奉行杉コース(難易度★★:初級~中級者向け)
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■ 所要時間:約3時間
■ 歩行距離:約4km
■ 標高差:約220m
■ 見どころ:二代大杉、三本足杉、びびんこ杉、三本槍杉、奉行杉、二代くぐり杉、くぐり杉など
奉行杉コースの見どころは、さまざまな屋久杉の巨樹と原生林が楽しめるところ。そしてその筆頭格は、白谷雲水峡一幹が太い、幹周り約8.5m、樹高約24mを誇る「奉行杉」です。
この奉行杉のほか、本コースは個性豊かな屋久杉に出会えるため、巨樹巨木好きにはおすすめです。
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奥へ進むほどに森の緑は濃く深く、神秘性を増してゆく本コース。人の気配は格段に少なく、静けさが漂い、まるで心が洗われるような空間です。運が良ければ「ヤックル」もとい、ヤクシカなどに遭遇することも。
個人的には3コースの中でもっとも『もののけ姫』ワールドが感じられたコースですが、その分、道が険しく、アップダウンがきつい場面が多々あり、体力を消耗します。道に迷わないよう、道標のピンクテープは見逃さないようにしましょう。
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激しいアップダウンを経て、二大くぐり杉を過ぎると、太鼓岩往復コースの楠川歩道に合流します。
そこから少し登ったところに2つ目のくぐり杉(上画像)が現れ、さらに200mほど登り進めると休憩ポイントの「白谷小屋」に到着。
美しい渓流に水場やお手洗いもあるので、ぜひランチ休憩に足を止めてみてくださいね。
太鼓岩往復コース(難易度★★★:中級~上級者向け)
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■ 所要時間:約4時間
■ 歩行距離:約5.6km
■ 標高差:約450m
■ 見どころ:苔むす森、太鼓岩、くぐり杉、七本杉、シカの宿、武家杉・公家杉、かみなりおんじ、女神杉など
白谷雲水峡で王道かつ、もっとも人気の高いトレッキングが「苔むす森」の往復コース。
「苔むす森」と名付けられた苔の谷は、宮崎駿監督がインスピレーションを受け、「もののけ姫」の舞台のモデルとされたといわれるスポット。圧倒的な苔に覆われた神秘のたたずまいは、まさに木の精霊「こだま」がひょっこり現れてきそうです。
そして、「苔むす森」からさらに1.3kmほど先にあるのが、本コースのハイライトである「太鼓岩」(標高1050m)。登頂までの最後の約300mは急登が続くので気合を入れて登りましょう。
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1枚岩の花崗岩でできた「太鼓岩」は、九州最高峰・宮之浦岳(標高1936m)を中心とする奥岳の大パノラマが一望できる特等席。『もののけ姫』でいえば、モロ一族が岩の上から外界を見下ろすワンシーンが思い浮かびます。
また眼下に広がる小杉谷の森では、春にはヤマザクラ、初夏には新緑、秋には黄葉、初冬には新雪と、四季折々の表情が楽しめます。
なお、太鼓岩のスペースはとても狭いので譲り合って楽しみましょう。
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平成25年10月、屋久島世界自然遺産登録20周年を記念して命名された個性的な屋久杉たちも、見どころのひとつ。
上画像は、屋久島町在住・主婦の田中さんがしなやかな曲線美からイメージして名付けた「女神杉」です。
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ちなみに、太鼓岩登山にある「辻峠」は、左へ行けば太鼓岩、右へ行けば縄文杉経由で宮之浦岳へとつながる大株歩道への分岐点です。
縄文杉登山というと荒川登山口からのアプローチが一般的ですが、山小屋泊を前提とした白谷雲水峡からのアプローチも可能。ただし、その場合は本格的な登山となり、最低1泊は必要なのでご注意ください。
なお、この分岐から宮之浦岳方面へ120mほど進んだ先には、『もののけ姫』でモロ一族が暮らした岩屋のモデルになったといわれる「辻の岩屋」があります。体力と時間に余裕があれば、ぜひ立ち寄ってみてくださいね。
『もののけ姫』の苔むす森で身も心もリフレッシュ!
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「ひと月に35日雨が降る」、そう形容されるほど圧倒的な雨量を誇る屋久島。
大量の雨水と気の遠くなるような年月が育んだ比類なき『もののけ姫』を思わせる苔むす森。美しい緑、水や空気、マイナスイオンに包まれながら疲れた心を洗い流して、気分をリフレッシュしてみませんか?
個人で登るのはやっぱり不安という方にはガイドツアーもおすすめ。屋久島観光協会の公式サイトに「ガイド一覧」が紹介されているので、こちらもぜひ参考にしてみてくださいね。
・名称:屋久島
・住所: 鹿児島県熊毛郡 屋久島町
・地図:
・アクセス:鹿児島空港から日本エアコミューターで約40分、高速船で鹿児島港から最短1時間50分、フェリーで約4時間
・屋久島レクリエーションの森 保護管理協議会公式サイト:http://y-rekumori.com/