ライター
川波 恵子 旅する臨床検査技師

旅する臨床検査技師けーちゃん。訪問国数は43ヶ国。臨床検査技師として働く傍ら、出張撮影サービスのカメラマンをしたり、世界一周をしたりアメリカ横断したり、カナダに住んでみたり、フォトコンテストで世界1位になったり(IPA 2023)。「やりたい事は全てやる、行きたい所は全て行く」をモットーに世界中を旅しています。好きなことはカメラと美味しいチョコレート探し。今の目標は宇宙旅行。

岐阜県の北西部にある白川郷。なかでも荻町地区は合掌造りの集落として知られ、教科書やテレビ、SNSなどで見たことがある方も多いのではないでしょうか。

1年中美しい景色を見せてくれる白川郷ですが、冬の白川郷は格別です。

フォトグラファーの仕事としてもプライベートでも、1年に何度も白川郷を訪れ、白川郷の四季それぞれの魅力を知る私が、冬の白川郷の魅力をご紹介します。

白川郷とはどんなところ?


そもそも白川郷とはどんなところなのか、何がすごいのかご存知でしょうか。

三角屋根が印象的な合掌造りの家屋があることで知られており、富山県の五箇山とともにユネスコの世界遺産に登録(1995年)されています。

日本にある、ほかの合掌民家の集落とは違い、今現在も実際に人々が住み、生活の場として使われている点に価値があると言われています。

いま白川郷の人気がすごい


白川郷のある白川村の観光客の数は、世界遺産に登録された1995年以降、年々増加しており、2019年には過去最高の215万人を超えたほど。※参照「白川村ホームページ」

白川村の人口は1,500人ほどの小さな村。そう考えても、かなり多くの人が訪れているのが分かります。


集落の全体像。小さな集落なのがよく分かります。
2020年に新型コロナウィルス感染症の影響で観光客は落ち込みますが、それが5類感染症に移行した2023年には172万人に一気に上昇。2024年は過去最多を更新する勢いなのだとか。

訪れてみると強く感じるのですが、日本人だけでなく、訪日外国人が多いのが印象的。

実際に私自身も、2024年はカメラマンとして訪日外国人からの白川郷での撮影依頼がかなり増え、白川郷の人気ぶりを実感しました。


日本にとどまらず世界中にある世界遺産を訪れた際、それが観光地化されてしまっており「ちょっとがっかりした……」なんて経験、旅好きの皆さんなら一度はあるのではないでしょうか。それが人気観光地の宿命でもあるのでしょう。


それに比べて白川郷は今も日本の原風景が広がり、そこには人々が実際に住んで生活をしており、観光地として人気となってもなお、その地の息遣いが聞こえてくるような気もします。

それが私が白川郷に魅せられている理由でもあり、国境を超えて多くの人が魅了される理由でもあるのではと考えます。

冬の白川郷の魅力


いつ訪れても美しく心惹かれる景色を見せてくれる白川郷ですが、冬の白川郷にはほかの季節にはない特別な魅力があります。

白川郷のある地域は豪雪地帯であり、だからこその急な屋根が特徴の合掌造り。冬こそが白川郷の本領発揮の時期。


雪が降り積もり、一面銀世界の中に合掌造りの家々が浮かぶ光景は、まるで童話の中に入り込んだかのような、幻想的でありつつもどこか懐かしい気もする世界。

耳を澄ますと楽しげな人々の声の中に、時々屋根から落ちる雪の音が聞こえ、夏とは違った景色や音が存在しています。


また、冬期はライトアップイベントもあります。日にち限定の事前予約制ですが、ぜひ日程を合わせて参加してみてくださいね。

冬の白川郷でやりたいこと

展望台からの景色
冬に白川郷を訪れたら、ぜひ展望台へ行きましょう。中心部から展望台までバスが出ていますが、歩いて行くこともできます。

雪に埋もれて輝く雪景色の白川郷と、集落の奥に聳える雪山の景色は、この時期ならではの絶景です。雪の白川郷を屋外で楽しむのも良いですが、ぜひ合掌造りの「内部」も体験してくださいね。


