ライター

看護学部卒業後、救命救急で2年間勤務。未経験でメディア系ベンチャーに転職し、人材事業や法人営業に従事。週末はカメラマンとして活動し、2026年世界一周予定。

初めての一人旅は、大学1年生の夏でした。

タイ・カンボジア・ベトナム・ラオスをバックパックひとつで巡る、アジア周遊の旅です。

自由に憧れて飛び出した世界の中で、私が出会ったのは、思っていた以上に“孤独な時間”でした。

その時間が、本当の自分の声を教えてくれました。

今回は、そんな私にとっての「原体験の旅」を紹介します。

この記事が、みなさんがこれまでの旅をふり返り、これからの旅を考えるきっかけになれば嬉しいです。

「このまま地元に居続けたくない」という想い


高校時代の私は部活に勉強にと、いつも何かに追われていました。

息をするように「頑張らないと」と自分を急かしていた気がします。

そんなある日、もっと広い世界を知りたいと思い、地元を出る決断をしました。

そして入学してすぐ、勢いのままにタイ行きの航空券を買いました。

これまでとは違う環境で、違う仲間と出会いたい。その一心でした。

自由は心地よい


初めての一人旅。

現地では、行き先も宿もその場で決めるスタイルにしました。

手に持ったガイドブックと、ほんの少しの勇気だけを頼りに歩みを進めました。

誰にも合わせず、好きな場所へ行く。

朝も夜も、自分の選択で自由に進む感覚に、胸が高鳴りました。

「自由って、こんなに心地いいんだ」

知らない国で、すべて自分で決められる経験は、想像以上に自由で、刺激的でした。

「こんな世界があったんだ」と、世界が急に広がった気がしました。

自由の裏にある孤独


旅の途中、タイのタオ島でダイビングライセンスを取得しました。

にぎやかな街を離れ、静かな安宿に泊まった夜。

ふと押し寄せた静けさに、不安が一気にこみ上げてきました。

SNSを開くと、日本で友人たちが楽しそうにしている姿が目に入りました。

自分だけ、遠い場所に取り残されたような気がしました。

そのとき気づきました。

一人旅は自由だけでなく、孤独も一緒についてくると。

それでも、その気持ちから逃げずに向き合ったとき、少しだけ“自分の力を信じてみよう”と思えました。

旅は、ただ楽しいだけではなく、自分と向き合う時間でもあります。

そこで感じた自由と孤独は、私の価値観を大きく変え、今も旅を続ける理由になっています。

忘れられない景色


ラオスの川沿いで見た、息を呑むほど美しい夕焼け。

ベトナムの路地裏で出会った、知らない人のあたたかい笑顔。

孤独や不安もすべて引き受けた先で出会った景色や人たちは、今でも私の心を強く照らしてくれます。

ラオスからタイへ国境を越えるときに見た、空いっぱいの夕陽。

あの光景は、今でも鮮明に覚えています。

知らない国で、自分の知らない強さに出会える。

その瞬間が、たまらなく好きになりました。

自由も孤独も、どちらも「生きている実感」をくれます。

そして、誰かに頼らず過ごした時間が、「大丈夫、私はやれる」という静かな自信をくれました。

次の日にはまた、新しい世界が待っています。

旅が教えてくれたこと


旅は、ただ楽しいものではないです。

自分を試し、また前に進む力を思い出させてくれるものです。

あの夏の旅があったからこそ、今も私は、世界へ一歩を踏み出す勇気を持ち続けています。

世界は、広くて、優しくて、少しだけ寂しい。

でも、そのすべてを味わいたいと思います。

あの原体験を胸に、私はこれから世界一周の旅に出ます。

誰のものでもない、自分だけの旅を。

みなさんもぜひ、いろいろな思いを抱きしめる旅をしてみてください。

きっと、その先で、忘れられない出会いが待っていると思います。

All photos by Saki Matsuo

ライター

看護学部卒業後、救命救急で2年間勤務。未経験でメディア系ベンチャーに転職し、人材事業や法人営業に従事。週末はカメラマンとして活動し、2026年世界一周予定。

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