沖縄県八重山郡の竹富町と聞いて、どこを思い浮かべるでしょうか。竹富町は9つの有人島と7つの無人島があるエリアを指していて、沖縄の中でも観光スポットとして見逃せない離島がたくさんあります。
その自然の美しさや生物の多様性などの価値が認められ、2021年の夏頃にはユネスコ(IUCN)世界自然遺産に登録される可能性が高く、今後はその人気もさらに上がるかもしれません。
photo by Daiki Okamoto
今回は、筆者がこれまでに実際行ったことのある、竹富町の3つの島々をピックアップしてご紹介。
沖縄の原風景を感じさせる小浜島、マングローブの宝庫である西表島、牛がのんびり暮らす黒島。
それぞれ違った魅力ある島々の情報をチェックして、この夏は竹富町でアイランドホッピングを楽しんでみてください。
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沖縄のイメージに最も近かった、小浜島はとにかく遠景の海が美しい!
photo by Daiki Okamoto
沖縄の原風景、というキャッチコピーはよく使われますが、人によって少しずつそのイメージは違っているものですよね。
筆者にとって、もともとの沖縄のイメージに最も近かったのが小浜島(こはまじま)です。
シンプルにビーチが美しいのも沖縄の大きな魅力ですが、遠くにぼんやりと青い海が広がっている様子の方が、筆者にとっての沖縄だったのです。
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それは、例えばサトウキビ越しの海だったり、アップダウンのある道の向こうに広がっている海だったり。
小浜島の周辺は、透明度が高い海が広がっていることで有名。さらに、島内にはまっすぐな道が多くあるため、「道の向こうに海」という景色を見るのに最適なのです。
島内をサイクリングで楽しもう
photo by Daiki Okamoto
小浜島は、そこまで大きな島ではないので、サイクリングで回るにはピッタリ。ただ、坂道を上り下りするので、できれば電動の自転車をレンタルしましょう。
島内には、サトウキビ畑の真ん中を突っ切るシュガーロードなど、自転車でこそ楽しめるスポットもありますよ。
「ちゅらさん」の舞台も要チェック
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島内どこを走っても沖縄らしい魅力を感じられる小浜島ですが、「こはぐら荘(大盛家住宅)」も訪問すべきスポットです。(見学は外からのみ)
こちらは、テレビドラマ「ちゅらさん」でロケ地として使われていた建物なので、見た覚えがあるという方も多いことでしょう。
この番組を観て、沖縄の美しい自然の魅力を知った人も多いはず。ぜひ、小浜島でドラマの世界に浸ってみてください。
沖縄の中でも異色!西表島の魅力は内陸部にあり
photo by Daiki Okamoto
小浜島もそうですが、一般的に沖縄の魅力といえば海の美しさを堪能できる場所がほとんどです。
そんな中、少し異色の魅力を持つのが西表島。船やカヤックなどで内陸部に行くと、よりディープな楽しみに出会えるのが、西表島の面白さなのです。
西表島に行くなら、まずピナイサーラの滝へ
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特に、沖縄で最も大きな落差を誇る「ピナイサーラの滝」は、西表島を訪れるのであれば、確実に行っておきたいスポット。
時期にもよりますが、滝つぼに飛び込んだり、滝の上まで歩いて行ったりと、様々な楽しみ方ができる場所でもあります。
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ピナイサーラの滝まで行くには、ヒナイ川をリバーカヤックで上っていき、さらに途中からはトレッキングで30分ほど歩く必要があります。
基本的に、ツアーなどに申し込んで半日かけないと辿り着けない場所ではありますが、その価値は十分にあります。
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南国ならではの植物を見ながらのトレッキングも魅力的ではありましたが、筆者としてはリバーカヤックこそ西表島を最も楽しむ方法ではないかと思います。
というのも、西表島はマングローブの宝庫。カヤックであれば、マングローブに包まれたトンネルのような空間へ行くことも可能です。
その時の干満の状態にも影響されるので、見られるかどうかは運次第ですが、まさに西表島ならでは!と言える絶景を目指して、カヤックを漕いでいってみてください。
イリオモテヤマネコ以外にも、注目の動物が
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竹富町の生物多様性は、マングローブの種類の豊富さからも感じられますが、西表島では動物もチェックしておきましょう。
有名なのは、イリオモテヤマネコですね。絶滅危惧種に指定されていて、島に行ったことがない方でもその名前はご存知でしょう。
ただ、イリオモテヤマネコは夜行性ということもあり、短期滞在だと出会える可能性はかなり低いと言えます。
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実は、西表島にはもう一種類、絶滅危惧種に指定されている動物が存在します。それがカンムリワシという、元プロボクサー具志堅用高さんのニックネームにもなった鳥です。
希少な種ではあるものの、島を散策していると、電線にとまっている姿などを見せてくれることがしばしばあります。
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筆者自身も、西表島の滞在初日にカンムリワシのことを知り、次の日にはもう出会うことができたほど。
警戒心は高いので、あまり近づくとすぐに逃げてしまいますが、遠目からでもその凛々しい様子は見られますし、滞在中はぜひ探してみてください。
由布島へは水牛車に揺られながらのアクセス
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西表島で楽しみたいアクティビティがもう一つあります。それは水牛車で海を渡るというもの。
水牛車に乗れるというだけで、沖縄ならではのアクティビティだと感じられますが、さらに西表島からは由布島(ゆぶじま)まで、牛に乗って行くことができるのです。
海を渡ると行っても、浅瀬を400メートルくらい歩くだけなので、15分ほどの道のりですが、こちらも西表島に行くならぜひ旅程に組み込みましょう。
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由布島も竹富町を構成する有人島の一つですが、徒歩でも30分くらいで回れるとても小さな島。もちろん、西表島から日帰りで行くことができますよ。
島内では、ブーゲンビリア園や蝶々園が観光スポットとなっており、亜熱帯の植物や昆虫を観察するのにピッタリです。
のんびりするなら、人よりも牛の方が多く住んでいる黒島がベスト
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小浜島、西表島とご紹介してきましたが、筆者が最もゆったりとした沖縄らしい島時間を感じたのは黒島でした。
黒島は小浜島の南に位置する有人島で、200人ほどの住民がいますが、牛の数はなんと3,000頭以上!