白川郷は実際に人々が住んで生活をしている場所だと紹介しましたが、一部の建物は博物館として保存されており、入場料を払うことで内部の見学が可能。

合掌造りの家のなかはどのような造りなのか、どのような生活が営まれているのか、実際に自分の目で見て体感できますよ。


合掌造りの建物に目が行きがちですが、白川郷にある自然に目を向けてみるのもオススメ。

近くに流れる美しい川、雪が被り幻想的な山など、そういった自然を見ながら散歩するのも冬の白川郷の楽しみ方です。


また、温かい白川郷グルメを楽しむのもオススメです。いたる所に、みたらし団子や五平餅、飛騨牛コロッケなど、その場で手軽に食べられるものが売られています。

ゆっくり食事を楽しみたい方のために、イートインのできる飲食店もあります。


小さい集落だと侮ることなかれ。生まれも育ちも白川郷の「結豚」を使ったカレーや豚丼、白川郷の郷土料理である「朴葉味噌」や、白川郷特産の「合掌とうふ」を使った定食など、とっても美味しい食事をいただくことができます。

冬の白川郷での服装

雪が積もり始める12月初旬の白川郷
白川郷は豪雪地帯。冬に訪れる場合は暖かい格好をして訪れましょう。

1月の平均最高気温は2.8度、平均最低気温は−4.4度です。
※参考資料:国土交通省 気象庁

基本的には屋外を観光する場所ですので、ダウンジャケットなど暖かいアウター類に、セーターやフリースなどを重ね着するのがオススメ。手袋やマフラー、ホッカイロも必需品です。

また、雪が降ったり、気温が下がりきっていない時期ですと雨が降ることもあります。とくに雨の場合は、雪が溶けて靴が濡れてしまうことが……。事前に天気予報を確認した上で、必要に応じて替えの靴下や、防水性のあるアウターなどをご用意ください。

白川郷へのアクセス方法


白川郷は岐阜の山奥にあってアクセスが悪そう……と思う方もいるかもしれませんが、案外アクセスが簡単なのが魅力。

車で訪れる場合、名古屋からであれば約2時間15分、金沢からは約1時間10分で訪れることができます。ちなみに、東京からは5時間15分、大阪からは4時間です。


冬に訪れる場合、冬仕様のタイヤであることが必須な上に、渋滞の心配もありますので、おすすめは公共交通機関でのアクセス。

人気観光地とだけあって、周辺の都市から高速バスが1日に何本も出ているんです。

名古屋駅からは2時間半、金沢駅や富山駅からは1時間20分でアクセス可能ですので、東京や大阪からも新幹線などと高速バスでアクセス可能。

高山駅からもバスが出ていますので、高山観光と併せて楽しむのも良いですね。

冬の白川郷へ行こう


全ての季節で何度も白川郷を訪れている私ですが、冬の白川郷は格別な美しさがあると感じます。

なるべく人の少ない時間に撮影などを楽しみたい方は、朝の早い時間に行くのがオススメ。10時前であれば比較的空いている印象です。

白川郷の冬は長く、例年は12月下旬頃から3月上旬まで雪が降ります。まだまだ間に合う冬の白川郷、ぜひ訪れてみてくださいね。

■詳細情報
・名称:白川郷
・住所:〒501-5627 岐阜県大野郡白川村荻町
・地図:
・公式サイトURL:一般社団法人 白川郷観光協会

All photos by Keiko Kawanami

ライター
川波 恵子 旅する臨床検査技師

旅する臨床検査技師けーちゃん。訪問国数は43ヶ国。臨床検査技師として働く傍ら、出張撮影サービスのカメラマンをしたり、世界一周をしたりアメリカ横断したり、カナダに住んでみたり、フォトコンテストで世界1位になったり(IPA 2023)。「やりたい事は全てやる、行きたい所は全て行く」をモットーに世界中を旅しています。好きなことはカメラと美味しいチョコレート探し。今の目標は宇宙旅行。

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