旅のスタイルは十人十色。正解がないからこそ、自由で、奥深くて、おもしろい。そしてそれは、旅を重ねるごとに、少しずつ色やカタチを変えていく。
「世界中旅して、いろんな景色を見て、いつか話をきかせてほしい。」
この父の言葉に背中を押され、これまでに訪れた国は25か国、30都市。
地球一周や留学を経て、次はどこへ行くのだろうとわくわくしているところです。
そもそも“わたしの愛する旅のスタイルって何だろう……?”
そんな問いに対するヒントを求めて、出発準備から現地での過ごし方まで、5つシーンでふり返ってみることにしました。
この記事を読んでくださっているあなたにとっても、これまでの旅をふり返り、これからの理想の旅を考えるきっかけになったら嬉しいです。
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出発準備は「しっかり計画派」
あなたの旅は、しっかり計画派?それとも気ままに放浪派?
わたしはしっかり計画派。ガイドブックを読みながら計画に夢中になれる時間が大好きです。
最近意識していることは、スケジュールに選択肢をつくること。その日の気分に合わせて選べるように、アクティブプランAとのんびりプランBを考えておきます。たとえ計画通りにいかなかったとしても、無事に帰ってこれたらパーフェクト。
いつかスマホに頼らず、現地でのセレンディピティを楽しむ旅もしてみたいです。そのためにまず地図を読めるようにならなければ……。
荷造りは海外なら1週間ほど前から、国内なら前日にパパッとできるようになりました。ブラッシュアップされてきた荷物をみて成長を感じることもあれば、読む暇なんてないであろう単行本をそれでも連れていく自分に、相変わらず変わらないなぁと笑ったりします。
限られたスペースに厳選したアイテムを詰めていく作業は、本当に必要なものはそう多くないことに気付かせてくれます。とはいってもまだまだ重たい荷物。もっと洗練させていきたい……!
移動では肩の力を抜いて身をゆだねたい
好きな乗り物ベスト3は、船、列車、飛行機です。
目的地まで無事にたどり着くことを祈りながら乗り込むと、あとはふぅっと肩の力を抜いて身をゆだねるだけ。比較的ゆっくり動く(ように感じる)乗り物は大きなゆりかごのようで心地よくて。景色をただぼーっと眺めていると、普段いかに生き急いでいたかに気付かされたりします。
そんな旅のはじまりに音楽があると、世界がよりドラマチックになります。わたしは旅ごとにテーマソングを決めておくのが好きなのですが、曲を聴くたびに感情ごと蘇るのでおすすめです。
そしてわたしの定番はColdplayの曲たち。初海外のイギリスを思い出して初心にかえるのと同時に、宇宙を感じる壮大なサウンドや温かい歌詞が、“地球へ旅をしにきた主人公”にしてくれます。
宿泊は素敵なルームメイトに出会えるチャンス
宿泊先へ無事にチェックインできた瞬間ほど、ホッとする瞬間はありませんよね。きれいなホテルも好きですが、長期旅では必ず2~4人部屋のシェアルームを選んできました。というのも、”わたしは必ず素敵なルームメイトに出会える”という自信があるので、毎回試してみたくなるのです。
最近、オーストラリア留学でルームメイトになったのはスペイン人のお姉さん。彼女はなんと占星術のプロ。天体や星読みが好きなわたしにとって、運命だと思えるほどに嬉しいご縁でした。それもすべて、これまで出会ってくれた素敵なルームメイトたちのおかげ。感謝の気持ちでいっぱいです。
海外の宿は想像と現実のギャップに驚くこともあるけど「屋根があるだけいいか」とか「この間のとこより全然大丈夫」と思えたとき成長を感じられます(笑)
格安でも高級すぎても落ち着かないことがわかったので、ちょうどいい温かみのある宿を見つけたいです。
食事はプラントベースで心と体を満たして
わたしは地球一周の旅をきっかけに、プラントベースの食事に関心を持つようになりました。
それからは旅先でもプラントベースかつ美味しい料理を見つけると、とても嬉しくなります。これまで食べた中で印象的だったのは、グアテマラの児童福祉施設でいただいた家庭料理。料理用バナナの煮物は初めてなのに、懐かしくてホッとする味。周囲の方の食べ残しまで全部平らげました。
この食べっぷりで感動が伝わってほしいと願いながら。
地域の人が大切にしてきた伝統料理、心とからだが満たされるような本当の意味で美味しい食に、これからもたくさん出会えますように!
旅先での過ごし方
ひとりで旅立つことが多いけれど、旅先で一日中ひとりきりで過ごした日は……ほとんどないかもしれません。
現地の方と交流したり、気が付けば新たな友達ができていたり、旅先で出会った人とまた再会したり。ひとりも好きだけど、誰かとともにする時間も特別で大切にしたいと思っています。
ひとりで過ごすときには、せっかく旅をしにきているのだから外に出よう!観光地制覇しよう!ということはなくなってきました。自然に触れられる場所や心地いい空間を見つけたら、安心して気が済むまでのんびりと過ごすことにしています。
市場で果物を買って海辺や公園に行き、ただ深呼吸をしてみたり、旅の気づきを書き留めたりする時間にしあわせを感じます。
あると必ず訪れたいお気に入りスポットは美術館や博物館、本屋さん、天文施設。
そんな好きな場所を訪れるためなら、自分でも驚くほど動けるから、やっぱり”好き”の力ってすごいです。ただ、そこでつい夢中になりすぎて空港までダッシュするのはもう卒業したいのも本音。
本屋さんに立ち寄れたら、その土地のベストセラーをチェックすることも習慣になっています。
旅のスタイルからみえた、心地よい生き方
こうしてこれまでの旅をふり返ってみると、変わらないことや変化したことのなかに、”わたしの愛する旅のスタイル”がなんとなく見えてきました。
旅先によって求める体験は違っても、根底にいつもあったのは“心が躍るような体験をして、本来の自分取り戻したい”という想い。そして“心を通わせたい”という願いでした。そしてその願いを叶えようと、カタチ作られていったのが今の旅のスタイルなのだと思います。
日常から離れて新鮮な場所へ旅をすると、たくさんの人やモノたちと対話をすることができます。
それは自然や歴史的建造物であったり、はじめて出会う人、今はもう会えない人、そして自分自身であったり。対話を通して最終的に、”いま在るもののありがたさ”を思い出し、より一層生きるよろこびを感じられるようになっていたのです。
人生自体が旅であるなら「愛する旅のスタイル」は「愛する生き方」そのもの。きっとこれからも変化し、進化していく旅のスタイル。もっと身軽に、目の前にある景色を楽しみながら、心が躍るような旅=生き方を探求していきたいと思います。
あなたにとって心地よい、愛する旅のスタイルとはどんなカタチでしょうか?
いつか旅先で語り合える日を、心から楽しみにしています!
All photos by Karin