旅する地域を選ぶポイントも旅先も、歴史を基準に選びがちな私の旅。
そこに暮らしていた人たちの空気を感じながら、その地域について学びを深めていき、さらにそこが好きになっていく。石畳の道や古い建物を見ながら歩くと、ここでどんな人たちがどんな暮らしをしてきたんだろうと想像が膨らみます。
そんな私の、歴史を感じながらじっくり学びを味わう旅のスタイルをご紹介します。
歴史を感じる旅が好きになったきっかけ
真夏の神社
大学生になって初めてのひとり旅で行ったのは、日本の古都として有名な京都と奈良。修学旅行では違う地域に訪れたので、ずっと憧れがありました。
初めて目にした大きなお寺や荘厳な神社、博物館に並ぶ文化財を目の前に感動し、鳥肌が立ちました。遠くから響く鐘の音や、鳥居の中を抜けていく風を感じ、ゆっくりとした時間の流れに浸ります。
もともと歴史が好きだったこともあり、この体験をきっかけに歴史を感じられる場所を旅先に選ぶようになりました。
お寺や神社で出会う地域の暮らし
鹿児島県の口永良部島の神社
日本の多くの街には、お寺や神社があります。少し街から離れた自然に囲まれた場所にあることが多く、まるで別世界にいるような静けさを感じます。
そこにはずっと昔から受け継がれてきた文化や、地域の人々の暮らしが息づいています。
特に驚いたのは、お寺の本堂で地域の方々が集まってヨガをしている様子を見たときです。お寺や神社は宗教的なものだけでなく、地域の交流の場になっていることもあるため、その土地ならではの風景が見られます。
ほかにも季節ごとに行事があり、自然災害を免れてきた地域の歴史や作物の収穫に感謝する地域の暮らしに触れることもできます。
お城で見つける過去の出来事
山形県の山形城の石垣
日本のお城は弥生時代に、敵から自分たちの地域を守るために建てられ始めました。現在では主に、鎌倉時代から江戸時代に建てられたお城や城跡を見学できます。
お城と言えば立派な天守閣が想像しやすいですが、じつは昔からの形で残っているのは12城のみです。そのようなさまざまな歴史を生き抜いてきたお城からは、その地域の強さが感じられます。
お城周辺の城下町があった場所には昔ながらの古民家や蔵が残っていて、当時の人々の暮らしに少し触れられるのが楽しいです。天守閣が残っていない城跡では石垣やお堀が見学でき、どのような時代にどんな人たちが暮らしていたかが想像できます。
現在の街を見ながら、過去のできごとや歴史に思いを巡らせまるでタイムスリップしたような気持ちになります。
また最近ではスマートフォンのアプリでバーチャルの天守閣を見られるお城があり、城跡を見ながら過去を知るという現代的な楽しみ方も。
博物館で学ぶ知らなかった歴史
千葉県の誕生寺
古くからの歴史が残る地域には、発掘された古文書や彫像、暮らしの道具が博物館で展示されています。
海辺では漁業を中心とした暮らしや道具、寒さの厳しい地域では冬を越すための知恵や防寒具など、教科書には載っていないような日常的な歴史まで知ることができます。
地元の史料を展示する博物館で、そこでしか知れない小さな歴史に触れられるのが旅の醍醐味です。旅をする前に博物館へ行ってから街歩きをすると、学んだことを見つけて宝探しのようなわくわくする時間が楽しめます。
これからは世界の歴史を感じる旅へ
山梨県の新倉山浅間公園
これまでは日本の歴史を学ぶことをメインに、国内旅を楽しんできました。実は世界史が少し苦手で、海外旅ではあまり学びに焦点を当ててきませんでした。
これからは世界史を実際に勉強しながら現地に赴き、実際に見て体験しながら世界の歴史を感じる旅へ行ってみたいです。モスクや海外のお寺、お城、中世の街並みなど、歴史好きなら思わずスキップしてしまうような景色がたくさんあります。
それらの文化や暮らしを近くで見て、学んで、さらに世界を好きになる旅をしていきたいです。
All photos by Shion Nakamura