スカンジナビア半島の東側に広がる王国「スウェーデン」は、社会福祉制度が非常に整った国として知られています。また、国土の6割は森林に覆われ、1割は湖や河という自然に恵まれた国です。
今回は、スウェーデンの美しい自然遺産を含む、すべての世界遺産をご紹介します。
ハンザ同盟都市ヴィスビュー
13世紀から14世紀にかけて、バルト海でのハンザ同盟の主要な中心地であったゴットランド島の要塞都市ヴィスビーは、かつてバイキングの拠点でもありました。
当時に建てられた城壁や倉庫、裕福な商人たちの住居が今もそのまま残っています。ジブリ映画「魔女の宅急便」の舞台にもなったと言われている美しい景色は必見です。
ラポニアン・エリア
ラップランドのうち、ラポニアン・エリアと呼ばれるスウェーデン北部の山岳地帯。最低気温−40℃を超える極寒の土地です。
サーミ人の故郷であり、先祖伝来のトナカイとの遊牧生活を現在も守っている世界で最後に残った地域の一つとして、世界文化遺産・自然遺産の両方に登録されました。神秘的なオーロラも観測されています。
タヌムの線刻画群
オスロ湾に面したストロムスタートという街にある遺跡で、紀元前1500年前から紀元前500年頃にかけての青銅器時代の遺跡が発掘されています。
狩人を含む狩りの光景、トナカイや牛などの動物、農作業に従事する人々、妊婦、呪術師、また日常生活に使われていた道具などの岩絵が残されています。1994年に世界文化遺産に登録されました。
カールスクローナの軍港
「カールの王冠」という意味をもつカールスクローナは17世紀にカール11世によって造られた難攻不落の海軍都市です。地形が複雑に入り組んだ沿岸に造られた海軍基地には、町全体を守るように7つの要塞が築かれ、約300年もの間、どの国からも攻撃を受けることがありませんでした。海軍の港と街が一体化した変わった風景が今も残っています。
ヘルシングランドの装飾された農夫の家
スウェーデン東部にある7つの木造家屋で構成されている農夫の家々は、ヘルシングランドに残る1000以上の木造建築物の中から選ばれ、2012年に世界文化遺産として登録されたものです。
中世から伝えられる木造建築を象徴する建築物として残されています。紳士階級の嗜好と民族的な伝統美術が見事に融合した装飾は、この土地ならではのものです。
photo by Britt-Marie Sohlström
ビルカとホーヴゴーデン
メーラレン湖に浮かぶ二つの島ビュルケ島とアデルスユー島には、ヴァイキングの故郷の古代遺跡があります。一つはスウェーデン最古の街とされているビルカ。
もう一つはスウェーデン最古のキリスト教集会所のあるホーヴゴーデンです。ホーヴゴーデンにはスウェーデン王族ゆかりの墳墓があり、墓や港は当時のまま残っているため、まるでタイムスリップしたような気分になれます。
ヴァールベリ・ラジオ放送局
1922年から2年間に渡り、ハッランド県ヴァールベリに超長波送信局が建設され、アメリカのロングアイランドにあるラジオセントラルとの間で、大西洋横断無線電信に運用されていました。
1960年代から使用されている二代目送信機は、現在もスウェーデン海軍が運営しています。毎年アレキサンダーソン・デーには特別記念局が開局されます。
シュトゥルーヴェの三角点アーチ観測地点群(スウェーデン内)
ドイツ系ロシア人の天文学者であるフリードリヒを中心に、ノルウェーにある世界最北の町ハンメルフェストから黒海のイズマイルまでの間を計測するために設置された三角観測地点群です。