旅好きにとって、旅行業界は就職活動で会社選びの候補に入るはず。筆者も旅が大好きで旅に関わる仕事がしたいと思っていたので、就職活動中は旅行業界だけを受け続けていました。
業界研究はしたはずなのに、選んだのは個人向けに旅行を提供する旅行会社。しかし実際に働いてみると、自分が働く会社以外に旅行業界にはもっとたくさんの会社があることに気づきました。
そこで、実際に旅行会社で働いて知った旅行に携わる職をご紹介します!なお、今回はJTBグループやHISといったどこのカテゴリーにも属すような大きな旅行会社は省いて紹介してます。
旅行会社(個人旅行向け)
photo by shutterstock
一番知られているのが、企業(Business)が個人(Consumer)に販売する会社。トラベルコなどの旅行比較サイトで上がってくる会社に当たります。他社との競合精神が強く、500円、1,000円、単位でお客様が他社に予約を入れることも日常茶飯事。
さらに細かく分けると、旅行代理店とそうでない会社に分かれています。代理店は旅行業者(主に同じグループ会社)が作り出したツアーを販売する会社、代理店とは呼ばない旅行会社は、社内で独自に作り出したツアーを販売しており、他社のツアーを販売することはほとんどありません。
例えば、旅工房やホワイトベアーなどは、一つの会社で旅行商品を作り出し販売しているので、「代理店」とは異なります。
旅行会社は予約・手配課(お客様対応をする部署)と営業課、企画課、発券課などと分かれており、それぞれ役割や給料は大きく変わります。ちなみに旅行の企画をしたいのに、旅行代理店に入社してしまうと、どんなに頑張っても旅行の企画は出来ないので注意してくださいね!
チャレンジ精神があり、口が上手い方・接客が好きな方には個人向け(FIT)の旅行会社にぴったりです。
会社例
・旅工房
・ホワイトベアー
・STワールド
・阪急交通社
・ファイブスタークラブ
旅行会社(業務渡航・出張向け)
photo by shutterstock
一般的にはあまり関わりが少ない業務渡航向けの旅行会社。医学会の研修や学者のコンベンションなどの予約・手配を主に承っており、リピーターが多く一人に長く顧客やグループが付くことがあるので、長く同じ会社で働いている人が多い印象です。
新規のお客様よりも、毎年同じようなコンベンションや学会に向けて飛行機やホテルを手配するのがメイン。他者との競争は比較的少なめです。
一方、人脈と信頼で成り立っているところが多いので、少しでもミスをすると次の学会から任せてもらえなくなるという責任重大な仕事。新規のお客様の対応をすることが非常に少ないので、相手の担当者の方とゆっくりじっくり付き合っていきたいタイプの方にはぴったりです。
会社例
・ティ・アイ・コンソーシア
・霞が関トラベル
・マックス・トラベル
旅行会社(企業内)インハウス
車業界やコンピュータ関係など大きな会社にあることが多く、基本的にはそのグループ会社の社員の出張や発表会などで航空券やホテルを手配するための会社です。仕事内容はBtoBの旅行会社と似ており、個人に旅行を手配するのではありません。
実は、土日祝日がしっかり休みなところや、大手の手厚い福利厚生が使えたり、定時に上がることができるので、BtoCの旅行会社で経験を積んだ人がインハウス業務にチャレンジする、業界では密かに人気の会社です。求人は多くのケースで旅行業務経験者が求められます。
会社例
・ソニーコーポレートサービス株式会社
・株式会社日産クリエイティブサービス
・NSSBエイジェンシイ株式会社(日鉄住金物産株式会社グループ)
ホールセラー
photo by shutterstock
旅行会社の多くは、直接航空券を航空会社から買うのではなく、ホールセラー(卸業者)から買うことが多くあります。
ホールセラーは上半期・下半期と、どのくらいホールセラーから旅行会社がチケットを購入したかなどを考慮しながら、航空会社とツアー用の航空券の値段を決めていきます。合わせて、旅行会社にチケットの予約が入ったら席を確保し、時期になったら発券するという業務も行います。
幅広く多くの航空券を扱い、航空券の複雑なルールを覚える必要がありますが、飛行機好きでオフィスで仕事をするのが好きな方には、おすすめの会社です。
会社例
ホテル予約会社
私たちがよく使う、ホテル比較サイトを旅行会社向けに提供しているのが、ホテル予約会社です。会社によって地域に強い・弱いがあり、本社がどこにあるのかというのも大きく関わってきます。
多くの場合外資系の企業が多く、万が一旅行会社のお客様にトラブルがあった時には現地のホテルとの対応をすることがあります。ホテルが好きで現地とのやりとりも苦がなくできる、語学が堪能な方にはぴったりのでしょう。