ライター

1995年秋田県生まれ・千葉県育ち。日本47都道府県、世界40ヵ国を訪問。新卒で不動産会社に就職し、新卒採用と営業を経験。退職してデンマークに1年滞在したのち現在はベルリン在住。"旅するスパイスカレー屋"を世界中で不定期開催しています。

こんにちは、TABIPPO CARAVANメンバーの、しばです!

今回はTABIPPO代表の清水直哉さん(通称:しみなおさん)に、TABIPPOの創業ストーリーについてお話を伺いました。

世界一周の旅をきっかけにスタートしたTABIPPOが、どのようにして現在の形へと成長していったのか。

旅好きの方はもちろん、これから新しいことに挑戦したい方にもぜひ読んでいただきたいインタビューです。

清水直哉
群馬生まれ、40ヶ国以上を旅したビール好きの経営者、あだ名は「しみなお」です。世界一周のひとり旅から帰国して、TABIPPOを仲間と一緒に創設しました。26歳で起業してから、旅の力で世界を豊かにすることに人生を賭けてます。でも、経営者らしくないフラットな人間。趣味は、サッカーと漫画、そしてお酒。カレーとトマト、ビールとコーヒーが大好きです。

同じ想いを持った仲間との旅先での出会い

 ーTABIPPOはどのようにして立ち上がったのでしょうか?

僕は21歳の時に世界一周ひとり旅をしたのですが、この旅が自分の人生を大きく変えるきっかけになりました。旅の途中で「旅を広めたい」という同じ想いを持つ同世代の仲間と出会い、帰国後に一緒に旅を広めるイベントを開催することになったのです。

清水

創業当時の初期メンバー。写真中央がしみなおさん

 ーその仲間たちとはどこで出会ったんですか?

全員が一度に出会ったわけではなくて、ひとりはエジプト、ひとりはニューヨーク、もうひとりとはペルー……などとバラバラに出会いました。

それぞれ気が合いそうで「旅を広めたい」という想いも共通していたので、帰国後に僕が全員を呼んで集結しました。当時学生でお金もなかったので、集まったのはサイゼリヤでしたね(笑)

清水

 ーそこからどうやってTABIPPOが始まったんですか?

最初に開催した”旅を広めるイベント”が成功したので、「これを継続的にやっていこう」と6人で合意しました。

そのとき団体名を決めようとなり「旅」に「一歩」踏み出すきっかけを作りたいという想いを込めて「TABIPPO」という名前にしました。2010年のことです。

世界一周を経験した僕たちは、「僕らは特別な人間だから世界一周ができたわけじゃない。目の前にきっかけがあったから一歩を踏み出せたんだ」という共通の思いを持っていました。その気持ちを団体名に込めたのです。

清水

「やりたいことを仕事に」を実現

ーしみなおさん自身、いつか起業したいという気持ちはあったのでしょうか?

いや、まったくありませんでした。TABIPPOを立ち上げた当時も就職活動をしており、新卒でオプトという会社に入社することが決まっていました。サラリーマンとして頑張るつもりだったんです。

清水

 ーでは、新卒で入った会社を辞めてTABIPPOの活動に専念しようと思ったきっかけは?

2010年に学生団体として立ち上げたTABIPPOは4年間で活動がどんどん大きくなって、JALやHISのような大企業がスポンサーに名乗りを上げてくれたり、本を出版する話も出てきました。それで、「やりたいことが仕事になったらいいな」という気持ちが湧いてきましたね。

会社員の仕事も楽しかったけど、まだ若いし、失敗しても大丈夫かなと思って、仕事を辞めて2014年の4月にTABIPPOを会社にしました。

清水

約1,500人が集結した2014年のイベント

 ー大きな決断ですね。踏み切れた理由は何だったんでしょうか?

会社員時代は、夜や休日など限られた時間でしかTABIPPOの活動ができないのが、もどかしかったんです。

それに、社会人経験を通じてビジネスやマーケティングのスキルがついてきたのも大きかったですね。その経験値とTABIPPOを掛け合わせたら、ビジネスとしてうまくやれるんじゃないかとイメージが湧きました。それと仲間が3人いたので、不安も3分の1でした。

清水

 ー立ち上げ当時のビジネスモデルは?

