こんにちは!TABIPPO代表取締役の清水直哉(しみなお)さんが講師を務める「しみなおゼミ」のレポート、最終回をお届けします。
今回は、実際にゼミに参加したライターのまゆが、「しみなおゼミはどんなところだったか」を振り返る総括編です。しみなおゼミに入って3ヶ月、これは私自身がよく聞かれる質問でもありました。内容に入る前に、私なりにこの問いに答えてみたいと思います。
3ヶ月間のゼミ活動を振り返って筆者作成
しみなおゼミは、講義で示される生き方・仕事・幸福のヒントが種になり、自分と向き合い、個性豊かなメンバーと話しあう中で芽が出て育つ共創の場だと感じます。仕事も興味も参加の目的も違う人との対話で考えが深まったり、新たな視点が増えたりすることに価値があるのではないでしょうか。
TABIPPOの他のコミュニティと比べて少人数なのも特徴です。メンバー同士の距離が近くコミュニケーションが活発で、変化の過程をしみなおさんにも見てもらえる、そんなあたたかく贅沢なゼミでした。
さて、そんなゼミの振り返りとして、最終回の講義の内容をおさらいしつつ、個別相談会やイベントの様子も見てみましょう。
最終回のテーマは「コミュニティ」と「ストーリー」
しみなおゼミの講義は、キャリアやビジネスに応用できる5つのキーワードに沿って進んでいきます。これまでの講義では、「ビジョン」「サステイナブル」「ブランド」について語られてきました。
最終回のテーマは「コミュニティ」と「ストーリー」の2つです。
#コミュニティで共創を生む
まずは、これからの社会・キャリアにおけるコミュニティの役割について、「手段としてのコミュニティ戦略」と「VSOPと計画された偶発性」の2つの観点から考えていきます。
手段としてのコミュニティ戦略とは
しみなおさんは「コミュニティは人生と仕事の目的を達成するための手段である」といいます。さらには、コミュニティ内の信頼さえあればお金もいらない時代になっているというのですが、これはどういうことでしょうか。
たとえば、私たちが牛丼屋さんで食事をするときのことを考えてみましょう。必ずお金を支払って、牛丼を受け取りますよね。これは私たちと牛丼屋さんの間に、無償で商品を提供してもいいと思えるような信頼関係がないからです。
一方で、コミュニティ内の仲間との間に強固な信頼関係があるときは、お金を介さない助け合いが生まれる可能性があります。自分が作った牛丼をコミュニティの仲間に振る舞うこともあるでしょう。
しみなおさんは、この助け合いこそ、これからのコミュニティの価値であるといいます。
VSOPと計画された偶発性
ここで話題は「キャリアのVSOP論」へと移ります。
キャリアのVSOP論とは、20代、30代、40代、50代と、年代ごとに求められるスキルを定義したもの。20代はバラエティ(バイタリティという説も)、30代はスペシャリティ、40代はオリジナリティ、50代はパーソナリティが求められるとし、それぞれの頭文字をとって「キャリアのVSOP論」と呼ばれます。
しみなおゼミ生のボリュームゾーンである20代は、バラエティやバイタリティが求められる時期。つまり、経験が少ない分、ひとつの分野に絞らず、とにかくいろんなこと活動をしてみる時期です。これをコミュニティ戦略に応用すると、とにかく多種多様な人とつながってみることの重要性が見えてきます。
次に「計画された偶発性理論」にも目を向けてみましょう。
これは、スタンフォード大学の心理学者、ジョン・D・クランボルツ教授によって提唱された理論で、「個人のキャリアは偶然の出来事の積み重ねによって決まる。キャリアをいいものにしたいなら、偶然をチャンスと捉えて生かす必要がある」といったものです。
この理論では、好奇心・持続性・柔軟性・楽観性・冒険心の5つの行動特性が重視されます。5つの行動特性によって、好ましい偶然を計画的に起こせるのです。
この理論から導けるのは、勇気を出してコミュニティに飛び込んでみようというメッセージ。旅人である私たちが持つ5つの行動特性を活用して、どんどん新たなコミュニティに飛び込んでみましょう!
「多種多様な人とつながる」と「勇気を出して飛び込む」。この2つの行動を積み重ねることで、無償でも助け合える、親密なコミュニティに属せるようになるでしょう。