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島を散策していると、すぐに牛と出会えるので、その数値にも納得です。ちなみに、データ通り、ほとんど人には出会いません。
島内にお店はほとんどないので、お昼時に訪問する際などは食事を逃すということもありえます(実際に筆者は食べそこねました…)、注意しておきましょう。
エメラルドグリーンに輝く海を見るなら西の浜で
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そんな黒島ですが、小浜島と同じく周囲の海の色がとても美しいのが魅力の一つ。こちらは、島の北西部に位置する「西の浜」の写真です。
小浜島の海が青みの強いコバルトブルーのような色である一方で、黒島では場所によっては緑がかったエメラルドグリーンの海を楽しむことができます。
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同じ竹富町内の島でも、それぞれ少しずつ海の色が違うというのは興味深いですよね。
島をいくつか巡ったからこそわかる違いかもしれませんが、アイランドホッピングをする際には、そんな点にもぜひご注目ください。
フォトジェニックな桟橋で撮影タイム
photo by Daiki Okamoto
ビーチだけでなく、黒島のフォトジェニックなスポットとして人気なのが、島の北東部に位置する「伊古桟橋(いこさんばし)」です。
かつては船着場として使われていた場所ですが、現在は地元の人が夕涼みや釣りに訪れます。
そのため、ただ道が海に延びているだけとも言えるのですが、そのシンプルさがむしろ海の美しさとマッチして、フォトジェニックなのです。
photo by Daiki Okamoto
ここに座ってぼーっと海を眺めるもよし、ポーズを考えて最高の一枚の撮影に挑戦するもよし。
まだ穴場で、人の少ないフォトスポットを存分に楽しみましょう。
個性的な竹富町の島々、今のうちに自分好みの情報をチェックしておこう
photo by Daiki Okamoto
沖縄、竹富町の離島と一口に言っても、それぞれの魅力は少しずつ違っていて、いくつもの島を巡ることで見えてくる楽しみ方もあります。
特に、竹富町の島々は個性が強く、島によって楽しめることが様々。例えば、すでにご紹介した海の色の違いなどもその一つ。
また、どこの島というわけでもない、島と島の間の海のグラデーションも見応えがあるので、移動中もぜひ景色に注目してみてください。
なお、現在のコロナ禍においては、国内旅行といっても気軽に行ける状況ではありません。
世界自然遺産に登録間近と言われる竹富町ですが、直接行くのは難しいという方も多いでしょう。
そんな場合に、チェックしておきたいのが、現地に行かずとも町の応援ができるピカリャ〜カード。
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ピカリャ〜カードは、竹富町の美しい自然や動植物、伝統芸能や文化が息づき守られている島々を応援するサポーターズカード。
ビックカメラや紀伊國屋書店などでの普段の買い物や、竹富町と全国にあるサイモンズ加盟店、提携のネットショップで貯めたポイントを、島の特産品などと交換できます。また、竹富町内の一部加盟店では、代金支払いの一部としてもご利用でき、貯めたポイントを島々に寄付することもできます。
photo by Daiki Okamoto
筆者自身も今回の旅記事作成を機にその存在を知ったので、早速手に入れて利用してみようと思っているところ。
「竹富町はちょっと遠い」っていうあなたも!島々で行われるさまざまな活動にピカリャ~ポイントで参加しませんか。
ピカリャ〜カードのお申込みや詳細は竹富町観光協会まで。
2020年は旅をガマンしたという方もたくさんいると思いますが、直接行けなくてもできる応援の形がある、ということも知れた年でしたよね。
photo by Daiki Okamoto
今年の夏こそ存分に旅を楽しめると信じて、まずはあなた好みの離島をチェックするところから始めるという、旅の形はいかがでしょうか。