学生団体の頃やっていたイベントを、東京だけでなく福岡まで広げたり、出版した書籍の印税を資本金にしたりしました。

清水

2014年に出版した『絶景手帳2016』

また、僕たち3人とも広告代理店出身だったので、旅や観光をテーマに企業からクライアントワークを受けて収益化するイメージも持っていましたね。たとえば、イベントにスポンサーとしてついてもらったり、自分たちのメディアにタイアップ記事を作ってもらったり。

清水

「旅そのものを広める」独自のミッション

ー立ち上げ当時から現在まで、TABIPPOの独自性は何でしょうか?

立ち上げ当時から、旅をテーマにしたメディアや観光業界の広告代理店はありましたが、若者向けに「旅を広める」ことを目的にした会社はほとんどありませんでした。

さらに、僕らは旅行会社とは違って、あくまで「旅そのものを広める」ことでビジネスを展開するという点が、今でも珍しい特徴だと思います。

清水

旅好きな若者が集う、熱気あふれるイベント

 ー旅行・観光業界の中でも珍しい存在として期待されていたんですね。

TABIPPOの活動を始めた2010年当時、パスポートの保有率は下がり続けており、海外旅行への関心が薄れている状況でした。

若者への海外旅行の促進を誰かがやらないといけないけれど、ビジネスとしてできる団体がなかったからこそ、「TABIPPOさんに期待しています」という声をたくさん掛けてもらえたのが嬉しかったですね。

とくにTABIPPOが若い世代に向けて旅を広める活動をしていたことが、創業時に共感してもらえる部分でもありました。

清水

旅への熱意から生まれた若者への影響

 ーTABIPPOが広めた旅のスタイルやトレンドはありますか?

そうですね、たとえばウユニ塩湖はTABIPPOの活動を通じて注目されましたね。南米は体力のある若いうちにバックパッカーとして訪れる人が多い地域ですが、「一生に一度は見たい絶景」としてウユニ塩湖を取り上げ、その旅の流れを作ったのがTABIPPOだと言われています。

清水

書籍『ウユニ塩湖 世界一の「奇跡」と呼ばれた絶景』

関連書籍も大ヒットし、『ウユニ塩湖 世界一の「奇跡」と呼ばれた絶景』は45,000部、『UYUNI iS YOU』は13,500部、『ウユニ塩湖 心を整える100の言葉』は30,000部で、計88,500部を売り上げました。

世界一周に関する書籍も販売したのですが、最初は書店員や出版社の方から「こんなニッチなテーマで売れるわけがない」と言われ続けました。

でもほかに誰も作っていない分野だったことと、僕らが心からやりたいと思っていたことだったので、面白い本を作れば売れると信じていました。その結果、大きな成功を収められたんです。

清水

 ー私の周りでもTABIPPOの本をきっかけに世界一周を決意した友達が何人かいたので、やはり影響力はすごかったと思います。

最近は忘れがちだけど、やっぱり原点に立ち戻ると「世界一周」という初期メンバーの共通点が強かったなぁと思いますね。

清水

当時は「世界一周団体TABIPPO」と名乗っていましたし。今思うとめちゃくちゃ怪しい名前ですね(笑)

清水

TABIPPOの次なる使命

photo by Asuna Igari
 ー現在、TABIPPOが目指していることは何ですか?

今僕らがやっていることって「あたらしい旅」を広めることなんです。

短期間で行く海外旅行も増えていますが、僕たちは本当の旅の良さを広めたいと思っています。

たとえば「長期滞在やリピートする旅、閑散期に訪れる旅などもいいよね」という王道からはずれた旅のスタイルもプロモーションしたりしています。

清水

◆関連記事「株式会社TABIPPOはCIを刷新して、ミッションを「あたらしい旅をつくる」にアップデートしました。

「世界一周」からすべては始まった

今回しみなおさんへのインタビューを通じて、世界一周をきっかけに生まれた「旅を広めたい」という想いが、どのように形となりTABIPPOを成長させてきたのかが語られました。

2010年の立ち上げ当初から、理念を14年以上もブレずに貫きつつ、時代の変化に合わせて社会が求めるサービスを柔軟に展開する姿勢がTABIPPOならではの魅力なのではないでしょうか。

さらに、旅の本質を見つめ続けてきたTABIPPOだからこそ描ける、新たな旅のスタイルや価値観に、これからも期待が寄せられます。

Photos by TABIPPO

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ライター

1995年秋田県生まれ・千葉県育ち。日本47都道府県、世界40ヵ国を訪問。新卒で不動産会社に就職し、新卒採用と営業を経験。退職してデンマークに1年滞在したのち現在はベルリン在住。"旅するスパイスカレー屋"を世界中で不定期開催しています。

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