宿で、毎日毎日、本当に一生懸命床を磨いているスタッフがいた。彼の給料は、一日約 100 円だった。宿のオーナーの子どものお小遣いは、何もしなくても 200 円。でも彼は毎日、笑顔で私にこう言う。

 

「Are you happy today ?」

そして、「自分は今日も幸せな一日だった」と。

 

カースト制度。どんなに必死に働いても、彼が掃除以外にできる仕事は、インドにはない。自分がどのカーストかは、生まれた瞬間に決まっている。生まれた瞬間に人生が決まる。どんなに頑張って床を磨いたところで、机の上さえ拭かせてもらえない人だって、いる。そんな人がいるなんて、これまで考えたこともなかった。

 

「モッタイナイ」のは、日本人だ

必死に頑張ればきっと、それなりの評価が下される。これが当たり前だと思っていた。でも、実際には、どんなに頑張っても評価されることのない人たちが世界にはたくさんいる。

 

日本だったら、それなりに努力すればどんな人だって、ある程度の給料はもらえるだろうし、向上心を持って、もっともっと頑張れば、夢だって夢じゃなくなるかもしれない。お金持ちにだって、社長にだって、何だって。

 

数年前、「モッタイナイ」って日本語が世界で流行した。他の言語に、このニュアンスを表現するものはないそうだ。

『モッタイナイ=そのものが持つ価値を生かしきれず、無駄にしてしまうこと』

 

でも、その言葉を使う日本人こそ、世界で一番モッタイナイ人種なんじゃないかと思った。

 

日本に帰りたくなった

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photo by Tavis Ford

中国で、どの宿にも泊めさせてもらえなくて、泣く泣く駅の床で凍死しそうになりながら寝た。お金を払えば泊めてもらえないことなんてまずあり得ない日本に、今すぐ帰りたくなった。

 

ベトナムでは、同じ名前の看板が100 以上あった。本物は一つだけで、疑うことに疲れ果てた。目の前のものを疑わなくてすむ日本を羨ましく思った。

 

イスラエルでは、ある少年が話してくれた。

「将来を考えると、この国に長く住みたいとは思えない。いつ戦争が起こって死んでしまうか分からないからね」

日本に、そんな不安を抱える子どもが一人でもいるだろうか?

 

ある民族の住む村では、まだ小学生にも満たない男の子が赤ちゃんをおんぶして、私の顔を見上げてきた。何を言うわけでもなく、物乞いをするわけでもなく、ただ私のことを見つめてきた。

 

(私に何を言いたかったんだろう)

 

申し訳なくて、何もしてあげられない自分が情けなくて、自分の無力さを感じた。今でも、その子の目が忘れられない。

私たち日本人は、こんなに恵まれたものがいっぱいあるのに、幸せを実感できないなんて、もったいなさすぎる。

 

 

2011 年3月11日、ニューヨークにて

日本人として、忘れられない一日がある。2011 年の3 月11 日。

 

私はニューヨークにいた。新聞はどれも一面、東北で起きた地震の記事だった。日本人なのに、その日本に自分はいない。あまりにも不自然だった。

 

(日本にいなくても、私ができることって?)

 

募金。それしか思い浮かばなかった。手作りの募金箱と新聞の一面を飾る地震の記事だけ持って、タイムズスクエアに向かう。とりあえず、募金箱を持って、ひたすら叫ぶ。

 

「Pray for JAPAN(日本に祈りを)」

「Please help JAPAN !」こんな簡単な英語しか話せない自分が悔しかった。

 

でも、そしたら。「your family ok?」近くでビラ配りしてたおじちゃんが1$ 入れてくれた。隣でCD を売っていた黒人のお兄さんが 「Pray forJapan(日本に祈りを)」って、1$とCD をくれた。あらゆる人種の人が声をかけてくれて、1$、5$、20$。想像以上の人が募金して、心配してくれた。無条件の優しさに、叫びながら半泣きだった。

 

見知らぬ人。しかも自分の国の人でもない人に募金するって、そんなに簡単なことじゃない。でも、私の顔を見て、たくさんの人が募金してくれた。

 

私が日本人だったからだ

その理由は一つだ。きっと、私が日本人だったからだ。

みんな、世界各地で地震や災害が起こった時、日本がどれだけの援助をしてきたか知っているんだ。

 

自分が日本人だということを、心から誇りに思った。いかに日本人が愛されているかを実感した。世界のどこに行っても「日本人は好きだ」と言ってもらえる。そんな素晴らしい国に、私は生まれてきていたんだ。

 

日本人として生まれた 1.8% の奇跡

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photo by Takashi Hososhima

この地球上には今、195 ヵ国あるって言われていて、その中でも約 5 人に 1 人は中国人と言われている。

 

じゃあ、日本人として生まれる確率は?なんとわずか 1.8% だそうだ。そんな奇跡的な確率で、私は今この日本という国にいる。私はこうした奇跡に恵まれて、自由に世界を旅することができた。

 

ラオスの青空の下で、「日本人であることに誇りを持ったことってあったかな?」問いかけた自分への質問に、私は「YES !」と自信をもって言うことができる。

 

幸せの始まりは、そこにあるんじゃないかって思う。

おじいちゃんの言葉を思い出した。

 

「人生は限りあるもの。大事に生きなさい。当たり前のものに感謝しなさい」

 

今の自分次第で、未来はつくられる

今ある自分に感謝して、まわりに感謝して。一人でも多くの人に「happy」を届けたい。それが今の私のやりたいことだよ、おじいちゃん。「happy」は伝染するものだから。私からあなたに、あなたから、あなたの友達に、あなたの友達から世界中に、「happy」が届きますように。

 

帰国後、私はフリーの看護師をしながら、「世界から見た日本の素敵」を伝える仕事に挑戦中。日本人として生まれた数%の奇跡に感謝して、喜多桜子という自分に生まれてきたことに感謝して、人生を通して、一人でも多くの人に happy & smile を届けたい。

 

社会の波に飲み込まれて、自分を見失いそうな時には、この旅を思い出して、忘れかけた気持ちを取り戻しながら。

 

過去の自分があるから、今の自分がいて。今の自分次第で未来はつくられる。その集大成がきっと、人生というものだ。

 

世界一周に出たい!でも勇気が出せない。そんなあなたへ

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今回の世界一周ストーリーを掲載している書籍では、15名の感動ストーリーだけではなく、一緒に本を作成した世界一周者50名のお土産話やアンケート、世界の瞬間PHOTOなど世界一周経験者の想いが詰めこまれています。

「世界一周して人生が変わる?」

これは、あなたが本当に実感できるかどうか分からないかもしれません。ただ、少なからず私たち50名の人生は、世界一周がきっかけで変わりました。

この想いをあなたにも感じて欲しい。そしてこの本をきっかけに、旅に出てくれたらもっと嬉しいです。

 

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